若い選手の出場機会を増やすために、日本サッカー協会とJリーグがアイディアを出し合っている。J3へのセカンドチーム参戦を募ったり、J1クラブによる準公式戦の開催が検討されたりと、様々な可能性を探っているようだ。

 U−17やU−20のカテゴリーで世界大会から遠のき、U−22日本代表候補にも所属クラブで出場機会をつかめていない選手がいる。そうした状況を改善するために、新機軸を打ち出そうという考えかたは悪くない。

 だが、手倉森誠監督が率いるU−22日本代表のトレーニングキャンプの実施にも、制約が及んでいる現状がある。

 J3リーグに参戦しているJリーグ・アンダー22選抜を、実質的なU−22日本代表として公式戦に挑んだことがある。だが、J2リーグが同日に開催されるため、J1クラブからしか選手を招集できなかった。J1クラブの所属選手にも、出場時間の制限がかけられた。結果的に手倉森監督は、ハーフタイムにすべての選手交代を終えることとなった。ゲーム中のトライができなかったのである。

 10月25日から29日に予定されるトレーニングキャンプには、鹿島とガンバの選手を招集できていない。両チームは31日に、ナビスコカップ決勝を控えているからだ。1月のリオ五輪最終予選へ向けて、指揮官が「最終選考」と位置づけるキャンプに、候補選手が欠けてしまう事態が生まれている。

 これからさらにリーグ戦を増やしても、今回のU−22日本代表と同じような状況が生まれてしまうのではないか。ACLやナビスコカップで勝ち進めば、スケジュールは過密になる。試合には出られないものの、ベンチ入りする若手選手も登場してくるだろう。ACLの上位進出はJリーグ全体のターゲットであることも、忘れてはならない。

 これから新たにリーグ戦なりを増やしても、本来の目的とはかけ離れたところに着地してしまう可能性は否定できない。J1やJ2のクラブで試合になかなか絡めない選手に出場機会を与えられそうな一方で、先発には食い込めないがベンチには入る立場の選手は、さほど状況が改善されないことも予想される。

 もっと簡単で分かりやすい改革は、ナビスコカップに年齢制限を設けることだ。U−19でもU−22でもいい。その年に重要な大会を控えた年齢層を優先し、若手育成の機会とするのだ。

 冠大会だけにスポンサーの反応が気になるが、そもそも注目度は低い大会である。リーグ戦の合間にひっそりと行われ、決勝戦だけを地上波で放映し、どうにかナビスコ側に納得をしてもらっているような関係だ。年齢制限を設けたとしても、スポンサーメリットが損なわれることはない。

 現状より興味を惹きつける仕掛けも可能だ。

 たとえば、グループリーグに年齢制限を設け、決勝トーナメントからは撤廃する。あるいは、準々決勝はオーバーエイジを3人、準決勝では4人、決勝は年齢制限を全廃といったように、段階的に年齢制限を緩和してもいい。これならば、若い選手の出場機会を担保しつつ、各チームの特色を出しやすい。Jクラブの監督たちが誰をオーバーエイジ選ぶのかは、単純に興味深いのではないか。

 新しい大会なりリーグを作ってスケジュールが圧迫されるなら、いまあるものの見直しから始めるべきである。