2014−2015年シーズンが9月に終了した米ツアー。さらに先日、米国選抜と世界選抜によるチーム対抗戦、プレジデンツカップ(10月8日〜11日/韓国)が開催されたばかりだが、新たなシーズンが早くも開幕した。

 その2015−2016年シーズン開幕初戦は、フライズコム・オープン(10月15日〜18日/カリフォルニア州ナパ・シルベラードリゾート。パー72)。注目の日本人選手は、松山英樹(23歳)、石川遼(24歳)、そして今季から米ツアーに本格参戦する岩田寛(34歳)と、米ツアー出場資格を持つ3人がすべて出場した。

 松山はプレジデンツカップ、石川は日本ツアー、岩田は今季米ツアーの出場資格を争う下部ツアーのプレーオフに日本ツアーと、それぞれ最近まで試合をこなしていただけに、「新しいシーズンが始まった感覚がまったくない」と口をそろえてスタートした今大会。石川と岩田は2日目に大きくスコアを落として予選落ちを喫したが、3人の中では世界ランキング最上位(15位。※10月12日現在)の松山は、その実力どおりのプレーを見せた。松山自身、決して満足できる内容ではなかったものの、連日コンスタントにスコアを伸ばして、4日間通算10アンダー、17位タイでフィニッシュした。

 昨年、一昨年と、この開幕戦では2年連続で3位タイという結果を残してきた松山。相性のいい大会ではあるが、今年はプレジデンツカップをこなして、その開催地である韓国からの移動による疲労がかなり残っていたようだ。初日、2日目は、その影響もあってか、ミスが多かったという。

「(大会前日は)結構眠れたんですけどね、まだ時差ボケがとれなくて、眠いです。(出入りの激しいゴルフとなった初日は)ショットが曲がったり、パットやアプローチなど、ショートゲームでミスがあったりした。ただ、ちょっとしたことなので、寝れば直るレベルだと思うんですけど。アイアンに関しては、2日間ともよかった。ミスなく、ピン筋に行っているショットが多かった。結局、パッティングですね。ストロークというか、フィーリングがよくない感じでした」

 3日目、4日目も、松山はややパットに苦しんだ。

「(3日目は)長いパットは入ったんですが......。短いわけじゃないけど、3〜4mくらいのパットを外し続けた。(最終日も)最初の2番、3番でバーディーがとれたときはいい感じでいくかな、と思ったんですが、そのあとが続かなかった。ちょっと、苦しかったですね。昨年は、こんなにグリーンで苦労した記憶はないんですけど、今年はすごく苦労した。グリーンも硬くて、予想外でした」

 とはいえ、ショットの精度がよく、2日間とも「69」をマーク。最終的にはスコアをふた桁に乗せて、その点は松山も前向きにとらえていた。そのうえで、今季に向けても、スタートとしてはまずまずの手応えをつかんだようだ。

「ショットは、ウッド系のクラブ以外、アイアンはいい感じで打てています。まだ新たなシーズンがスタートした感じはぜんぜんしないけど、ずっと合っていなかったアイアンのフィーリングが合ってきたのはよかった。本当にいい感じで仕上がってきていると思います。それを、ドライバーを含めて、ショートゲーム、パッティングへと、どうつなげていくか。何にしても、今週はひとついいものが見つかったので、このあともひとつずついい状態のものが増えていけばいい。そうやって、自分のいいフィーリングがどんどんつながっていけば、(今季も)上位争いはできると思います」

 一方、予選落ちに終わったものの、米ツアー本格参戦4年目を迎えた石川も、開幕戦で得たものは大きかったという。

「予選2日間だけのラウンドでしたけど、いいプレーができていました。スコアも悪かったとはいえ、一打、一打、最後まで集中してプレーすることもできました。特に収穫となったのは、ドライバー。日本ツアーを戦っていた1カ月間はドライバーがよくなかったんですが、スイングを変えてよくなったと思います。悪いショットは2、3回。それで、どういうときに右に行くとか、または左に行くとか、その原因もはっきりとわかったので、すごくいい勉強になった。

 昨季は自信を持ってプレーできず、消極的なシーズンでした。だからこそ、今季は攻めの姿勢を貫いていきたい。それは、自分の中のモノ、『ああなったらどうしよう』といった不安との戦いで、意外と難しいことですが、そこは今、自分が一番変えていかないといけない部分。しっかりと克服していきたい。そういう意味では、この2日間は、一打、一打集中して、自分がイメージした球を、それだけを狙って打つことができた。課題がちょっとずつよくなるのは楽しいし、正しいプロセスを踏んでいると思うので充実しています。とにかく、結果は出ませんでしたが、自分で納得のいくショットが多かった。怖がって打ったミス、それでショックを引きずるようなミスもなかった。この感覚を大事にしていきたい。2日間ですが、一打、一打打つごとに成長できたと思います」

 米ツアーメンバーとしてのデビュー戦を飾った岩田は、初日、最終18番の最後のパットだけ残して日没サスペンデッド。2日目は、ミスショットを連発して、大きくスコアを崩した。大会前、「最高峰の舞台なんだから、きっとつらいことがいっぱいあると思う」と語っていたが、その"洗礼"をいきなり受けた。

「(2日目は)僕の中で許せないミスがあるんですけど、それが前半から何回も出てしまった。それでも、最初は我慢していたんですが、後半に入ってから気持ちが切れてしまいました。異国の地での予選落ちって、本当にきつい。心臓が取れちゃうくらい。もう一生、予選を通らないんじゃないか、と思ってしまう......」

 ラウンド後は、「今は何も考えられない」とがっくりとうなだれていた岩田。しかし、彼の挑戦は始まったばかりだ。

「まあ、次ですね。いろいろと勉強をして、反省するところは反省して、気持ちを切り替えたい。そこは、大事にしたい。(日本とは)周囲のレベルも違うし、あまり自分を追い詰めてもいいことはない。遊び心を持ってやっていきたい」

 松山、石川、岩田、開幕戦では、三者三様の結果と内容に終わったが、長いシーズンは来年の9月まで続く。これから彼らがどんな戦いぶりを見せてくれるのか、しっかりと見届けていきたい。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko
text by Sportiva