■連載/綿谷さちこのクレカの強化書

 海外旅行中に手持ちの現地通貨がなくなった時に、手軽に現地のATMからお金を引き出せる「海外専用プリペイドカード」。実際に使ってみた印象は実に手軽で簡単。これからの海外旅行に大いに活用したいと思っている(詳細は、「海外専用プリペイドカード」は海外で金欠になった時の救世主になれるか!?(前編)を参考に)。

 以前は海外旅行と言えば旅行小切手の「トラベラーズチェック」を利用したものだが、今はもう販売されておらず、日本国内では20143月31に全ての販売が終了している。その代わりとなるのが「海外専用プリペイドカード」だ。日本国内で事前に自分の専用口座にお金を入金しておくことで、海外のVisaPLUSVisaの場合)、MasterCardCIRRUSMasterCardの場合)のマークがあるATMで、国内の外貨両替よりお得なレートで現地通貨を引き出すことができる。VisaMasterCardの加盟店でショッピングすることも可能だ。

 プリペイドカードなので万が一、紛失したり、盗難された場合も、入金しているお金以上には被害が広がらないところがメリット。海外で無駄遣いしない方法としても便利に活用できるだろう。

 現在、発行されている主な「海外専用プリペイドカード」は5つ。それぞれ同じようで微妙に違いがある。その内容について一覧表にまとめてみたので、参考にしてほしい。

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 まず注目したいのが「対応通貨」と「利用方法」で、「海外専用プリペイドカード」には事前に外貨に両替しておけるものと、そうでないものがあることを覚えておきたい。『キャッシュパスポート』や『Gonna』、『ManepaCard』は事前に対応通貨に両替しておけるので、為替レートがお得な時を狙えば、海外旅行時に円高になっていても、お得なレートのまま現地通貨を引き出すことができる。

 ただし、『ManepaCard』の場合は現地通貨が入金されていないと引き出せないので注意が必要。また『キャッシュパスポート』や『Gonna』の場合は現地通貨が足りない場合、そのほかのお金から引き出せるものの、『Gonna』は円のみで全額が引き落としになる。私が失敗したのもココ。ドイツのベルリンで『Gonna』カードを使って100ユーロを引き出したが、口座には70ユーロしかなく、100ユーロ分の円が引き落としになってしまった。つまり両替していた70ユーロがそのまま残り、事前に為替レートがお得な時に両替していたものの、今回の海外旅行では活かせなかったというワケだ(詳細は、「海外専用プリペイドカード」は海外で金欠になった時の救世主になれるか!?(前編)を参考に)。

 つまり使い勝手的には『キャッシュパスポート』が残高が足りない場合に、足りない分のみを他の外貨から引き落としにできて便利。とはいえ入金時の手数料が『キャッシュパスポート』のみ入金金額の1%必要になるのがイタイ。

 一方、『NEO MONEY』と『MoneyT Global』は円で預金してその都度、現地通貨を引き出すので、オールマイティに利用できるところが便利。様々な国や地域を訪れ、様々な外貨を利用する人はもちろん、事前に両替したり、外貨ごとの残高を管理するなど、面倒なことはしたくないという人にもおすすめだ。

 次に注目したいのが、「海外ATM引き出し時の手数料」だ。円で預金しておく『NEO MONEY』や『MoneyT Global』は200円だが、『キャッシュパスポート』や『Gonna』、『ManepaCard』は引き出した外貨で手数料が取られるので、その時の為替レートが影響する。本日のレートで計算すると米ドルは119.25円なので、2米ドルなら238.5円。ユーロは135.62円なので、1.75ユーロなら237.335円だ。同様に計算して豪ドルは215.975円、英ポンドは275.075円、香港ドルは307.8円になる。つまり現時点では円で200円の手数料の方がお得だということ。

 また「振込先銀行」もチェックしておいてほしい。振込する手数料は自分持ちになるので、自分が利用している銀行と「振込先銀行」が同じだと、振込手数料が無料で済む。「為替手数料」はたいていが4%なので本日のレートなら1米ドルに対して4.77円が割り増しになる計算。それに対して『ManepaCard』は1米ドルの為替手数料が0.80円なので、かなりお得だ。『ManepaCard』はそのほかの「海外専用プリペイドカード」に比べて為替手数料がどの外貨もお得なので、「日本最安」をうたっている。

 お得に利用できるという点では『ManepaCard』がおすすめだが、現地通貨が入金されていないと引き出せないのは不便。とはいえマネーパートナーズのFX口座を持っている人なら、そのFX口座からそのまま入金できるという、ほかの「海外専用プリペイドカード」にはないサービスを用意している。

 以下にそれぞれのカードのおすすめポイントを、各カードの広報に行なったアンケート回答から紹介しておこう。いったいどのカードにしようか悩んだ時は、こちらも参考にしてほしい。

