DeNA・ラミレス新監督【写真:編集部】

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就任会見で語った決意、「優勝を争えるチームにしたい」

 21日に横浜市内で就任会見に臨んだDeNAのアレックス・ラミレス新監督(41)。その言葉の端々に、監督業にかける思い、優勝を目指す闘志がにじんだ。契約期間は2年で背番号は「80」に決定。ともに出席した高田GMは手厚いサポートを約束し、大きな信頼と期待を寄せた。現役時代、輝かしい成績を刻んだ助っ人は監督としても結果を残せるか。

 以下にラミレス新監督の所信表明、新監督に対する球団側の思いを紹介したい。

ラミレス監督「みなさん、こんにちは。横浜DeNAベイスターズの監督のアレックスラミレス、ラミチャンです。よろしくお願いします。まずは、この場所にいられることを大変光栄に思っています。このすばらしい横浜という街でこれからチームを作っていけることを大変楽しみにしています。長年横浜の皆さまが待ち続けている優勝できるチームにできることを目指して一生懸命やっていきたいと思います。よろしくお願いいたします」

――今回監督を引き受けた理由を教えてください。

ラミレス監督「数年前に選手としてDeNAベイスターズにいた時に目的をもってチームにいました。そして、多くの若い選手と能力のある選手たちとプレーをして選手時代を過ごしました。現役を終えてから、少し時間が空きましたが、もう1度ここへ戻ってきてキャリアを再スタートでき、まさに夢がかなったと思います。このような機会をいただけた横浜DeNAベイスターズに最大限感謝をしてファンのみなさま、応援してくださる横浜のみなさんに感謝したいと思います」

――現役時代から、いつか日本で監督をやってみたいと話をされていました。今回の監督就任のタイミングは、ご自身ではどう思う?

ラミレス監督「現役時代の時にもいつか監督になるのが夢だと申していましたが、少し監督になるタイミングとしては早かったのかなと自分では思っています。しかし、このような素晴らしい機会をいただけて、自分の現役時代の良い成績がこのような機会をいただけることになったのではないかなと思います」

――今回ラミレス新監督を迎え入れることになった経緯を教えて下さい

高田GM「現役の時から『現役を終えたら将来は日本で監督をやりたい。できたらDeNAベイスターズで監督をやりたい』という目標をもっていましたし、また監督を選ぶ上で新しい監督に来てもらった時に、また一からチームの選手の戦力を把握したり、能力をつかむまでには相当時間がかかるので、できたらチームをよく知ってもらっている方に監督にってことで、ラミレス監督にお願いしました」

――今回の監督人事にあたってほかにも候補がいたのか、あるいはまずはラミレスさんから名前が挙がったのか。

高田G「最初に私たちの方から、何度かラミちゃんと会ってね、考え方というか、面談、話をした上で、ぜひラミレスにお願いしたいと。そして我々は来年から勝負したいという強い気持ちがありますから、お願いしました」

――期待することは?

高田GM「日本の野球をよく知っている。実績(2000本安打)もあるし、日本の野球を、外国人ですけどもよく知っているし、また、本人を前にあれですけど……、非常に頭の良い人でして、ピッチャーを攻略するにも、何にも考えないでバットを振っている選手ではなかったので、いろんな攻略を考えながらやっていた選手だったし、もちろん投手の継投や作戦については、まだまだ新しい初めての監督ですから、これはどの人にお願いしても同じことですから、あとはしっかりとした経験のあるコーチなどにサポートをお願いして層を厚くしてやっていきたいと思います。間違いなくいい結果を出してくれると期待しています」

――球団としてどのような期待を?

池田社長「やはり、来年、是が非でも勝ってもらいたい。横浜のみなさんも結果を求めていると思いますので、高田GMからもありましたけど、選手のこともよくわかってるでしょうし、横浜のこともよくわかってるでしょうし、横浜スタジアムのこともよくわかっているでしょうし、球団もよくわかっているので、もう秋キャンプからいろいろな準備を重ねて是が非でも横浜のために勝ってもらいたいと思っています」

――今年は、首位でターンしながらも最下位でシーズンを終えました。新しいチームを率いるにあたって、これまでこのチームをどうみてきたのか、ご自身はこのチームをどう変えたいのか教えて下さい。

ラミレス監督「もちろん今シーズンの結果は無視できない事実ですけど、やらなければいけない、些細なことをしっかりとできるチームにしたいと思っています。失敗を恐れずにポジティブに受け止め、今年の経験を生かしながら来年につながっていくような練習ができればと思っています。しっかりとよりよいチームが作れるように、秋季キャンプからスタートしていきたいです」

グラウンド内ではパフォーマンス封印、「筒香選手や梶谷選手に引き継いでいただければ」

――打撃のチームなのか、足か投手か、どんなチームにしたいか。

ラミレス監督「ご存じの通り、若く将来有望な選手が多い中で積極的な野球ができればと思っています。必要な時に積極性を出し、一つ一つの個々の選手が力を合わせて、協力して、みんなが一つの目標に向かってやっていけるようなチームにできたらと思います」

――特に期待する、チームを引っ張っていくと期待する選手は?

ラミレス監督「若い選手が多い中で、特に筒香選手に期待しています。その他にも梶谷選手もセ・リーグを代表する選手になりつつありますし、この2人を軸にしてチームをまとめていければという風に思っています。もちろんファームにいる若い選手にも期待をしています」

――ラミレス監督の1年目に期待する結果は?

