左から、鎌田翔平選手、南原健太選手、太田菜月選手、高橋佑汰選手

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真っ白な道着に漆黒の帯を締めた猛者たちが現れると、編集部がざわついた。その精悍な面構え、筋骨隆々の鎧を纏(まと)った肉体…。

極真会館を背負う若き空手家たち――鎌田翔平(28歳)、高橋佑汰(22歳)、南原健太(17歳)、そして紅一点の太田菜月(25歳)が道場荒らし…いやいや編集部訪問にやってきてくれたのだ!

男子は11月20〜22日に開催される『第11回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』に、女子は23日に開催される『2015世界女子空手道選手権大会』に日本代表として出場する。4年に一度の世界大会への意気込みをアピールするとともに、その世界レベルの“一撃”を編集スタッフの面々が文字通り体を張って体験した!!

*この記事は、英文でもお読みいただけます【There is English translation of this article after Japanese.】

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―まず、皆さんが極真を始めたきっかけと、得意技を教えてください。

鎌田 小学校1年生の時にケンカで負けたのがきっかけです。同級生に顔を叩かれて、悔しくて泣いて。元々、親が少林寺拳法をやっていたのですが、近くに道場がなくて、じゃあ空手をやろうと。当初は他流派だったんですが6年生から極真に。得意技は蹴り技全般です。

高橋 僕は小2の時、自宅の近くに道場ができたのがきっかけです。父親がリアルタイムで松井章圭館長が出場した世界大会を観ていたこともあり、薦(すす)められて。サッカーと掛け持ちでやっていたのですが、空手のほうが楽しくなって中2くらいから本格的に選手を目指しました。前蹴りと膝蹴りが得意です。

太田 私も元々、父親がやっていてその影響です。最初は他流派で6年生から極真に入りました。得意技は左の上段回し蹴りです。

南原 押忍! 兄が先に空手をやっていて、自分は幼稚園の年中から始めました。得意技は膝蹴りです。

―南原選手はまだ高2ですよね。デカイっすね!

南原 押忍! 186cm、91kgです。まだ大きくなると思います!

―絶対からまれたりしないですよね?

南原 そうですね。でも、自分は結構フレンドリーなので、特別な目では見られてないです。

―いやいや絶対、特別ですって…(汗)。さて、女子代表の太田さん、女性で極真をやっている人がいると思わず身構えてしまうんですが(笑)、学生の頃はどんな存在でした?

太田 高校生の頃、TVに出させていただいて、「こいつヤバイぞ」と学校中に広まり、男子生徒から敬語を使われていました。変人扱いですね(笑)。

―ズバリ、そんな極真の魅力といえば、なんでしょう?

鎌田 すべての武道に通じると思うんですが、心身ともに強くなることです。実生活でシンドイことがあっても、諦めずに投げ出さずもうひと踏ん張りすることができる。そういうところが魅力だと思います。

―練習で一番ツライのは?

高橋 スタミナ稽古、息上げですね。サーキットトレーニングとか走り込みとか、心拍数が上がる稽古は結構、ツライですね。

―ボディ打ち合ったり、下段を蹴りあったりする稽古もあるじゃないですか。純粋に痛そうだな〜って思うんですけど。

高橋 僕は正直、嫌いですね(笑)。あの稽古が好きな人もいるんでしょうけど。

南原 「基立ち(もとだち)」がツライです。組手で自分が「基」になって、たとえば3分の間、30秒ごとに相手が変わる稽古です。自分はどんどん削られていくのに、相手は次々と元気な人がかかってくるんです。

―百人組み手みたいな感じですね。極真は素手でやるのが特徴。拳を固くする鍛錬も?

鎌田 部位鍛錬といって、砂利を詰めた皮袋をガンガン叩いて、拳や脛、肘を硬くします。腫れたり、皮が剥けて血が出たりもしますね。

―滝行もやりますよね。

太田 毎年、冬に秩父の三峯山でやります。滝に打たれながら正拳突きを百本。初めての時は死ぬかと思いました(笑)。でも、感覚がなくなって限界を超えると慣れてきますよ。是非、一度やってみてください!

―いえいえ遠慮させていただきます(苦笑)。滝行に臨むコツとかはあるんですか?