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キャッシュパスポート
●ネーミングの由来
キャッシュパスポートは外貨両替に替わる商品として開発されており、現金と同等の利便性を表現するという意味で”CASH“を、世界各国でパスポートのように信頼性、通用性があることを表現するために”PASSPORT“を使い、それらを組み合わせることで世界中で使える信頼のトラベルマネー”であるということを表現。
おすすめの使い方
レジャー、ビジネス、留学など海外へ渡航される人が誰でも目的を問わず便利に利用できる。留学、ロングステイ、出張などの場合には、滞在中に資金が足りなくなった場合、日本の家族などから送金してもらって利用できるので、海外に長期間滞在する人には特に便利に利用できる。カードもオリジナルとスペアカードを初めから渡してもらえるので、1枚紛失してももう1枚をすぐに利用することができる。また、「円高の時期に外貨を買っておきたい」という、外貨のレートを見ながら両替したい人にもおすすめ。米ドル、ユーロ、ポンド、豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルでカード内に外貨を保有することが可能。
今後のキャンペーンやニュース
2016年に新しい通貨が追加される予定。

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Visa TravelMoney “Gonna”
●ネーミングの由来
Gonna(ゴナ)』とは、『これから〜するつもりである』、『これから〜になる』という意味。予定を表す『will』より、予測できる時や計画性がある時に使用する、『going to〜』の口語体が起源。「誰からも縛られることなく、自らの意思を持って、楽しく生きる」という想いが込められている。
おすすめの使い方
クレジットカードや一般的な海外専用プリペイドカードは、海外で使った時の為替レートで請求されるという不確定要素があるが、『Visa TravelMoney “Gonna”』の場合、円から外貨(米ドル・ユーロ・豪ドル・英ポンド)へ、外貨(米ドル・ユーロ・豪ドル・英ポンド)から円へ、会員専用サイトでいつでも両替できるため、自分で為替リスクをコントロールできる。会員専用サイトで、円から外貨に両替して利用すれば、海外事務処理手数料もかからずにショッピング利用でき、もし外貨が余っても円に両替すれば、日本国内のVisa加盟店で使えるので無駄がない。日本にいながら外貨を使う、海外インターネット通販での利用にもおすすめ。
今後のキャンペーンやニュース
2016年331日までに新規入会し、415日までに1000円以上チャージした人にもれなく500円のボーナスチャージをプレゼント。

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NEO MONEY
●ネーミングの由来
トラベラーズチェックでも、現金でもない、「新しい海外旅行のお金のかたち」というコンセプトから命名。
●おすすめの使い方
旅行や留学、海外出張などあらゆる場面で便利に利用できる。レートのいい両替所を探さなくて良く、使いすぎの心配もない。チャージして余った金額は次の旅行時に使えるのも便利。渡航国が複数の場合も、日本円をチャージしておけば各国で現地通貨が引き出せる。
今後のキャンペーンやニュース<
2016年331日までに新規入会し、4月10日までに1000円以上チャージした人にもれなく500円のボーナスチャージをプレゼント。

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MoneyT Global
●ネーミングの由来
2010年にJTB海外送金サービス「JTB International Money Transfer(通称MoneyT)」を行なっており、その「MoneyT」を継承。後ろに全世界という意味を含めた「Global」を付けた。
●おすすめの使い方
比較的長期に渡って海外に滞在する人が現地での生活費として利用したり、複数の国を周る人にとっても両替の手間が不要で便利。そのほか、留学生がいる家庭なら家族からの仕送りに利用したり、退職後に海外でセカンドライフを考えている人も、クレジットカードのような審査がなく持てる点で便利に使える。
●今後のキャンペーンやニュース
2015年12月にICチップ搭載の新カードに切り替え予定。より安全に、より便利になる。

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ManepaCard
●ネーミングの由来
会社名であるマネーパートナーズは通称「マネパ」と呼ばれており、マネーパートナーズのカードという意味で「マネパカード」に。
●おすすめの使い方
クレジットカードを持たない学生、留学生、主婦などのほか、クレジットカードよりもお得に外貨を利用したい人におすすめ。FX口座経由となるが、すでに手持ちの外貨(外貨預金やFX口座の外貨)を円貨に変えることなく、そのまま海外で使いたい人にも便利なカード。
●今後のキャンペーンやニュース
現在、FX口座経由で外貨をマネパカードにチャージできるようになっているが、今後、カード口座に外貨を直接入金して、カードにチャージできるようになる予定。また来年度には国内のMasterCard加盟店で円貨で利用できるようになる予定だ。

 非常に便利な「海外専用プリペイドカード」。できれば海外に飛び立つ前に入金したり、現地通貨に両替しておくなどの準備は済ませておきたい。その理由は、自分の口座にお金を振り込んでから、実際に口座に反映されるまで13時間程度が必要で、利用したい外貨に両替するには1日程度が必要になるから(カードによって異なる)。入金しておいたものの、現地でしかも土曜日に両替の操作を行なった私は、月曜日までお金が引き出せずイライラしてしまった。あと「海外専用プリペイドカード」を利用するなら、インターネットバンキングを利用しておくと、現地で残高不足になった時も、インターネットで振り込みできるから便利だ(『ManepaCard』除く)。海外で現地通貨がなくなるほど不安なことはない。海外によく出掛ける人なら持っておくことで安心して、現地でのショッピングやグルメなどを楽しめるだろう。

文/綿谷禎子