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女子高生等による「JKビジネス」や、15歳未満の児童を写した「着エロ」を規制するよう求めるNPO法人など11団体が10月21日、塩崎恭久厚労大臣宛てに要望書を提出し、厚労省で記者会見を開いた。

売春によって傷ついた少女から相談を受けているというNPO法人ライトハウスの藤原志帆子代表は「子どもたちの性が簡単に売り買いされ、法律や社会が子どもたちを守ってくれない現状がある」と指摘し、法規制の強化を訴えた。

●「児童福祉法」と「児童虐待防止法」を改正するよう要望

今回の要望書では、「『着エロ』や『ジュニアアイドル』ものとして、幼稚園や小学校低学年の子どもの半裸や水着姿の写真集やDVDが公然と販売され、これらの子どもたちに『握手会』や『撮影会』と称して多くの男性が群がるという異常な事態が生じている」などと指摘し、法規制を求めている。

着エロは業者などが児童ポルノ法違反で検挙されている事例もあるが、今回の要望書では15歳未満の児童を被写体にした半裸・水着姿などの「着エロ」については、児童福祉法違反とすべきだと主張している。

対象を15歳未満にしたことについて、後藤啓二弁護士(NPO法人シンクキッズ—子ども虐待・性犯罪をなくす会代表理事)は「着エロの被害者は低年齢のケースが多いからだ」と説明した。

後藤弁護士によると、業者の誘いを受けた親が、年端もいかない子どもにそうした行為をさせているといい、「親が子どもを性的対象として売るもので、明らかな児童虐待であり、法律をもって禁止すべき」だとしている。

JKビジネスについては・・・

また、JKビジネスについては、「JKビジネスに従事する子どもは、強姦や買春被害にあう危険性が高く、多数被害にあっている」などとして、「性的好奇心に応じたものと認められる」なら、接客やマッサージ、会話のようなサービスでも児童福祉法と児童虐待防止法違反とするよう求めている。

この点について、後藤弁護士は「接客やマッサージといっても、実態は性的好奇心に応じるものということはよくある。接客そのものがダメといっているのではなく、実態で判断してほしいということだ」と話していた。

●具体的にはどんな内容?

要望書が求める法改正は、具体的には次の2点だ。

(1)児童福祉法34条を改正し、次の事項を禁止行為として追加する(最低限他の多くの条項と同様懲役3年以下の罰則とする)。

・満15歳に満たない児童の半裸あるいは水着その他これに類する衣服を着用した姿を被写体とした写真、映像を撮影し、あるいは販売、頒布する行為及びこのような行為をさせ、又は勧誘する行為。

・児童を名目のいかんを問わず撮影、接客、散歩、マッサージ、添い寝、会話その他の性的好奇心に応じたものと認められるサービスを提供する業務に従事させ、又は勧誘する行為。

(2)児童虐待防止法2条2項(性的虐待の定義)に次の事項を追加する。

・児童に名目のいかんを問わず撮影、接客、散歩、マッサージ、添い寝、会話その他の性的好奇心に応じたものと認められる業務に従事させること。

この要望書は今後、河野太郎・国家公安委員会委員長や、加藤勝信・一億総活躍担当大臣宛にも提出し、法規制を求めていくとしていた。

(弁護士ドットコムニュース)