高田GM「この4年間、中畑監督がしっかりと地ならしして種をまいたというところで、これを咲かせてもらおうというところで、新監督ですから1年、2年じっくりということではなく、今年のヤクルトのように最下位から優勝ということは十分考えられることで、来シーズンはもちろん優勝を目指して、1年目から結果を出して。そのための監督選びのつもりですから。結果を出すための、サポート、コーチングスタッフ含め、また選手サイドもしっかり、明日(22日)ドラフトですから、良い選手をとって戦力をしっかりと整えて、優勝を争えるチームにしたいと思います」

――1年目から優勝を目指してほしいという話がありましたが、ラミレス監督はいかがでしょうか。

ラミレス監督「プレッシャーは全く感じていません。しっかりとそこへ向かっていける選手をつかって優勝へ向かっていきたいと思います」

――1年目から優勝を目指す?

ラミレス監督「はい。もちろん自分自身にも期待していますし、多くの選手にも期待をかけて、自信をもって優勝できるチームにできるようにしたいです」

――現役時代は、実績はもちろんですが、パフォーマンスで大人気でした。監督になったら、その場合は続けるのか、封印するのか。

ラミレス監督「現役時代は、パフォーマンスで多くの方を喜ばせてきましたが、監督になった今は、筒香選手や梶谷選手にパフォーマンスのお願いをして、引き継いでいただければと思います」

――ということは「ノーモアゲッツ」?

ラミレス監督「球場の外ではできればと思っていますが、球場の中では控えさせていただければと思っています」

――監督になってからの呼び名は?

ラミレス監督「監督ラミちゃん、または、ラミちゃん監督という風に読んでいただければと思います」

――ファンに向けて。

ラミレス監督「ファンのみなさまにも横浜のファンのみなさまにも感謝の気持ちを伝えたいと思います。このような機会をいただけたことを大変光栄に思っています。自分たちができる全力のことをして優勝に向かうチームを作っていきたいと思います。今まで横浜のみなさんが期待していたものをお返しできるように、今まで応援し続けてきてくださったみなさま、これから応援していただけるみなさまにも、みなさまが望んでいることをお返しできるように一生懸命やっていきたいと思います。これからも応援をよろしくお願いします」

――日本語で何か。

ラミレス監督「来年優勝目指して頑張ります。応援よろしくお願いします」

選手とのコミュニケーションは日本語も駆使、「みなさんが思っているよりも日本語が話せます」

――ドラフト会議で監督として初めての仕事としてクジを引くと思いますが、自信はありますか?

ラミレス監督「自信をもってクジを引きたいと思います。横浜DeNAベイスターズが必要としている人材を引き当てることができればと思っています」

――どちらの手で引く?

ラミレス監督「右手です。右手には自分のパワーがあると信じていますので」

――交渉権を獲得できた場合、球場外なので、何かパフォーマンスは考えている?

ラミレス監督「まだシーズンは始まっていないので、可能であれば、引き当てた選手と一緒にパフォーマンスができればと思います」

――理想の監督像は?

ラミレス監督「できるだけ多くのコミュニケーションを選手と取れる監督になりたいと思っています。それと同時に、積極性があって、多くの選手にいろいろ教えたいと思っています。野球は身体的というよりもメンタルが大事だと思っていますので、そこも含めて指導していけたらなと思っています」

――日本の監督で目標はいるのか。

ラミレス監督「現役時代を通して、4人の監督から指導を受けてきましたが、そういった経験も生かしながら、自分のやり方をミックスしてチームを作っていきたいと思っています」

――ベネズエラ出身で日本の監督になるのは初めてですが、感想と、ベネズエラのみなさんへ一言。

ラミレス監督「ベネズエラ出身の自分が監督に就任できることになって誇りに思っています。 そしてベネズエラだけではなく、中南米の野球をやっているプレーヤーすべての代表として日本でがんばって活躍し、来年の優勝を目指してがんばっていきたいと思います」

――監督になろうと思った時期はいつか。それと希望するチームのスタイルは?

ラミレス監督「ジャイアンツの選手時代に監督になりたいと考え始めました。そしてその気持ちがより大きくなったのが横浜DeNAベイスターズの1年目の時期だったと思います。なぜかというと、このチームで多くのことを学ぶことができたし、そしてその中でも、自分のアメリカでの経験と、ベネズエラ、ラテン圏での経験が生かせるのではと思ったのがこのチームだったからです」

――選手とのコミュニケーションを積極的に図っていきたいとおっしゃっていましたが、言葉の壁はどのように超えるのか? 今まで通り直接話すのか、通訳を通すのか。

ラミレス監督「フィールド上では、日本語を使いたいと思っています。みなさんが思っているよりも日本語が話せますので! もし、フィールド場で私が笑顔で話して、選手が笑顔で返していたら、コミュニケーションができるということなので! それでご理解いただければと思います。高田さんそれで、大丈夫ですか?」

高田GM「オーケー」

ラミレス監督「戦略や細かいことなどは、通訳を通していきたいと思います。

――同じ外国語を話せるコーチを希望するのか? それと契約は何年?

ラミレス監督「私からの希望は特にありません。高田GMと話をしながら、組閣の決定についてはすべてお任せしています。契約期間は2年間です。この2年で結果を残していきたいと思います」

――横浜の思い出やエピソードは?

ラミレス監督「横浜はとても素晴らしいところだと思っています。何よりも雰囲気が好きですし、素晴らしい場所がたくさんあると思っています。また歴史のある街ということも認識しています。横浜の方々は、とてもアツく応援してくださっているので、みなさんが期待している結果を残せるように努力したいと思っています」

白井京子●文 text by Kyoko Shirai