高橋 ないですね、我慢するしかないです(笑)。滝が強く当たるところは本当に息が止まりそうになるくらい冷たいですよ。ただ、強く当たる場所には先輩方が行くので、後輩の自分たちは水しぶきくらいのときもあります(笑)。

―ところで、極真をやっている人は『空手バカ一代』を一度は読んでいたり? 好きなシーンとかありますか。

鎌田 大山倍達総裁がスペインの闘牛と対峙(たいじ)して、目の威圧だけで牛が逃げるシーンが好きです。闘うまでもなくオーラだけで相手を制するという、そのくらいの境地になりたいと思いますね。

高橋 僕もやはり、牛との闘いのシーンですね。

太田 私は全部読んだわけではないですが、少年部の小さな女のコが『空手バカ一代』の歌を歌っていたのが印象に残ってます。そのコが特別なマニアなのかもしれないですが(笑)。

―南原選手は若いですが、読んでます?

南原 押忍! 自分はマシンガンの弾をかわすシーンがすごいなと思いました!

―「押忍」って空手家特有の言葉ですけど、関係ない場所でもつい言ってしまったりとか?

南原 小学校の時、出席を取る時に寝呆けてて、つい「押忍!」と返事してしまったことがあります(笑)。みんな笑っていました。

高橋 空手やってる人同士では「押忍」だけで会話できるみたいな部分もありますね。ちょっと聞き取れなかった時は「押忍?」と聞き返すし、なるほど〜と相槌を打つ時は「押忍、押忍、押忍…」みたいな。

鎌田 先輩から何か言われたときは「押忍」(=イエス)しかないです(笑)。

―便利な「押忍」ですね! では、世界大会への意気込みを!

高橋 4年前は選考試合の3位決定戦で一本負けして補欠になり、出場できませんでした。落ちるところまで落ちてから這い上がってきたので、世界一を目指したいと思います。型では全日本優勝といういい流れにあるので、組み手でも結果を出したいです。押忍!

南原 自分はまだ高校生なので、世界大会にはまだ若いんじゃないかと思われている方もいると思いますが、勝ち上がっていくために練習を頑張っているので、その姿を見せて全力で勝ちに行きます!

太田 私は2回目の出場になります。前回は悔しい思いをしたのですが、この素晴らしい舞台に絶対もう一度立ちたいと思って4年間稽古してきました。自分は体が小さいですけど、大きい選手に勝つことが空手の魅力なので、それを証明して女子空手の発展にも貢献していきたいです。

鎌田 僕も2回目なのですが、最近は外国人選手に日本人が押されているという現状がありますので、空手母国の底力を見せつけて優勝したいと思います。

―期待しています! ちょっと先の話ですが、2020年の東京五輪で空手が採用されることが濃厚になっています。こちらは視野に入れてます?

高橋 僕は視野に入れてます。まだ確実ではないですけど、5年あるのでできるところまでやってみたいという気持ちです。

―JKF(全日本空手道連盟=いわゆる寸止め空手)のルールになりますが、技術交流は?

高橋 まだ始まってはいないです。極真(フルコンタクト)とJKF(ノンコンタクト)は全然違いますよね。野球とサッカーくらいの違いがあるので、本当にゼロからのスタートになるんじゃないかと思います。

鎌田 僕はもともとノンコンタクトの経験者ですし、順応できる自信はあるんですけど、今は世界大会に集中しているのであまり意識はしていないです。でも、世界大会が終わったら気持ちが変わるかもしれません。

南原 自分もオリンピックに採用されたら活躍したいという気持ちはあるんですけど、やったことのない競技なのでまだわからないですね。

太田 私も興味はあります。2020年は30歳になるので、今後の人生設計の中でどう動くかはわからないですけど。でも、宇佐美里香さん(型の世界チャンピオン)の型はすごいなと思うので、私もそれはできるようになりたいですね。

―世界最高のスポーツの祭典ですから、そこに皆さんが出たら極真会館の発展にも繋がるでしょうね。

高橋 そうですね。自分が挑戦することによって、自分の生徒たちにもオリンピックに出られるという夢や希望を与えられるように頑張りたいと思います。押忍!

***

ということで、インタビューの後は編集部から屋上に移動。4選手に得意技を披露してもらい、編集長以下、有志がミットを持ちぶっ飛ばされ、世界レベルの打撃に驚愕(きょうがく)したのであった――。鎌田選手、太田選手、高橋選手、南原選手、11月の世界大会、頑張ってください! 押忍!!

『第11回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』 2015年11月20日(金)・21日(土)・22日(日)/東京体育館

4年に一度、極真会館が主催する「極真空手世界一」を決めるフルコンタクト空手界最高峰の大会。世界各国・各地域の予選を勝ち抜いた選手192名が3日間にわたって体重無差別級のトーナメント形式で優勝を争う。『2015世界女子空手道選手権大会』は11月23日(月・祝)に開催。詳細は極真会館HPでチェック!

