【インタビュー】ELLY(三代目JSB)「撮影の後、血だらけのまま露天風呂に行きました(笑)」
三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEのELLYさんが初主演映画に選んだ「TRASH/トラッシュ」。腕っぷしを頼りに上京したものの、自分の未来を描けず悶々としながら日々を生きている本堂ケントを熱演する中で、向き合った芝居について、監督との出会いで見つけた演技とダンスの共通点などをじっくりと伺いました。「俳優」にフィーチャーしたインタビューから、ELLYさんのこれまでと「エンターテイナー」としての魅力に迫ります!


『主演と聞いて「マジで?!やばいな」って色々考えました(笑)』




――今回の映画初主演の経緯や、話を聞いた時の最初の思いなどを覚えていますか?

ELLY:マネージャーさんから「こういう作品来てるんだけどどう?」と話が来た時は「主演?マジで!?」とビックリしました。芝居経験が自分は少ないと思っていたので「俺で大丈夫かな」と正直考えましたね。でも、「とりあえず台本を読ませていただこう」と思って読んでみたら、自分が今まで経験してきた所と共通する部分がたくさんあったので、主演という前に「ケントを一生懸命やろう!」という感覚になって、マネージャーさんにも「頑張ってみます」と言ったのを覚えています。

――不安はありつつも「チャレンジしよう」という気持ちが強かった?

ELLY:そうですね。このタイミングで主演っていうのもありがたいですし、「(演技)経験ないのになんで?」ときっとみなさん感じるかと思いますけど、なんか単純にケントと俺がリンクしたんですよね。

――どういう所がリンクしていると感じたのですか?

ELLY:ケントの生き方って、俺の過去にすごく似ているんです。この映画のケントみたいに将来が見えずにくすぶっていた所なんか特に。自分がこの会社(LDH)に入る前とか、ダンスがうまくいかなかった時に感じた思いも共通する部分がたくさんあって「似てる」って思ったんです。


『好きなものなら全力でいけるし、それが結局何かに繋がるんだと思う』




――ケントは地元では負けなしの腕っぷしの強い男でしたが、東京に出てくるとそれだけではどうにも生きていけない、ちょっとくすぶった生活を送っています。それなのに地元仲間からは「東京で成功していてすごい」と言われ、本当の自分を出せず、ジレンマのようなものを感じていますよね。

ELLY:ケントは地元のヤツと一緒にいない間のブランクをすごい感じちゃっているんですよね。「なんか話合わないな。でも俺だって言えないこといっぱいあるんだよ」って。その辛さは俺もなんとなく分かるんです。俺も、東京でダンサーとして活動しだした時、「ダンサーって言いながらお金もそんなに稼いでないし、家賃も払えない、やばい!」っていう時期があったんですけど、地元に帰れば「テレビに出てたじゃん!」とか言われて「あぁ、まあね」とみんなの前では言ってました。でも心の中で「家賃払えてないんだけどなぁ」って思ってたりしたんです(笑)。

――そういう鬱憤やジレンマをバネにして、ELLYさんの場合、自分を変えていくためにどういう方法をとってきたのでしょう?

ELLY: 好き!っていうことが一番なんだなって思います。好きなものに対してだったら全力でいけるし、それが結局何かに繋がるんだと思います。ダンスを始めた時も、ダンスの先生をしていた時も、バックダンサーになった時も、今の仕事も、「これを仕事にする」なんて初めは思ってなかったですから。だからケントもくすぶってないで、好きなもの早く見つけて欲しいって思いますね。

『8時間かけたファイトシーンは、体力の限界を超えた本気のフラフラ…是非見て欲しいです』




――お芝居では、アクションシーンや敵同士の遠藤要さん達との殴るシーンがリアルでしたが、ELLYさん自身がやられていたボクシングの経験は活かされましたか?

ELLY: そうですね…といってもケンカとボクシング、ちょっとだけ違うんです。殴る感じが。男だったら普通にケンカしたことあると思うし、自分も経験ないわけじゃなかったので抵抗なくできました。(遠藤)要さんとのシーンは空気感を作れたので楽しかったです。青春時代に戻ったみたいな(笑)。要さん達とは、敵同士でしたけど、コミュニケーションは普通に取ってましたね。カメラが回っていないところですごい話掛けてきてくれたのでそれがあったからこそ、僕も思い切ってファイトシーンに挑めました。お互い本当に当たったりしたこともあったんですけど現場では「しまった!」「ごめ〜ん!」みたいな感じでしたね(笑)。

――ファイトシーンで印象に残っている思い出とかはありますか?

