Doctors Me(ドクターズミー)- 邦人医師がイグ・ノーベル医学賞!キスと皮膚のアレルギーの関係とは?

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先日、イグノーベル賞の発表がありました。聞きなれない方も多いこのイグノーベル賞とは、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞です。そして、医学賞にキスによる皮膚アレルギー反応の低減を証明した論文に対して、大阪府寝屋川市アレルギー科クリニック院長の木俣肇先生が選出されました。

今回はこのキスと皮膚アレルギーの関係について、医師に解説していただきました。

薬ではなくキスでアレルギーを軽減できるって本当!?

この論文は、アレルギー疾患であるアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎の患者さんそれぞれ数十人の協力を得て、30分間キスをすることで、その前後のアレルギー反応が減少するということを証明した論文です。薬の投与でアレルギーがどうなるかを見た論文は沢山ありますが、「キスをする」ということを調べた物はほとんどなく、またそれを実際にやったという点でも、非常に大きなインパクトがありました。

キスをすると身体の中でどんな変化が起きる?

この受賞の元となった論文[*]は、インターネットで確認することができます。読んでみるとわかりますが、しっかりと生物学・免疫学の知見に基づいた、立派な成果といえます。もちろん、「本当かどうか」と言うことに関しては、他の研究者による追試が必要になりますし、もっと対象を広げて(アトピー性皮膚炎の強さや、年齢性別、人種、文化差など)様々な研究をして同じような結果が出れば、もっと本当らしいということになり、今後の検討が待たれます。

しかし、木俣先生の報告は十分に信憑性が高いと考えています。その理由については、論文の中でも様々に書かれていますが、キスをすることによる情動的な変化(具体的には、交感神経系の変化によるホルモンバランスの変化)が、アレルギーを引き起こす体の反応(具体的には、好酸球や好塩基球といった、血液の中の特殊な白血球の働き)に変化を及ぼすのだと考えられます。

キスがアレルギーに効果的なワケとは?

キスをすることで、副交感神経が有意となり体がリラックスすることになります。これが、アレルギーを抑えるには良いということですね。

今回の検討で話されていませんが、交感神経優位となるような体の状態、例えば、戦闘態勢になるとか、イライラするとか、ストレスがたまっている状態などでは、アレルギー反応が悪くなる可能性が示唆されます。アトピー性皮膚炎をお持ちの方は、そのようなことをすでに実感しておられるのではないかと思います。

医師からのアドバイス

キスをすることでは、アレルギーを軽減できるだけでなく、他人に対して穏やかな気持ちで接したり、より豊かな人生を後れる可能性があります。 ただし、口の中には多数の細菌がありますので、あまり過激な接吻や、傷がある場所へのキスは、感染を起こすことがありますので、ご注意ください。

(監修:Doctors Me 医師)