【東京国際映画祭】『地雷と少年兵』に100点満点多数! コンペ作品”満足度調査”速報レポ【第1回】

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先日、開幕した第28回東京国際映画祭。中でもメインのコンペティション部門には選りすぐりの16作品がノミネートされており、この中から最高賞の「東京グランプリ」が決定する。果たして栄冠はどの作品に? 実際、映画を見た観客の評価は?

【特集】「第28回 東京国際映画祭」の舞台裏

これからどの作品を見ようかと考えている方のためにも、コンペティション作品の第1回目の上映終了時点での観客による満足度、および感想をランキング順にレポート!

4位:『ぼくの桃色の夢』(10月23日上映)

満足度:69.4

<項目別5段階評価>
俳優:3.8
ストーリー:3.3
音楽:3.2
演出:3.6

中学で一目ぼれした女性を大人になってもひたすら愛し続ける男の姿を描いた中国映画。少年期の性衝動から青年期の欲望への揺れをコミカルな描写も交えつつ描くが、やがて主人公・チャオの人生は思わぬ展開を見せ……。

「コメディタッチの映画と思いきや、少年が大人へと成長していく姿と中国の社会的な変化が重なって描かれ、よかった」(40代・男性)

「前半と後半で印象が全く異なる映画で面白かった」(40代・男性)

80年代から始まり、経済成長を続ける中国と主人公の歩みを重ねた描写が特徴だが、少年・青年期と大人になってからのパートで作品のテイストが大きく変化することに関しては様々な感想が寄せられた。特にラストの思わぬ描写については賛否が分かれるようで、中には共感と共に「監督が自身を反映させたのでは?」という声も! 純粋な初恋を瑞々しく描いた部分には多くの称賛が寄せられていた。

なお本作は10月26日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、10月27日に新宿バルト9にて上映される。

3位:『ルクリ』(10月22日上映)

満足度:71.8(100点満点)

<項目別5段階評価平均点>
俳優:4.4
ストーリー:3.6
音楽:3.7
演出:4

本作はエストニア出身でいま、ヨーロッパで注目を集めるヴェイコ・オウンプー監督の最新作。若者たちが自給自足の生活を送る地に突如、戦闘機の轟音が鳴り響き、戦争の気配が満ちていく……という時代を覆う不条理な空気、そこで揺れ動く人々の姿を独特の音響と映像で描き出していく。

「難解だが、俳優が作っている映画だと感じました。既成概念にとらわれない作品であり、新しいことにチャレンジしたい人に見てほしい。自分の感性で見るような映画だと思う」(38歳・男性)

「以前の『聖トニの誘惑』(※2010年東京国際映画祭「ワールド・シネマ」部門出品)を映画祭で見てから、監督の作品を楽しみにしてました。完全に理解してないけど、エンブレムやモチーフ、音楽に刺激を受ける監督であり、「何だったんだろう?」と考えさせられるので、もう1回見たい作品」(43歳・女性)

「いろいろな考え方ができ、終わって誰かと話したくなる作品」(43歳・女性)

「ひと言では感想がまとまらない作品です。戦争が起こる前の不安な感じが感じられ、いまの日本の状況によく似ていると感じました」(女性)

「見ているうちに、特別なことが起こらないのに引きこまれました。音楽にずるずると引きこまれていくような映画で、普段、あまり見ることができない作品でした」(32歳・女性)

本作に関しては、ひとりで劇場に足を運んだという観客が多く見られ、映画祭での平日上映、なかなかないエストニア映画という点からも、かなり映画好きという層が多かったよう。その中で映画の内容については映像、音楽を評価する声がよく聞かれ、不条理な世界を描いていることもあって、全てを理解はできないながらも、どこか惹かれるという感想も多く見られた。

なお本作は10月26日に新宿バルト9にて、10月29日にはTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて上映される。

2位:『スリー・オブ・アス』(10月22日上映)

満足度:76.8(100点満点)

<項目別5段階評価平均点>
俳優:4.5
ストーリー:4.3
音楽:3.5
演出:3.8

本作はフランスの人気コメディアンのケイロンが主演、監督を務め、イラン出身で政権に異を唱えてフランスへ亡命した自身の父親の若き日を演じているヒューマンドラマ。大家族の兄弟たちの中に育ち、活動家として反政府運動に身を投じ、不屈の精神で戦い続けるヒバットの姿を描いている。

「息子が父親(の若き日)を演じているというのが感情移入しやすくてよかった。描かれている時代が時代だが、皮肉やセリフ回しに痛々しさがなく、観ていて飽きない。大人に観てほしい映画。環境が変わったばかりの人に刺激になる映画だと思う」(29歳・男性)

「音楽の入れ方が素晴らしい。史実に基づくストーリーですが、音楽の効力を強く感じました」(19歳・女性)

なお『スリー・オブ・アス』は10月25日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、10月26日には新宿バルト9にて上映。

1位:『地雷と少年兵』(10月23日上映)

満足度:90.7

<項目別5段階評価平均点>
俳優:4.7
ストーリー:4.6
音楽:3.8
演出:4.7

第二次大戦直後、デンマークの海岸に埋められた無数の地雷の撤去に敗残のドイツの少年兵が駆り出される。憎きナチス兵ではあるものの、戦争を知らない無垢な少年たちの姿に指揮官の心は大きく揺れ動き……。実際にデンマークに残った200万個の地雷の処理に900名もの命が奪われたという史実を元にしたヒューマンドラマ。

「率直に戦争の残酷さを感じた。こういう事実があったと知れただけでもよかった」(47歳・男性)

「題材がよく、このテーマを選んだ監督が素晴らしい」(22歳・女性)

「いつ地雷が爆発するかわからないという緊迫感が素晴らしい。役者も個性的で、少年兵たちは子供らしさを残しつつ、死と隣り合わせの姿に胸を突かれた」(23歳・男性)

「善悪の彼岸に置かれる人間が描かれており、よかった」(49歳・女性)

100点満点をつける観客も多かった本作。デンマークにおける戦後処理という日本ではあまり知られていない史実を扱いつつ、人間の善悪、本性に迫るようなヒューマンドラマ、地雷処理というサスペンスフルな展開と複数の要素が見事に絡み合い、高い満足度を叩き出した。結末についての感想の声も多数!

なお本作は10月27日にもバルト9で上映される。

いかがでしたか?
「ウレぴあ総研」では、映画祭会期中、終演後の劇場前にて満足度調査を実施中! 引き続き、各日にちごとに「コンペティション部門」を対象に、順位を発表していきます。みなさまの熱いコメントや感想、お待ちしております!