競馬投資  実力と人気のひずみ狙う

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システマティックな馬券購入法で、約1億5000万円の利益を上げた男がいる。競馬はギャンブルではなく、運用対象でもあったのだ。ダイヤモンドQ編集部が、競馬投資の真髄に迫った。 

 多額の利益をたたき出した元会社員の卍(ペンネーム)氏によると、競馬を始めたときに、購入する判断基準は、馬の能力だった。誰もがそう思うように「速い馬が当然勝つはずだ」と単純に考えていたのである。

 ところが現実の競馬は違う。明らかに速い馬が負け、遅い馬が勝つこともある。そこで目を付けたのが、出走馬の人気と実力の乖離だ。レースは速い馬が勝つとは限らない一方、オッズ(払い戻し倍率)も能力通りにならない。例えば、能力的に勝つ可能性が高いと思われるスピードのある馬の人気がない、つまりオッズが高ければ、配当の妙味が増す。馬の人気には、常に過大評価と過小評価が付きまとう、いわば、“ひずみ”が生じるため、それを活用すれば、確率的にも馬券収支のパフォーマンスは向上すると考えたのである。

 実際にはパソコンのソフトで血統、騎手、前走の走破タイム、展開など数え切れないほどのファクターを全てデータ化して組み入れるという、気が遠くなるような地道な作業を行ったわけだ。

 例えば右グラフのように、前のレースで4-7着になった馬は、次のレースで勝つ確率がほかの馬より高いことが分かる。ただし、単純に4-7着の馬に投資しただけでは、回収率は80%しかなく、資金は目減りしてしまう。そこで、他のファクターも多数組み入れることで、回収率が100%以上になるという組み合わせを見つけるのだ。

 こうした投資方法は、株式市場におけるアルゴリズムと発想が同じといえよう。

 卍氏はデータが少ない新馬戦と、ランダムな要素が多い障害レースは購入しない。データが十分そろうレースに絞っているのだ。

 馬券の種類については、流動性が高い、つまり購入総額が大きい馬券が中心。最も売れている3連単や3連複を中心に買う。

 購入額についても常に一定ではない。卍氏によると、ある意味、ここが一番重要なポイントになり、株など他の金融商品にも通じる部分と指摘する。

 それは、競馬に投じた金額を灯j産狽ウせないこと。100万円でスタートしたが、卍氏が忠実に守ってきたことは、手持ちの金額に比例して賭け金を変えたことである。スランプに陥り、手持ち資金が減ったときは購入額を減らした。そうすれば、破産する確率は格段に低くなる。

 必勝法を編み出しながら、成功しない人がいるのは資金管理がきちんとできていないからだ。競馬投資は強いマインドが必要と言えるだろう。