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ノークリサーチは、2015年の国内中堅・中小市場における「給与・人事・勤怠・就業管理システム」の利用実態とユーザー評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

調査対象は、全国・全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業で「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」もしくは「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」社員。調査実施時期は2015年7月(有効回答数は1,300社)。

導入済み製品・サービスの導入社数シェアを2014年の調査と比較したところ、シェア率・順位とも大きな変動は見られない。中堅・中小企業における給与・人事・勤怠・就業管理システムの利用は、売上増やコスト削減といった戦略的な事由よりも、法制度対応が主な役割となることが多いため、製品/サービスの選定においても「費用負担を抑えて現状を維持する」という方針になりやすいと同社は見ている。

導入済み製品・サービスに対して抱えている最も重要な課題については、「導入後の保守/サポート費用が高価である」「導入時の初期費用が高価である」「バージョンアップ時の費用負担が高価である」といった項目が多く挙がっており、現状の課題においても 費用負担を抑えることが優先事項となっていると同社は分析する。ただし、最も多く挙がった項目でも1割程度にとどまる一方、「課題は全くない」との回答が約3割に達している。そのため、給与・人事・勤怠・就業管理システムを開発/販売するベンダーや販社・SIerにとっては「現状で解決すべき課題」という点からシェアの獲得・拡大を図るアプローチはあまり有効でない可能性が高いと同社は分析する。同社は、現状維持志向が強い状況の中でも新たな差別化ポイントを模索する取り組みが将来的には非常に重要になると指摘している。

今後のニーズについては、年商50〜100億円未満の企業では、費用に関する項目(「バージョンアップ時の費用負担が安価である」など)や法制度対応に関する項目の回答割合が高い。2015年の調査結果では「マイナンバーに求められる業務に対応できる」の高さが目立つ。

しかしこれは新たなIT投資を意味するものではなく、現状の給与・人事・勤怠・就業管理システムのバージョンアップ内での対応を想定しているという。「バージョンアップ時の費用負担が安価である」の回答割合が最も高いことから、マイナンバー対応を契機に製品・サービスの移行・刷新や高価なオプション・サービスの利用を訴求することは難しいと同社は見ている。マイナンバー制度はセキュリティ関連ツールなど、一部のIT活用領域では需要増も期待されるが、給与・人事・勤怠・就業管理システムを開発・販売するベンダーや販社・SIerにとっては「自社の顧客を失わないために、顧客側の費用負担を最小限に抑えつつ的確な対応が求められる取り組み」となってくると同社は予測する。

また、15.1%に上る「プログラミングを伴わずに機能の追加/変更をユーザー自身が行える」など、費用関連や法制度対応関連だけではないニーズも垣間見えるという。少子高齢化などによって今後は有能な人材の確保が難しくなると予想され、中堅・中小企業としても多様な働き方や評価制度を導入し、働く側にとって魅力的な職場作りが求められるという。そのためには給与・人事・勤怠・就業管理システムにおける機能を追加/変更できる仕組みが重要になると同社は分析する。年商帯によっては、費用に関する項目や法制度対応に関する項目以外のニーズも存在するとしている。

(山本善之介)