W杯ベスト8進出は果たせなかったものの、“史上最強のグループリーグ敗退国”として歴史に名を残した、われらがジャパン。その彼らが今度は、壮大な規模を誇る国際リーグ戦に新規参入する。

それはオーストラリア(豪)、ニュージーランド(NZ)、南アフリカ(南ア)など、南半球の強豪各国のクラブチームが一堂に会する「スーパーラグビー」(SR)だ。日本はここに、「サンウルブズ」(ウルブズ)というチームで参戦する。

しかしそんな修羅場のようなリーグに、南半球に位置するわけでもない日本が参入することになったのはなぜか? 『ラグビーマガジン』編集長の田村一博氏が、その背景について説明する。

「SRの運営団体はマーケット拡大のため、2016年シーズンよりチーム数を現在の15から18に増やします。その新規3チームに、南アフリカ、アルゼンチンと並んで、日本からのチームが選ばれたわけです」(田村氏)

南アフリカの新チームであるキングズは、既存のSRの仕組みのなかでひとつ増えた形。また、アルゼンチンからのチームは日本同様、実質的な代表だが、同じ南半球であり、代表レベルではすでにSR参加国と交流が密であるという大義名分がある。にもかかわらず、運営側が日本からの参加を受け入れたのは、新規のスポンサーや観客動員の面でありがたい存在になる、という計算が当然あった。

一方、日本にとっては、SR参戦は悲願ともいえるプロジェクトだったのである。

「日本ラグビー協会にとって、19年W杯に向けた代表強化は最優先事項でした。開催国がグループリーグも突破できないようでは観客動員に影響するし、ラグビー人気も地に落ちてしまいます。しかし、世界ラグビーのスケジュール上、ジャパンが一流国と親善試合を行なえる機会は年に1、2度しかないのが現状。

そこで日本協会は、日本の頂点であるトップリーグのシーズン終了後、ほぼ代表に等しいメンバー構成の単独チームを結成し、SRで戦うことで国際レベルの選手を増やそうと考えました。それが、ウルブズなのです」(田村氏)

16年シーズンのウルブズは、2月から7月にかけて15試合を戦う。

「例えばNZの上位SRチームであれば、そのままW杯に出ても最低1、2勝はできる力がある。リーグ全体を平均しても、トンガ、フィジー、サモアあたりの代表と同じか、それ以上の力を持っているはずです。

今回のW杯こそサモアを下しましたが、従来ならそうした南太平洋の島国は、日本にとって格上の相手。それがSRでは、彼らをしのぐ強さを持ったチームとウルブズとの連戦になるのですから、ジャパンにとって現時点で唯一無二ともいえる効果的な強化手段なのです」(ラグビージャーナリストの村上晃一氏)

交渉作業の遅れから明らかにされてこなかったウルブズの登録選手やヘッドコーチ(HC)だが、すでに25名ほどの選手とは契約を済ませ、11月中には全容を正式発表できる見込みだという。

世界の強豪を相手にウルブズがどんな戦いを見せてくれるのか? 19年のW杯への期待も高まるSRは、来年2月に開催する。