学生の窓口編集部

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スマホやタブレットに当たり前となった「リチウムイオン電池」。小型で大容量と便利な存在ですが、使う機会が増えるのも当然で、電池の残量を気にしながら使っているひとも多いでしょう。

スマホのバッテリーが放電するのは「化学反応」の結果なので、温度によって10%もの差が生じ、そろそろ切れそう! になったら「暖める」のが得策。しばらく使わないときは「満タン」に充電しておきたくなるのが人情ですが、電池にとっては逆効果。電気が残ったままにしておくと「使えない」部分が生まれてしまうので、完全に放電させておいたほうが長持ちするのです。

■電池は寒いとサボりたがる?

乾電池のように、使い捨ての電池は一次電池、充電して何回も使えるものは二次電池と呼ばれます。ひと昔前はニッカドやニッケル水素電池が定番でしたが、現在の主流は「リチウムイオン電池」で、ノートPCやスマホ、電動工具と幅広いジャンルで利用されています。小型で大容量、高い電圧を維持できるのが理由ですが、同時に機器の小型化/高性能化も著しいため、あっという間に電池切れになってしまうのも確か。モバイルバッテリーなどの「外付け電池」や充電器を持ち歩いているひとも少なくないでしょう。

充電に時間がかかるのはなぜでしょうか? これは電池が「化学反応」によって充放電するためで、たとえば水筒は「水」のまま出し入れしますが、電池の場合は水素と酸素に分解して保管するようなイメージなので、充放電ともに時間がかかってしまうのです。大電流を流す「急速充電」にも限界があり、性能以上の電気を与えると電池を損傷してしまうので、制限回路が組み込まれているのが一般的。大容量の充電器を使っても充電時間を圧倒的に短縮することはできません。

スマホの電池を長もちさせる方法はないのでしょうか? 電池の容量が一定である限り、それ以上の電気を取り出すのは不可能…ところが、「化学反応」の性質をうまく利用すると10%も長く使うことができるのです。

一般的なリチウムイオン電池は公称3.7V、放電するにつれて電圧が下がり、2.75Vになったときを0%と表現します。これは終止(しゅうし)電圧と呼ばれ、25℃ほどの「常温」で2.75Vになるまでの容量を100%とし、温度と、取り出せる電気の量を比べると、

 ・-25℃ … 75%

 ・0℃ … 90%

 ・40℃ … 105%

 ・60℃ … 110%

と、寒いところでは反応が悪く、暖めると良くなる傾向があるので、充電切れそう!になときは、暖めると「おまけ」の電力が得られるのです。

■充電しておくと寿命が縮まる!

長期間使わないときは、どうすれば良いでしょうか? 買い換えを機に古いモデルを「いつか使うかも」と保管するときはつい満充電しておきたくなるものですが、電池の性質を考えると「真逆」、かえって電池をダメにしてしまいます。

何もせず保管しているだけでも放電するのは電池の宿命で、なかでもリチウムイオン電池は「二度と使えない」部分が生まれてしまい、もとの容量に戻らなくなってしまいます。これは容量復帰率と呼ばれ、保管前の充電状態と、1年後にも「使える」容量は、

 ・100%充電 … 90%

 ・40%充電 … 95%

 ・0%充電 … ほぼ100%

と、満タンにしておくと1割も損。しばらく使わないときは、起動できなくなるまで放電しておくのが長もちの秘訣です。

最後に、「リチウム」は空気に触れると発火するほど反応しやすい物質なので、電池に強い力を加えたり、使用範囲外の高温になると燃え上がることもあります。ムチャな使い方は厳禁、廃棄するときも「家庭ゴミ」に混ぜたりせず、自治体のルールに従って処分してください。

■まとめ

 ・リチウムイオン電池は、暖めると放電しやすくなる

 ・電気が残ったまま保管すると、「使えない部分」が生まれ、容量が減ってしまう

 ・リチウムは危険な物質なので、指定の充電方法や温度を超える使い方は厳禁

(関口 寿/ガリレオワークス)