「あの女優がまさかのDV!?」 病みキャラ続出で草生えるwwテレ東『SICKS』プロデューサーを直撃
 オールロケーション撮影、スタッフの笑い声なしの異色コント番組「SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜」(テレビ東京系 毎週金曜 深夜0時52分から放送)。10月9日の初回放送後、「え? あれってコント番組だったの?」とネットがざわついた。メインキャストは、おぎやはぎ、オードリー。仕掛けたのは、『ゴッドタン』の敏腕プロデューサー、佐久間宣行さんだ。

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「コント番組ってあまたあるじゃないですか。同じことをやってもしょうがないなと思ったんです。なのでスタジオではなく、オールロケにしました。

 笑い声を入れなかったのは、オールロケでカット割りもしているのに、スタッフ笑いが入ってるのは嘘だろうということで。入っていると、演出上、面白そうな感じはするんです。それはそうなんですが、入れないほうがこの番組でやろうとしていることには合っていると思いました」

◆病みキャラのリアルさにネット騒然

コンセプトは、“現代病”。AV女優を処女だと言い切る「ガチ恋病」(オードリー・若林主演)、オチのためには手段を選ばないTVディレクター「撮れ高病」(おぎやはぎ・小木主演)など、インパクト特大コントの数々。なかでも、腐女子の友情を描いた「フルボッコ病」が“本気すぎる”と話題になっている。演じるのは、清水富美加さんと、℃-uteの中島早貴さん。

「SNSでかなり反響がありました。コントに出てくる用語解説テロップの画像が、僕のところまでリツイートで回ってきたりとか(笑)。
二人の使う言葉は、腐女子用語とか、なんJ語(※2ちゃんねるの板「なんでも実況J」から発生した用語)ですが、なんJ語まで解説しているのは新しいかもしれないです。清水さんと中島さんは、衣装合わせのときから笑っちゃうくらいハマっていたので、イケるんじゃないかなとは思っていました」

「ケントくんクズ可愛い」「変わり身早すぎて草生える」といった理解不能(?)なやり取りもさることながら、好きな声優が結婚したニュースを聞いてパニックに陥ったマユ(清水富美加)が、Amazonで毒薬を購入しようとするも「プライム対象だからダメか」と諦めるなど、「このコントは一体、だれが考えたんだ!?」と気になって仕方がない。

「フルボッコ病の脚本は、劇団シベリア少女鉄道主宰の土屋亮一君です。土屋君はニッチな世界もそうだし、取材をして書くのが得意なんですよ。ガチ恋病のコントも土屋君です。2ちゃん用語とか僕らは全然分からないですから、その辺りは土屋君が徹底リサーチして書いています。SICKSの脚本は、4人の作家が別々のコントを担当していて、それぞれに向いてるだろうと思ったものを振りました」

 すべてのコントの監督を務めるのは、今をときめく『ヒロイン失格』の英勉監督。ダメ元でオファーしたところ、2つ返事で引き受けてくれたという。番組をみると一目で、「映画監督がコントを撮ると、なるほどこうなるのか」と頷けるクオリティに仕上がっている。

◆15年越しでやっと実現したコント番組『SICKS』

 コント番組といえば、根強いファンに惜しまれて終了したばかりの『ミレニアムズ』(フジテレビ)が記憶に新しい。オードリーも出演していたが、違いはどんなところだろうか?

「ミレニアムズは、フジテレビの伝統的なユニットコント番組です。だからこっちは小劇場の役者さんや女優さんで固めて、芸人は一人の世界にした、という部分はありますね。芸人はアドリブを入れてくるので、役者さんが次の台詞にいきづらいと言われたりするんですけど。今回は何を言っても大丈夫だから自由にやっていいよ、と言っているので、みんなガンガン入れてきますね。オードリーの春日は最初、遠慮してましたけど。優しい男なので(笑)」

 入社1年目にコント番組の企画書を出した際、「こういうのはフジテレビに行かないとできないよ」と却下されたそう。じつに15年越しの実現となる。

「1年目どころか、ずっと出し続けてました。面白い芸人さんの名前を挙げて、この人たちとこういうコントをやりたい、というユニットコント番組の企画でしたが、まったく通らなかったですね。テレビ東京は当時、お笑い番組すらないし、局に合わないということで。深夜ドラマもなかったですから。それが、番組制作を続けていくなか、いい芸人さんが出てくれるようになったのと、見ごたえのあるバラエティやドラマというのがテレビ東京の深夜帯に合う、という評価になったからだと思います」

◆タイトル「まさかのDV」の真意は…

 おぎやはぎ・矢作主演のコント「バズりたい病」では、アクセス数を上げたいネットニュース編集者に、“煽りの神様”矢作がバズるためのアドバイスをする。人気女優が風邪をひいたという記事について矢作が提案した見出しは、「中田杏 まさかのDV」。DVは、デビルボイスの略。風邪をひいたから、声がデビル……。
矢作は編集者にこう言う。「下衆さが足らない。クズなんだよ、お前たち。一番下の人間なんだぞ。家ダニだよ」……ネットニュースを書く身としては、爆笑である。

 ということで、本記事の見出しも「煽ってOK」との許可をいただいた。見事バズっただろうか……?

 最後に佐久間プロデューサーから、これから「SICKS」を見るという人へ向けてメッセージを頂いた。

「コントでは病気をデフォルメしていますが、なにかしら自分に当てはまるところがあるんじゃないかなと思います。AV女優のことを処女だと信じるファンは極端でも、幻想を信じるというのは誰だってありますよね。
第3回の放送あたりから、『SICKSってこういうことをやろうとしてるんだ』というのが明らかになってきます。笑い声が入らなかったり、オールロケだったり、各コントの前に一つずつ時刻スーパーが入っていたり、といったことが何を意味しているのか。
コント番組なんですけど、ちょっと変わったことをやろうとしているというのが分かってもらえると思います」

 「SICKS」の放送は、12月までのワンクール。3か月という短期決戦っぷりもまた、視聴者としてはスリリングで楽しめるところだ。まだ見たことのない人も、今夜0時52分の第3回放送から、SICKSワールドの目撃者になるしかない!

(取材・文・撮影/尾崎ムギ子)