米無人機、殺害した9割以上が「標的ではない」:「第2のスノーデン」のリーク

写真拡大

エドワード・スノーデンによる情報を掲載してきたニュースサイト「Intercept」が、米国の無人航空機攻撃に関する秘密文書を公開した。殺害された者の90パーセントが標的以外の人々だったことなどを示す資料だ。

「米無人機、殺害した9割以上が「標的ではない」:「第2のスノーデン」のリーク」の写真・リンク付きの記事はこちら

ニュースサイト「The Intercept」は10月15日(米国時間)、アフガニスタンやイエメンなど諸外国の標的を殺害することを目的とした米国の無人航空機(UAV)攻撃に関連する新たな文書を公開した

無人機作戦を行っているCIAと統合特殊作戦コマンドに関するこの暴露には、例えば、2012年の5カ月間における米国無人機による殺害のうち、実に90パーセントがもともとの標的以外の人々だったこと(北アフガニスタンでは155人が無人機で殺されたが、そのうち標的とされていたのは19人であり、残りの136人については「EKIA(enemies killed in action)」と分類されていること)や、誰を攻撃対象にするかを米国政府が選ぶ恐ろしいプロセス(個人ターゲットのプロフィール情報リストは「ベースボールカード」と呼ばれていた。また、攻撃は携帯電話のSIMカードを対象として行われることが多い)や、最終的には大統領へとつながる承認の指揮系統の詳細を示す一次証拠などが含まれている。元英国民だった人物が、彼を捕獲する機会はたびたびあったにもかかわらず、無人機による攻撃で殺害されたという情報もある。

Interceptは、エドワード・スノーデンが所有する国家安全保障局(NSA)の文書の残りを分析・発表することを目的のひとつとして開設されたメディアだ。開設には、スノーデン・レポートを『ガーディアン』紙に掲載したジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドらが関わっている。

関連記事:エドワード・スノーデンがかつて掲示板に書き込んでいた、銃・ゲーム・政府

Interceptによると、今回の新しい情報は、匿名の単独内部告発者から入手したものののようだ。

Interceptが、スノーデン氏に次ぐ極秘情報の情報源とつながったという報道が初めて浮上したのは、2014年秋のことだった。Interceptの共同設立者であるローラ・ポイトラスが監督を務めた映画『Citizenfour』のラストシーンでは、グリーンウォルド氏がモスクワにいるスノーデン氏に会い、米国の無人機プログラムに関する情報を握っている新しい情報源のことを彼に伝えている。

このシーンのなかで、グリーンウォルド氏はスノーデン氏に対して、無人機攻撃の指揮系統の略図を描いてみせている。その指揮系統は大統領で終わっており、10月15日に発表された記事に含まれているものと非常によく似ている。

Interceptと、親会社のFirst Look Media(eBay創業者のピエール・オミダイアが創立)は、世界最高レヴェルのセキュリティースタッフを擁している。例えば、グーグル社員だったセキュリティー研究者、モーガン・マーキス・ボイアや、匿名化ネットワーク「Tor」(日本語版記事)を開発したエリン・クラーク、電子フロンティア財団(EFF)に勤務していた技術者、マイカ・リーたちだ。

さらにInterceptでは、大半のニュースサイトをはるかに超えるレヴェルで、情報源の身元を保護している。暗号化ソフト「Pretty Good Privacy(PGP)」や、匿名アップロードシステム「SecureDrop」などのツールを駆使しているのだ。

しかし、こうした方策が有効であるかどうかはわからない。Yahoo Newsは2014年に、FBIはInterceptへの「第2の情報漏洩者」を特定しており、犯罪捜査の一環としてその人物の自宅を捜索したと報じた

しかし、もしこの情報漏洩者に対する家宅捜索が実際に行われていたとしても、Interceptや内部告発者を失速させるにはいたらなかったようだ。この報道から1年後のいまも、逮捕や起訴は公表されておらず、Interceptはこの新たな情報源から、これまでで最大と思われる暴露を今回発表したことになる。

オンラインメディア『Motherboard』によるUAVについてのレポート動画(2012年12月5日)。

TAG

AfghanistanDroneStrikeEdward SnowdenMediaWIRED US