人生設計、経済的・年齢的事情などを踏まえたうえで、「子どもは今いるだけでもう十分!」と夫婦で決めているのならば、これから先の確実な避妊方法についてもしっかり話し合っておくべきだろう。

だが、避妊方法といってもさまざまある。そのなかで「もう産むつもりはないママ」に向いているのはどんな方法だろう? 女性医療機関として都内でも評判が高い水口病院の塚田清二院長、疋田裕美医師に話を聞いた。

●避妊効果で選ぶならピルかミレーナ

「避妊効果の高さからいえば、低用量ピル(OC)、あるいはミレーナ(子宮内避妊システム:IUS)がいいでしょう。この先、まったく産むつもりがない方、長期の避妊を希望される方にはミレーナをおすすめします」(塚田院長)

避妊といえばコンドームが定番かもしれないが、実際にはコンドームを使用しても年間14%程度が妊娠しているデータもある。

これに対して、低用量ピルの避妊効果は99.9%。排卵を抑えることで高い避妊効果がもたらされるのはもちろん、PMS(月経前症候群)が軽減される、生理がラクになるなど、さまざまなメリットがある。

一方、ミレーナとはいわゆる「避妊リング」と呼ばれるもの。こちらは子宮腔内に小さな器具を入れて妊娠を防ぐもので、ピルと同等の高い避妊効果を持ち、一度挿入すれば、5年間もの長期に渡って効果が続くのが最大のメリットだ。

「ミレーナは産後6週間経てば挿入可能となりますが、授乳中だと子宮穿孔のリスクが上昇するというデータもあります。また、成分であるレボノルゲストレルが微量ながら母乳中に移行することも報告されているため、授乳期間は銅付加IUDなど、ミレーナ以外のIUSをおすすめします」(疋田医師)

●男性のパイプカットという選択もあり

また、きわめて限定的な条件だが、現在妊娠中のママにはこんな避妊の選択肢もある。

「現在の妊娠を最後にもうこの先は産むつもりはなく、かつ帝王切開の出産を予定している女性には、卵管結紮術(らんかんけっさつじゅつ)を同時に行うことをおすすめします。これは、避妊の目的で卵管をしばる方法です。当院では第三子の帝王切開手術のときなどは、ご本人に確認しています。病院にもよりますが、できるところも多いので聞いてみてください」(疋田医師)

もちろん、避妊は女性ばかりではなく、男性の責任でもある。

「個人的には、出産をした後に、男性にも『避妊方法としてパイプカットをしてもらっては?』と聞いています。ただ、現代では離婚・再婚といったケースも多いため、あとからやはり子どもが欲しいと思うようになることもあるので、可逆的な方法がいい、という意見もありますね」(疋田医師)

それぞれのメリットとデメリット、この先の人生のリスクを見据えた上で、夫婦にとって今ベストな避妊方法はどれなのかじっくり話し合ってみよう。

(阿部花恵+ノオト)