Doctors Me(ドクターズミー)- ランナーズハイって、脳内ではどんなことが起きているの?

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ランナーズハイという言葉を耳にした事はありませんか?これは、長い時間走り続けることなど、身体に何らかの負荷がかかっているのにも関わらず、痛みを感じず気分が高揚してくる作用の事です。主にマラソンなどで起こりやすい現象である事から、このように呼ばれています。

今回は、このランナーズハイについて医師に解説していただきました。

ランナーズハイの原因、エンドルフィンとは?

ランナーズハイはどうして起こるのでしょうか?これは、脳内に分泌される神経伝達物質であるエンドルフィンが関係してきます。エンドルフィンにはα、β、γがありますが、ここではβエンドルフィンの事についてのお話です。

エンドルフィンは、別名脳内麻薬とまでいわれ、分泌されるとモルヒネ様作用をもたらします。モルヒネ様作用とは、痛みが和らぎ、気分が高揚し、気持ちのよい感覚に包まれる状態です。

通常、エンドルフィンの分泌量はわずかですが、長時間のランニングなど身体に一定の負荷がかかり、その負荷が脳内物質エンドルフィンを分泌させる引き金になると言われています。エンドルフィンが分泌されると、辛い状況のはずなのに、それが快感へと変わっていく不思議な状態になります。エンドルフィンがもたらす鎮痛作用は、モルヒネの6.5倍とされており、鎮痛効果の大きさが分かるでしょう。

ランナーズハイの症状は?

ランナーズハイの主な症状として、モルヒネ様作用があります。痛みが緩和され気分が高揚し、辛い状況であるはずなのに、なぜか気持ちのよい状態になります。身体は極限の状態であるのにも関わらず、身体がなぜかスムーズに軽く、気持ちよく動いてしまうのです。

脳と身体にはどのような事が起きているの?

ランナーズハイは、長時間の運動など、ある程度の負荷が身体にかる状態であれば、ランニング以外でも起きる現象です。ランニングの他には、水泳などが挙げられます。

身体が極限の状態まで負荷がかかり、ストレスを感じると、脳はその苦痛を和らげようと脳は視床下部に刺激ホルモンを出します。そして、その刺激により視床下部からエンドルフィンが分泌されます。分泌されたエンドルフィンは、オピオイド受容体という痛みを感じる受容体に結合することで、痛みの感覚が麻痺します。そのため、痛みやストレスを感じにくくなるのです。

また、同時に快感を司るドーパミンという神経伝達物質が抑制されるのを防ぐ働き、つまりドーパミン分泌を制限させないようにする働きもあります。そのため、エンドルフィン分泌により、更に快感までもが得られるという事につながります。
痛みや辛さ、ストレスがある際に、それを和らげるためにエンドルフィンが分泌され、痛みが鈍くなり、快感も感じるという、脳と身体の働きがここにあります。エンドルフィンは、ストレスを解消するホルモンという事ができるでしょう。

医師からのアドバイス

いかがでしたか?人間の身体は、苦痛やストレスから自身を守ろうとする大切な働きが備わっているのが分かります。「ランナーズハイ」の作用機序は、日常の様々な場面で、私たちの身体を守ってくれているといえるでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)