*観戦チケットプレゼント

11月22日(日)最終日の観戦チケットを5組10名様に。郵便ハガキに住所・氏名・年齢・電話番号を明記し、下記までお送りください。

〒171−0021 東京都豊島区西池袋2−38−1 4階 国際空手道連盟極真会館 「週プレNEWS 世界大会観戦チケット係」[締め切りは11月10日(金)必着] ※当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。応募された方の個人情報を本企画遂行以外の目的で利用することはありません。個人情報の取り扱いには十分配慮しております

(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/ヤナガワゴーッ! 英訳/稲垣 收)

Tough guys in pure white Karate jacket with black belt appeared in the office, a stir ran through the editors. The guys had dauntless faces and well-muscled body looks like action figures…

They are young Karate fighters of Kyokushin Kaikan ― Shohei Kamata (28), Yuta Takahashi (22), Kenta Nanbara (17) and only one girl, Natsuki Ota(25). Did they come to attack us? ― No, no, it’s a joke. They came to visit the office of “Shupure-News” to show respect!

The boys are the members of Team Japan who compete in The 11th World Open Karate Championship, which will be held on November 20th to 22nd. And Ms. Ota will compete in  2015 Women’s World Karate Championship. These tournaments are held once in four years. They told us their strong desire to win and showed us their world class “Ichigeki” ― power to knock out with one shot. We, editors experienced it on our own body!!!

***

―Please tell us how did you guys start Kyokushin Karate. And also tell us about your favorite technique.

Kamata: When I was in the 1st grade, I lost a fight. A classmate punched my face and I felt ashamed and cried. My parent learned Shorinji Kenpo but there was no Dojo (gym) of Shorinji around, so I decided to start Karate instead. At first I learned different style Karate, but when I was in the 6th grade, I changed to Kyokushin. My favorite techniques are all kicks.

Takahashi: When I was in the 2nd grade, they started the Dojo near my home. My father had watched The World Tournament in which Kancho, Shokei Matsui fought. So my father recommended me to learn Karate. I also did soccer at the same time, but I felt more excited when I practice Karate, so when I was in the 8th grade, I decided to concentrate to Karate training to compete in the tournaments. My favorite techniques are front kick and knee kick.

Ota: My father also practiced Karate, so he influenced me. At first I did other style Karate and then changed to Kyokushin when I was in the 6th grade. My favorite technique is left high kick (kick to the head).

Nanbara: Osu! My older brother did Karate, so I also started Karate when I was in the second year of kindergarten. I like knee kick.

―Mr. Nanbara, you are still in the 11th grade (second year in high school), but you are very big!

Nanbara: Osu! 186 cm, 91 kg. I think I’m going to be much bigger and taller!

―I guess nobody try to bother you on the street.

Nanbara: Right. But I’m a quite friendly person, so people don’t see me as someone special.

―Oh well, you are definitely very special! By the way, Ms. Ota, I feel intimidated when I see ladies who practice Kyokushin Karate (laugh). What kind of student you were, when you were in school?

Ota: When I was a high school student, I appeared in a TV program and then school mates saw it. Then everyone in school thought “she is dangerous.” After that, boys used very polite, respective language when they talked to me. They thought I was weird. (smile)

―Why does Kyokushin Karate attracts you guys so much?

Kamata: I think all Budo (martial arts) might have the similar effect… by training yourself through Kyokushin Karate, you could make your body and mind stronger. Then, when you face something tough in daily life, you don’t give up easily. You would be able to hold on, and try to do one more effort. That is the great effect of Karate training.

―What is the hardest thing in Karate training?

Takahashi: Conditioning training, cardio training. Circuit training, sprints -- these trainings which elevate the heartbeat are hard.

―In Kyokushin training, you punch the stomach of each other, and kick the thigh of each other as well. These trainings look very painful.

Takahashi: To be honest with you, I hate these trainings (laugh). Maybe there are some people who like it, somehow…

Nanbara: To be a “Moto-dachi” is hard. In sparring, if you are a “Moto,” you have to fight for three minutes non-stop, but your opponent changes every thirty second. You get tired, but every thirty second, a new, energetic guy come to attack you.

―It’s similar situation to Kyokushin’s famous “100 men sparring”… In Kyokushin Karate, you spar and fight with bare knuckle. Do you do any special training to make your knuckle hard?

Kamata: We hit the leather bag filled with gravel to make our knuckles, elbows and shins hard. Sometimes these parts get swollen or start bleeding.

―You guys also train under waterfall, don’t you?

Ota: Yes, every winter, we go to Mt. Mitsumine in Chichibu. We do one hundred Seiken-zuki (straight punches) under the waterfall. First time I tried, I thought I would die (laugh). But after you go over the limit, you don’t have any feeling and you get accustomed to it. Please try it once, definitely!

