一生独身の人に必要となる老後資金を試算してみた!

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晩婚化が進んでいるとはいえ、このまま独身で老後を迎えてしまうかもしれない、と、自分の将来がそろそろ見えてきている独身者の方もいるかもしれない。つまりこのまま独身で過ごし、老後、老人ホームに入るという未来を見据えている人のことである(筆者もそうだ)。その場合、30代や40代からどのようなお金の計画が必要なのか。気になったので保険アドバイザーの堀池泰さんに話を伺った。

■まずはゴールの設定から

「老後に備える資産運用は、ゴールの設定から始まります。例えば『入居金500万円+月額15万円』の老人ホームへの入居をご希望される場合、普通にお勤めされ、当然のことながら年金保険料もきちんと納付されていればある程度なんとかなります」(堀池さん)

年金には大別して2種類あり国民年金からは「老齢基礎年金」が、厚生年金からは「老齢厚生年金」が支給される。

「支給額は『老齢基礎年金の場合は78万100円(※1)』『老齢厚生年金の場合は89万7,800円(※2)』で、1カ月あたり計13万9,825円です。このため月々の支払は不足し、且つ勤務先に退職金制度が無い場合は入居金も貯金しなければなりません。仮に老後を65歳からの20年程度で想定する場合、物価の問題を置いておくと、必要準備総額は『500万円(入居金)+244.2万円(月の不足額累計)=744.2万円』です。これを今から30年程度かけて準備する場合、利息や積立利率益を含めなくとも月々の必要積立額は2万672円で、比較的現実性のある数字となります。またこの範囲であれば、安全性の面から貯金や利回りの高い個人年金保険が有利です」(堀池さん)

ごく一般的な老人ホームに入居する場合、早いうちから準備すれば、積み立てやリスクの少ない資産運用で生活にも余裕を持って準備できそうだ。しかし、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の場合は、状況が異なると堀池さんはいう。

■老人ホームも種類によっては、計画が大変

「サービス内容により大きく差がでますが、入居金が数千万円のケースでは貯金や個人年金による積立ではとても追いつかないケースがあります。仮に入居金を3,000万円とした場合、30年の月々の必要積立額は約8.3万円となります。普通のサラリーマンがこの額を貯めていくにはアクティブ運用をせざるを得ません」(堀池さん)

積立のすべてをアクティブ運用にまわすとリスクが高いため、リスク分散が重要になるという。堀池さんがリスク分散の方法を教えてくれた。

「方法は様々ですが、1階は安全投資、2階はリスク投資の2階建てが有効です。まず1階では貯金や個人年金などで土台を固めます。月々3万円を30年積立てれば、利息や積立利率益を含めなくとも1,080万円になります。2階は残りの2千万円分を別途3万円で毎月積立て、且つ年利4%で複利運用します。30年で2,100万円となり、合計で3,000万円を突破できます。安全投資のみの場合は月約8.3万円の積立てが必要でしたが、リスク投資と組み合わせることによりある程度の相対的な安全性も確保しながら、月6万円で済んだことになります。もちろん、一般的に月々6万円の積立は家計上厳しいので、その場合は1階部分を減らし、2階部分を増やすという調整を行います。ただし、リスクが増加したことにより運用結果がマイナスになると、1階部分までも減少することになりますので注意が必要です」(堀池さん)

ゴールをどこに設定するかによって老後までの生活はガラッと変わってしまう。若いうちから独身のままの老後計画を立てたい人は参考にしてみてはいかがだろうか。また、老後を独身のまま老人ホームで過ごすという考えに固執せず、積立て負担も軽減するため、結婚して夫婦で老後の計画を立てることも選択肢として考えるのも良いのではと堀池さんは最後に付け加えてくれた。

(注)
※1.平成27年4月分からの年金満額。
※2.被保険者期間35年、平均標準報酬月額30万円の場合の簡易試算。
(出所)日本年金機構「年金の受給(老齢年金)」他

「教えて!goo」では、「将来、自分は老人ホームに入ると思う?そのために必要な資金の準備はしている?」ということでみんなの意見を募集中だ。

●専門家プロフィール:堀池 泰
Adual株式会社代表取締役。シニア・ライフ・コンサルタント。FP。保険の総合プランナーとして保険の見直し、資産運用、相続関係の相談業務等を行う。(株)インテリジェンス、アクサ生命を経て2009年独立し、Adual株式会社を創業。

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