名古屋グランパス公式サイトより

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 サッカー日本代表の中東遠征が終わった。

 FIFAワールドカップ2018年ロシア大会アジア二次予選、天王山となったシリア戦を3-0で制し、首位の座を奪った日本代表は、アウェイでの親善試合となったイラン戦では引き分け。一応の結果を残したことで、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督の首はつながった。だが、ハリルホジッチ監督の作り上げたチームが、過去の日本代表と比べて優れているとは言い難い。特に問題とされているポジションがGKだ。

 シリア戦で解説を務めた元日本代表で、現在は名古屋グランパスでプレーする田中マルクス闘莉王は、GK西川周作がFKを止めたシーンで、そのプレーに苦言を呈した。

「楢崎(正剛)選手ともよく話すけど、この位置のFKで壁を超えるシュートが入るのはわかる。けど、この位置からGKサイドには決められたらダメです」

 このシーンで西川は、自らのサイドに直接飛んできたシュートを、間一髪止めている。闘莉王からすれば、自らのサイドに飛んできたシュートなのだから、余裕を持ってセーブしてほしいという思いがあったのだろう。

 実は、闘莉王は以前から、日本のGKに対して苦言を呈している。元日本代表であり、名古屋グランパスのGKである楢崎がJ1通算600試合出場した時には、「申し訳ないけど、今の日本代表GKはナラ(楢崎)さんと比べものにならないし、比べたら失礼。俺もいろんなGKと対戦したことあるけど、ナラさんと争っているレベルでもない」とバッサリ。

 実際に日本のGKはレベルが低いのだろうか? フィジカルトレーナーに聞いた。

「闘莉王の指摘は的を射ていると思います。歴代の日本代表選手で最も優れていたのは楢崎です。日本だと、横っ飛びした、いわゆる“ファインセーブ”の多い選手が称賛されます。でも、本当に一番良いのは、飛ばずに体に当てること。川口能活のように、腰を落として飛び込むよりも、楢崎のようにコースへ入り、体に当てるほうがGKとして優れている。元ドイツ代表のオリバー・カーンや、現ドイツ代表のマヌエル・ノイアーも、川口より楢崎にプレースタイルは近い」

 また、あるサッカーライターは「大ベストセラーとなった『決戦前夜』(金子達仁、新潮社)では、<楢崎が川口より優れている>とするメディアの論調が批判気味に書かれており、それによって川口のほうが評価された部分もある」と分析する。確かに、楢崎をたたえる声を、テレビなどで耳にすることはない。

 優れた者が評価されなければ、廃れていくのは、どこの世界も同じ。だからこそ、闘莉王は警鐘を鳴らしたのだろう。
(文=TV Journal編集部)