エボラ、実は消えていなかった:感染のロングテール

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10月14日に発表された「エボラ再発」のニュースが示すのは、この病いがまるでモグラ叩きのように潜んでは現れる脅威をわたしたちに及ぼす、ということだ。

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病気の大流行は、いったん鎮まったとしても完全に取り除く作業は困難で、まるでモグラたたきゲームのようなものだ。

エボラ出血熱の場合の「モグラ」は、科学者がようやく理解し始めたばかりの、あの恐ろしく残酷なウイルスである。ロンドンにあるロイヤルフリー病院は10月14日に、今年の西アフリカでのエボラ流行時にシエラレオネで勤務していたスコットランド人看護師、ポーリン・カファキーを治療処置していると発表した。

治療しているのはエボラ出血熱による「通常では起きない後天性の合併症」だという。どの程度かわからないが、9カ月前に感染したエボラウイルスは、彼女が体を回復した後も再び勢いを増しているのだ。

今回のケースは残念ではあるが、しかしまったくありえない話ではない。エボラ出血熱の流行は最悪の状況を脱したとしても、病気から回復した人、新たな患者、そして報道のなかでウイルスは再生を続けている。

エボラはこの24時間のうちに2人のギニア人を襲った。『New England Journal of Medicine(NEJM)』から出された論文では、あるエボラ患者に最初の症状が現れたのち、ウイルスのRNAを追跡するため約9カ月監視されていると伝えられている。この患者はいまでは深刻な症状にはないとはいえ、背中の痛み、難聴、髄膜炎、発作など、体内にあるウイルスが原因のさまざまな病状に苦しんでいる。

WHO(世界保健機関)はエボラの影響がない地域として確定する基準を「新たな患者が42日間現れないこと」としているが(この基準からすると、ギニアはまだ数週間後で該当しない)、その期間は見直した方がいいのかもしれない。もしくは、エボラの影響がない地域という考え方自体を見直すべきではないかとカリフォルニア大学サンフランシスコ校のエボラ研究者であるダン・ケリーは述べている。

モグラの例え話を応用すると、くせのあるウイルスは免疫システムの力の及ばない「穴」に集まる。穴とはつまり、眼球、脳、睾丸、さらには精子などで、そこで数カ月間じっとしたあとに細胞を複製し、宿主に問題を引き起こす(NEJMが発表された別の研究によると、エボラはセックスにより感染するという報告が科学者グループによりなされている。つまりそれは、まったく異なる別のリスクがあることを意味する)。エボラが体内でどれくらいとどまっているかについては、科学者も確信をもてていない。

たとえエボラ出血熱による感染を一度撃退したとしても、このウイルスは体内にあって増殖できる。それはとても恐ろしいことだと、ケリー氏は言う。

「免疫システムの働きは病気の治療という意味では不十分です。ポーリン(・カファキー)の助けとなる治療をすることで、彼女のエボラ出血熱を治癒できるのか、それはおそらく分からない」

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