140秒の動画に要した撮影期間は1カ月!人々の心を動かすチカラを持つ動画には理由があった!

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今回は趣向を変え、秀逸な動画作品の裏側をとらえたメイキング映像をご紹介します。

こちらはメキシカン料理のファストフードチェーンChipotle(チポートレ)によるブランディング動画「Back to the Start」。社会的に大きなインパクトを残したとして、2012年のカンヌライオンズでグランプリを受賞しており、ご存じの方も多いかもしれません。

同社は、本来あるべきサステイナブルな農業の実現をミッションに掲げ、効率重視の生産スタイルへの問題提起を継続的に行っています。
上の動画では、家族でこぢんまりと農業を営んでいた農家が徐々に”家畜生産工場”に姿を変え、ある時ふとその過ちに気が付き、よりサステイナブルな未来を目指すというストーリーを通して、持続可能な農業の必要性を訴えかけています。

この動画がカンヌライオンズを受賞し話題となった当初、”CGアニメーション作品”として紹介されることもありましたが、実はすべて「コマ撮り(ストップモーション)」で制作されています。撮影に費やした時間はなんと1カ月!

今回ご紹介したい動画は、そんな大プロジェクトに関わった監督やスタッフへのインタビューと実際の撮影セットの様子を収めたメイキング映像です。

手描きのストーリーボードから始まった企画は、撮影前に3Dを使って綿密なシミュレーションが行われます。それと同時に用意されたのは、首の角度で微妙な感情を表現する主人公のパペットや、遠近法も考えつつ設計された動物や植物、建物の数々。それらをセットの上で1ミリ、1度単位で正確に動かし、季節や時間を計算した照明の下で1コマ1コマ撮影していく様子が映し出されています。

撮影の全工程がどれほど大変だったのか、私たちは想像することしかできません。しかし、企業の理念を伝えるという重要なブランディング動画のために、クリエイターたちがどれほど緻密に計算し、一切のごまかしもなく、誇りと情熱を持って取り組んでいたのかが、このメイキング映像を通して垣間みえてきます。

今や誰でも簡単に動画を制作できる時代です。しかし、本作のように人の手と時間と情熱を惜しみなく投入することで初めて、動画が人々の心を動かす力を持つことも、また事実なのかもしれません。