SIMフリースマホはネット接続しにくい? アンテナは立っているのに繋がらないワケと解決方法

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SIM(ロック)フリースマホが、ドコモなどの大手キャリアスマホと違うところが、「モバイル通信の設定」だ。
大手キャリアスマホでは、最初から設定済みで手渡されるので、購入者が「モバイル通信の設定」をする必要がない。

SIMフリースマホでは、モバイル通信の設定「アクセスポイント(APN)設定」を行わないと、画面に電波マークは表示されていても、インターネットに接続できない機種が多い。

とはいえ、最近のSIMフリースマホは、あらかじめ主要な格安SIMの設定が登録されているので、表示された画面から使うキャリア(MVNO)を選ぶだけで、簡単にネット接続できる。
なんとも便利な時代となったものだ。

しかし、なかには「アクセスポイント(APN)設定」をしたのにネット接続しにくいこともあるようだ。

●圏外からの復帰や電源オンで通信しにくい問題
SIMフリースマホで多いとされている問題が、電源を入れた時になかなかインターネット接続されないというものだ。
具体的にネット接続しにくいのは下記のようなシーンだ。

・電源を入れる
・圏外から受信エリアに戻る
・フライトモード(機内モード)を解除する
・LTEと3G通信の受信エリアの境界を移動する


こうして見てみると、どのシーンでも、電波の受信状態が変更するタイミングに多くおきている。

例えば、
・地下鉄に乗っていて「なかなかインターネットに接続できない」
・高層ビルの谷間で「4GやLTEと表示されているのにSNSが更新されない」
・山間部や海岸沿いなどに出かけて「電波のアンテナは立っているのにネットが使えない」
という状況になる。

筆者の使っているスマホでも、同様の事象が起きて困った経験がある。

●格安SIMで使わないアクセスポイントを削除する
スマホ画面の電波アンテナは、ちゃんと立っているのにネット接続できない。
この状態を防ぐ方法として有力視されているのが、不要なAPN設定を削除するという方法だ。

具体的にどうするかというと、
「設定」→「無線とネットワーク」→「その他(その他の設定)」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」
の順番にタップしていくと格安SIMの接続設定一覧が出てくる。

この画面には、今、自分が使って(契約して)いる設定だけなく、ほかにたくさんの設定が表示されるだろう。
その状態では、不具合が出やすくなるようなのだ。

そこで、不要な「アクセスポイント名(APN)」を削除すると問題が改善するケースが多いのだ。
「アクセスポイント名(APN)」の削除は、
・不要なアクセスポイント名をタップする(機種にもよるが「メニュー」か「…」をタップする)
・「APNを削除」という項目が表示される
・削除を選び、不要な「アクセスポイント名(APN)」を削除する


使っているアクセスポイント(APN)は削除してはいけない


ここで注意しなければいけないのは、利用(契約)しているアクセスポイントは削除しないことだ。
もし削除してしまうと、再び設定をしなくてはいけなくなる。

●不要なアクセスポイントを削除すると繋がりがよくなる理由
この不具合については、IIJエンジニアによる公式ブログ「てくろぐ」にも記載がある。

Android 5.0や5.1では、ひんぱんにネットに繋がるかどうかをアクセスポイント設定確認をしているそうなのだ。
そのため、使われていないアクセスポイントの設定があると、「ここは繋がるかな?」とチェックしてしまう。
この余計な動作が、利用(設定)しているインターネットに繋がるまでの時間を遅くしているという。

●再接続は機内モードを使うと早く繋がる?
ここで、再接続のコツを紹介しておこう。
SIMフリースマホや格安SIMで、LTEに接続できない場合、一度機内モードにして、すぐに機内モードをオフにする、これでLTEにつながりやすくなるのだ。

筆者も、格安SIMを入れている「Xperia Z3 Compact SO-02G」や、「HUAWEI P8 Lite」、「Nexus 5」で同様の状況が改善されているため、効果があるようだ。

もしも、SIMフリースマホで「繋がりが悪い」と感じてしまったら、試してみる価値はありそうだ。

てくろぐ IIJのエンジニアによる公式blog


布施 繁樹