ELLY: ラストの方で、僕が要さんを持ち上げて叩きおとす所があるんですけど、マジで重かったです(笑)!そのシーンだけで8時間くらい撮っていたので大変だったんですけどリアリティーあるアクションになりましたし、劇中のケント達のフラフラ感は俺たちの体力の限界を超えた本気のフラフラなので、是非見て欲しいです。

――今回は「俳優」という立ち位置なわけですが、ダンスのように体で表現することと、セリフがあって感情を作り表現することの違いや難しさ、逆に楽しさみたいなことは感じましたか?

ELLY: 芯の部分ではどちらもすごく繋ってる部分があるんじゃないかなと思います。僕がダンスを踊る場合、ボーカルの歌詞があって、その歌詞を自分にしっかり落とし込んで踊っているので、「振り付けを踊っている」って感覚じゃないんですよ。自分の中でちゃんと歌っている感じなので、そういう意味では「セリフを自分に入れる」ことは感覚的に近いなと思いました。でもやっぱり、ダンスだったらやりやすい所も、芝居だとどんな風に表現すればいいのかと難しかったですね。だから監督に聞いたり、周りの人にも聞いたり、まだまだ勉強、勉強だなと思いました。


『ELLYのままでいいんだよ!不器用ながらに一生懸命やれ!』




――監督はなんとおっしゃっていましたか?ELLYさん自身に響いた監督の言葉はありますか?

ELLY: 監督は「ELLYのままでいいんだよ!不器用ながらに一生懸命やれ!やれば大丈夫だ、それがケントだから」って言ってくれました。セリフも「言いやすいように言いなよ。その方が相手に届くから」って言ってくれて。「やりたい感じで今はやったほうがいい」とも言ってくれました。

――お芝居の最初の段階でそういう風にやらせてもらえたことは、これから「俳優」としてのいいスタートになりましたね。

ELLY: 本当そうですね、嬉しかったです。演技について監督が俺は憑依タイプだと言ってました。「(役として)入ったらすぐいけちゃうんだよな!」って。技術的にこうやってこうやるとかよりも、「頭で考えないでガンガンやったほうがお前はすごくイイ感じになるから」って言われて。その言葉が印象に残っています。

――降ってくる感覚というか、ダンスにも演技にも共通する部分をELLYさんは持っていたということですね。

ELLY: 本当そうですね、振り付けを考える時も俺、音を止めたりしないんです。音を聞いて、これだ!とフィットしたものがダンスになるからワン・ツーって形で考えないです。そういう意味ではダンスも芝居も感覚でやるタイプかもしれないです。発見できて、監督に出会えてよかったですね。

――今後もELLYさんは男気のある作品がやりたいですか?

ELLY: やりたいですね。男気のある作品は昔から好きだったし『アウトレイジ』みたいな映画大好きです。あと窪塚(洋介)さんの『凶気の桜』とか『池袋ウエストゲートパーク』とか好きですね。憧れるしやっぱり好きだな〜。


『撮影の後、血だらけのまま露天風呂に行きました(笑)』




――最後にPeachyとは「ごきげん」「ハッピー」という意味なのですが、精神的にも体力的にも大変な撮影期間の中で癒やしになったもの、ハッピーになったものはありますか?

ELLY: 撮影が終わってから、(共演者で劇団EXILEの八木)将康と二人で血だらけの体のまま露天風呂に入りに行ったのがすごい“Peachy”です(笑)。

――血だらけのままで!?

ELLY: はい。中にいた5人位のお客さん全員出ていっちゃいました(笑)。だから奇跡的に露天風呂が貸し切りになりました(笑)。ここ最近でかなり気持ちいい風呂でしたね。

――プライベートでハマってることはありますか?

ELLY: アートが好きなので絵とかベアブリックとかKAWSとか、刺激や感銘を受けたものを家に置いておくのが好きです。絵は「俺、本当に才能ないんだな」って思ったのでたぶん集めているんだと思います。「俺絶対できないわ、これは!」みたいな物と出会うと買ってます。


「TRASH/トラッシュ」は10月24日(土)よりロードショー。
「TRASH/トラッシュ」公式サイト:http://www.trash-movie.com/

撮影:金子真紀
取材・文:木村友美
制作・編集:iD inc.