Doctors Me(ドクターズミー)- 【Dr.野菜ソムリエのコラム】vol.12:甘いほくほくのカボチャでからだを守ろう

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カボチャの置物が町のあちこちで見られる季節になりました。野菜売り場では、最も多く食べられている西洋カボチャのほか、坊ちゃんカボチャで知られる黒皮小玉カボチャ、飛騨高山の“すくなかぼちゃ”、コリンキー、バターナッツなどもよく見かけます。

しかし、カボチャをせっかく購入しても、期待していた“ほくほく感”が少なく、残念な思いをしたことはありませんか。ここでクイズです。

カボチャの選び方のポイントは?

おいしいカボチャを選ぶときのポイントとして、誤っているものを一つ、次から選んでください。

(1)形がいびつでないもの
(2)ヘタがみずみずしいもの
(3)皮が硬いもの
(4)種に厚みがあるもの

答えは…

答え
(2) ヘタがみずみずしいもの

ヘタがみずみずしいのは、収穫から数日しか経過していない証拠です。カボチャは収穫後の追熟を経て甘くなりますが、その目安としては、ヘタが乾燥してコルク化していることが重要です。なお、追熟期間が長すぎると水分が多くなり、味も落ちますが、このときにはヘタのまわりが湿ってきます。ヘタの周囲も乾燥してへこんでいるものを選んでください。

PM2.5にもアルツハイマー病にも立ち向かうビタミンE

西洋カボチャに含まれる栄養素としては、βカロテンやビタミンCもさることながら、ビタミンEの多さが目立ちます。ビタミンEは、体内の酸化を防ぎ、動脈・脳・肝臓・眼・皮膚などを正常に保つのに必要です。西洋カボチャ100g中にビタミンE が5mg含まれますが、野菜の中では、モロヘイヤやダイコンの葉と並ぶ多さです。成人女性が1日に必要とするビタミンEは8mgですので、煮物サイズのカボチャでは、5個程度で満たされます。

さて、ビタミンEに関する最近の知見を二つ、ご紹介しましょう。

ご存知のとおり、PM2.5(2.5ミクロン以下の粒子状物質)は、肺や心臓の血管に悪影響を与える大気汚染物質のひとつです。PM2.5にさらされた肺の組織では、肺をダメージから守るために、大量のビタミンEが消費されていることがわかりました[※1]。ビタミンEが不足していると、肺は大気汚染のダメージを受けやすくなってしまうのです。

さらに、アルツハイマー病の発症や進行にもビタミンE欠乏がかかわる可能性が高く、ビタミンE摂取を増加させると、進行が遅くなることもわかってきました。脳神経細胞の膜を再生させるリゾリン脂質がつくられにくくなるとアルツハイマー病が発症したり進行したりしますが、ビタミンEが不足すると、このリゾリン脂質低下を引き起こすのです[※2]。

おかずにもお菓子にも

ビタミンEは加熱しても失われにくく、油とともに摂取すると効率よく吸収されますので、かぼちゃを利用して手軽に補うことができます。

今回ご紹介するカボチャは、バターナッツという品種です。皮は食べられませんが、肉質は柔らかく繊維質が少ないため、ペーストに向いています。


下記の写真は、蓮根と枝豆の炒め物に、バターナッツのカボチャペーストをからめたものです。
醤油風味がよく合います。カボチャペーストは、スープやお菓子にも使えますので重宝しますね。

カボチャは保存性もよく、カットされていないものであれば冷暗所で1〜2ヶ月間保存することができますし、茹でたものを冷凍していつでも使えるようにしておくと便利ですね。

〜医師:吉田 菜穂子〜

脚注
[※1] Menni et al. Am. J. Respir. Crit. Care Med, 2015;191(10):1203-07.
[※2] Choi et al. J Lipid Res. 2015;56(6):1182-90.