「ありがちな写真」を撮ろうとすると、シャッターが切れなくなるカメラ

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スマートフォンのGPSを利用し、「みんなが撮っている写真」を撮ろうとすると、自動的にシャッターが切れなくなるカメラを、あるデザイナーが生み出した。これは、テクノロジーによるクリエイティヴィティに対する検閲か、あるいは、はた迷惑な「ありがちな写真の洪水」への反抗か。

ニューヨークですばらしい夕焼けが見られる日はいつも、わたしのInstagramフィードはオレンジ、ピンク、紫の色調であふれかえる。

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いや、文句を言っているわけではない。夕焼けが美しいのはわかるし、わたしだって「sunset」のハッシュタグをつけて写真を一、二度(正直に言えば10回くらい)投稿したことがあるから同罪だ。

でも、夕日に染まった空を背景にしたマンハッタン・ダウンタウンの写真を15枚も見たら…、何と言うか、飽き飽きする。

それでも同じ罪を犯し続けているわたしのような人たちは、自虐的なキャプションだったりハッシュタグをつけて、赦してもらおうとする。しかし、そもそもこうした写真を撮るのを誰かが、あるいは、何かが、どうにか妨げるべきだ──それが、フィリップ・シュミットの「Camera Restrica(制限するカメラ)」のアイデアだ。

ドイツ人のデザイナー、シュミットは、ユーザーに「オリジナルな写真」の撮影しかできないカメラを開発した。エッフェル塔の写真を撮りたい? それは無理だ。ネブラスカ州グランド・アイランドのデイリー・クイーンの隣にあるガソリンスタンド? それなら撮れるかもしれない。

シュミットのカメラは、スマートフォンを内蔵する仕組みになっており、FlickrとPanoramioのGPSメタデータを使い、その撮影場所がどれだけ人気かを判断する。

カメラを持って立っている位置の約35m四方で撮影された写真が35枚を超えているとわかれば、カメラのシャッターは押せなくなって、ファインダーもシャットオフされる。カメラのディスプレイにはその位置で撮影された写真の枚数が表示され、アラートが鳴ってその場を去るように促す。

いわゆるクリエイティヴィティを、何かしら定量的なもの(この場合は、GPSのメタデータ)で評価するテクノロジーは、興味深いものがあると同時に、不快にさせられる。「このアイデアは、多くの人から大きな反感を買っています」とシュミットは語る。

それでも、このカメラのような「既存テクノロジーとの融合」に対するアプローチには、興味深いものがある。

このコンセプトをさらに発展させたらどうなるだろう。カメラのファインダーが画像認識ソフトウェアを使用して、撮影者が見ているものが撮影に値するか否かを判断できるようになるかもしれない。あるいは、その日の時間、季節、Instagramで何人の人が同様の写真をすでに撮ったか、などの異なるパラメーターを考慮し、その結果、ビーチの砂上の自分の足なんて、撮影しなくてもいいと教えてくれるかもしれないのだ。

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