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内田洋行は10月15日、都内で「内田洋行 ITフェア 2015 in 東京」を開催。このイベント中では、10月5日にスタートとしたマイナンバー制度に関するセミナーを開催。牛島総合法律事務所 パートナー 弁護士 影島広泰氏が「いったい他社はどう取り組むのか? マイナンバー法に対応した情報管理と企業が取り組むべきテーマ」と題して講演を行い、実務上の重要なポイントについて解説した。

○マイナンバーの本人確認

いよいよ10月5日からマイナンバーの配布作業が開始され、企業も番号の収集・保管作業をスタートさせる。ここで重要なのは、本人確認だ。

影島氏は本人確認の役割について、「本人確認では、番号確認と身元(実在)確認の2つをやらなくなくてはなりません。番号確認では、提出書類の番号を書き間違えていないという番号自体の確認、身元確認は、本人が実在するかということを、顔社員付の身分証明書で確認することです」と説明。

身元確認するための書類としては、

?来年1月から希望者に配布されるICカード「個人番号カード」1枚で行う場合
?10月5日から配布が開始される通知カードと、運転免許証 or パスポート等で行う場合
??の通知カードの代わりに住民票を利用する場合

の3つがあるという。すでに10月5日以降の住民票にはマイナンバーが印字されており、通知カードの到着を待たずに、自分の番号を確認することが可能だという。

社員の中には、通知カードのなくしてしまったという人も出てくると思うが、その場合は、住民票で代用できるということだ。

また、代理人に本人確認の提出を委託する場合は、上記の本人の番号確認書類のほかに、委任状(代理権の確認)と代理人の身元(実在)確認書類(運転免許証 等)が必要だという。

影島氏は、身元確認で具体的に何をするのかについては誤解している人が多く、顔を見比べることではなく、個人識別事項(氏名、および住所または生年月日)と、身元(実在)確認書類に記載されている個人識別事項が一致しているかどうかを確認することだと説明した。

企業は、従業員本人だけでなく、配偶者や扶養親族のマイナンバーを集める必要もあるが、影島氏は「こちらにほうが難しい」と指摘した。

基本的には、企業は従業員本人を通じて家族の番号を収集することになるが、この場合、従業員は家族の代理人ということになるので、本人分の種類以外にも、前述した代理人として書類の提出が必要になるという。またこの場合、従業員に対して会社が行う業務を委託するという手続きになるため、従業員に対する「委託する」という文書と、従業員が情報漏えいしないよう監督する義務が必要になるという。

ただ影島氏によれば、もう少し簡単に家族のマイナンバーを集める方法があるという。それは、毎年、年末調整用の資料として提出する「扶養控除等(異動)申告書」を利用する方法だ。「扶養控除等(異動)申告書」には、平成28年度から家族の番号を記載する欄が設けられるので、ここの家族分の番号を記載してもらえば、家族分の番号を取集できるという。

この方法がなぜ簡単なのかといえば、「扶養控除等(異動)申告書」は従業員本人に作成義務があるため、家族の番号収集を集める義務は従業員本人に発生し、会社は、従業員の本人確認のみで済むためだという。

○ マイナンバーで収集における実務上の注意点

セミナーの中では、マイナンバーで収集における実務上の注意点として、マイナバーの番号が変更(情報漏えい等により)された場合と、番号の提出を拒否された場合の対応についても解説された。

マイナバーの番号が変更された場合、企業はそれをどうやって把握するかについては、マイナンバーが変更されたときは事業者に申告するように従業員などに周知しておくことが重要で、番号を収集する際に従業員に配布する文書に、このことを記載しておくとが重要だという。

一方、番号の提出を拒否された場合の対応については、法定調書にマイナンバーを記載することは会社の義務なので、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを番号を収集する際に従業員に配布する文書に記載することが重要だという。その上で、なおも提供を拒まれた場合には、空欄のまま提出し、経緯を記録・保存し、書類の提出先である行政機関等の指示に従えばよいという。

(丸山篤)