Q:安倍晋三首相がある特別な呼吸法を行っているそうです。その呼吸法を行うと気持ちが落ち着くとか。本当に健康に良いのでしょうか。(38歳・司法書士)

 A:呼吸法には昔からいろいろありますが、どの方法にも共通しているのは深く、ゆったりした呼吸をすることです。
 私たちは、デスクワークをするとき、細かい作業をするとき、携帯電話をいじっているときなど、よく観察していると、つい呼吸を止めたり、呼吸が浅くなったりしていることがあります。また、ストレスや緊張でも呼吸は速く、浅くなります。
 このような呼吸が健康にとって良くない理由の一つは、例えばがん細胞は低酸素状態を好むので、浅い呼吸を続けていると、がん細胞が増殖するのに好都合な低酸素状態になりやすいわけです。
 安倍首相が実践している呼吸法は「4-7-8呼吸法」といわれるもので、西洋医学と代替療法の統合医療で知られる、アメリカのアンドルー・ワイル博士が20年ぐらい前に考案した方法です。

●呼気2対吸気1がベスト
 まず、鼻から息を完全に吐きます。その後に、鼻から4秒間かけて息を吸ってから、7秒間止めます。そして、8秒間かけてゆっくりと口から息を吐き出します。呼吸法は一般に、呼気2対吸気1の割合が良いといわれています。理由は息を吐ききることが大事だからです。
 ただ、呼気と吸気の間で7秒間息を止めることに関しては、根拠が不明です。一般的には、息を止めることは低酸素状態につながり、あまり良くないと考えられます。血圧も上げるので、心臓に負担がかかります。
 もし、健康のために呼吸法を実践したいなら、鼻(もしくは口)からゆっくりと息を吐ききった後に、今度は鼻から息を吸う方法が良いでしょう。ポイントは「ゆっくりと長く時間をかけ、すべて吐ききること」です。
 ちなみに、息を吐ききるとお腹がへこみますが、おなかをへこませたまま、吸う、吐くの順で繰り返す方法もあります。先の方法に慣れたら、この呼吸法にチャレンジするのも良いでしょう。

首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
 久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や再生医療(臍帯血幹細胞治療)などの高度先進医療を実践。