アベノミクスの影響で株価が上昇していることもあり、今まで投資に関心の薄かったにわか個人投資家が急増している。中でも販売会社で口座を開けば、1口1万円程度から手軽に始められる投資信託は、投資の知識がなくてもプロの運用会社に任せられる安心もあって人気を集めているが、思わぬ落とし穴もある。ダイヤモンドQ編集部が投資信託選びで失敗しない方法を調べた。

 投資信託の種類が豊富な日本では、次々と投信の新しい金融商品が登場している。ところが、どれも似通った中身に見えるが、ハズレの投信もあり、選ぶ際には注意が必要だ。

 どういう点に注意すればいいのだろうか?

「プロが運用するから安心だと思い込み過ぎないこと。投資のことが分からないからと相談して、勧められるままに選ぶのも危険です。ファンドそのものの良しあしではなく、まずはコストが幾ら掛かるのかを考えることです」と言うのは、モーニングスターの朝倉智也社長だ。つまり、手数料が高いものは除外する。これが一つ目の心得というわけだ。

 投資のプロが運用するからこそ、それなりのリターンを見込んで商品設計している。ただし、「リターンは確約できないが、しっかり高い手数料だけはたくさん取ります」という投信では話にならない。

 ここでいう手数料とは、販売手数料と毎年掛かる信託報酬に分かれる。

 販売手数料は、ネット証券ではノーロード(手数料無料)の投信もある。まずはコストが幾ら掛かるかを比較検討してみることだろう。

 信託報酬は、市場平均を上回る運用を目指すアクティブファンドか、市場平均の運用を目指すインデックスファンドかで大きな差が出る。前者のアクティブ型の投信では、信託報酬がインデックス型の倍以上になる場合もあるので要注意だ。

 また、解約時にも手数料が掛かる場合があるので、事前にぜひ確認しておこう。

毎月分配型は
トータルリターン重視

 二つ目の心得として、勧められた銘柄が本当によい投信かを判断するためにセカンドオピニオンを聞いてみることだ。他の証券会社などで聞くか、「モーニングスター」のような比較サイトで調べてもいい。

 そして、三つ目の心得は、目先の高配当に心引かれて毎月分配型の銘柄を選ばないことだ。「毎月分配金があるということは、毎月決算しているはずで、手間がかかりコストも掛かっているはず。毎月分配金を受け取っていても、実は資産が目減りしているリスクが考えられます。基準価額が下がっていないかも併せて見るべきで、分配しないで再投資した場合の基準価額がどう動いているか、つまりトータルリターンで見ることが大事」と朝倉社長は強調する。

 ぜひ3カ条を参考に、しっかりとリターンの出せる投信を選ぼう。

買ってはいけない投信「三か条」
 其の一 コスト高に要注意
手数料が安ければ、それだけ運用成績が上がるので、低コストの投信を選ぶべき。最近人気のラップやラップ型ファンドは、販売手数料や信託報酬の合計コストは取扱各社で異なるが、年2〜2.5%程度と非常に高い。求めるリターンに比べてコストが高過ぎないかをチェックすべきだ。
 其の二 勧められたものはダメ!?
勧められたファンドについて、複数の証券会社、銀行から意見を聞いて判断しよう。金融機関は手数料が高いものを勧めたがるからだ。特に、ラップやラップ型ファンド選びは、ファンドの中身がどういうアセットアロケーションになっているのかを確認する。分散している中身が分かれば、自分で複数の投信を組み合わせれば事足りることもある。
 其の三 毎月配当型に気を付けろ
目先の配当金ばかりを追い掛けている人が多いが、それは危険だ。配当金を払い過ぎて、基準価額が下落してしまったら、それは投資した資金を払い出しているにすぎない。配当金と基準価額の増減を合わせたトータルリターンも気にしよう。