―No, thanks!! (laugh) Do you have any keys or tips to do under-waterfall-training?

Takahashi: No, you just have to suck it up (laugh). In some part of the waterfall where water hit you very hard, it feels so incredibly cold that you think your breath would stop. But Senpai’s (elders and betters) go to the harder, tougher point under the warterfall, so sometimes we might get only some splash (laugh).

―By the way, do many of you, Kyokushin fighters, read “Karate Baka Ichidai” (famous biographical manga of the founder of Kyokushin, Mas Oyama)? Do you have any favorite scenes from the manga?

Kamata: I like the scene when Sosai (Grand Master) Oyama faced a bull in a bull ring in Spain. The bull was intimidated and escaped after seeing Sosai’s strong eyes. I would like to be like him, to be able to intimidate the opponent without fighting, just with aura.

Takahashi: I like the scene, too, the fight against the bull.

Ota: I haven’t read it all, but a little girl in Shonen-bu (kids division) was singing the theme song of “Karate Baka Ichidai” cartoon and it left me a strong impression. That girl might be a bit special, an enthusiastic fan. (smile)

―Mr. Nanbara, you are the youngest one here. Did you read it?

Nanbara: Osu! I thought the scene in which he dodged the bullets from a machinegun was great!

―You Karate guys say “Osu,” instead of “yes.” It’s a special term of Karate. Do you sometimes say it by accident, in non-Karate situations?

Nanbara: When I was in elementary school, when teacher called all our names to see if we attend the class or not, I answered, “Osu” instead of “yes.” (laugh) Everyone in the class laughed.

Takahashi: Between Karate guys, sometimes we can communicate only with Osu. When you couldn’t catch what the other person said, you ask “Osu?” meaning, “Pardon?” When you mean “I see,” you say, “Osu, Osu, Osu…”

Kamata: When Senpai says something, you can only answer “Osu” (means “Yes”). (laugh)

―Osu seems very convenient! Now tell us your resolutions for the world tournament!

Takahashi: Four years ago, I lost at the third place match by Ippon and couldn’t compete in the world tounament. I experienced the bottom and crawled up, so I want to be the top of the world. I won All Japan tournament in “Kata” category, so I have momentum now. I want to make good result in “Kumite” category as well. Osu!

Nanbara: I am still a high school student, so some people might think I am too young for the world tournament, but I am training very hard to win. I will show it and win at any cost!

Ota: This will be my second world tournament. I felt really frustrated for these four years because I couldn’t win the tournament last time. And I trained hard to compete again in this great tournament. I am a smaller fighter, but when the smaller fighter defeat the bigger one, that’s the excitement of Karate. I would like to show it. And I would love to contribute to expand the popularity of women’s Karate.

Kamata: It’s second world tournament for me too. These years, foreign fighters are overwhelming Japanese fighters, so I’d like to win the tournament to show the potential of Japan, the motherland of Karate.

―We are really looking forward to see your great victories! By the way, in Tokyo Olympic Games in 2020, Karate seems to become Olympic sport. Do you think about competing in the Olympic Games?

Takahashi: I am thinking about competing in the Olympic Games. I am not one hundred percent sure, but we still have five years to prepare, so I would like to try.

―The rules will be JKF (Japan Karate Federation) rules, which is non-contact, “sundome” rules. Did you start training with JKF Karate fighters to exchange the techniques?

Takahashi: We haven’t started it yet. Kyokushin (full-contact) and JKF (no contact) is very different. The difference is almost like the difference between baseball and soccer, so I guess it will be really like starting from zero.

Kamata: I learned non-contact Karate first, so I’m sure I can adjust, but I am now concentrated to the World Championship, and I don’t think about it that much. But after the world tournament, I might change my mind.

Nanbara: I also want to compete if Karate become Olympic sport, but I have never experienced no contact, so I’m not sure yet.

Ota: I’m interested in it, too. But I will be thirty years old in 2020, so I don’t know how my life would change by that time. But I think “Kata” of Ms. Rika Usami (the world champ of “Kata”) is really great, so I’d like to be able to do it.

―Olympic Games are the biggest sport festival in the world, so if you guys compete there, it would help Kyokushin to grow.

Takahashi: Yes. I could give the dreams and hopes to my students to compete in Olympic Games, if I challenge that. Osu!

***

After the interview, we moved to the rooftop. We ―editor-in-chief and other editors―held the pads and four Karate fighters hit them with their favorite strikes. We were literally blown away and were astonished by the power of world-class strikes…

Mr. Kamata, Ms. Ota, Mr. Takahashi and Mr. Nanbara, good luck in the world tournament in November!! Osu!