生前贈与のメリット・デメリットを税理士に聞いてみた

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今年の1月から相続税が増税されたが、皆さんはご存知だっただろうか? というのも、少しでも税負担を減らす方法として、いま生前贈与の関心が高まっているという。年齢が若いと生前贈与と聞いても、あまりピンと来ない人も多いだろう。だが、まだまだ健康で現役ながら、今のうちから生前贈与を始めようと思っている人もいれば、親御さんから話を聞かされている人もいるかもしれない。
そこで今回は、生前贈与に詳しくない人でも内容を把握できるように、生前贈与のメリット・デメリットについて税理士の大黒崇徳さんに教えていただいた。

■生前贈与をすると何か得なの?

そもそも生前贈与とは、生きているうちに財産を譲ることである。相続財産を生前のうちに渡すことで、相続財産を減らして相続税を減らすことが目的である。冒頭にもあるように、今年から相続税が増えたため、相続税の負担を少しでも減らすために、いま生前贈与の関心が高まっているというわけだ。

では相続税の節税となる以外に、生前贈与のメリットはどんなことが考えられるのだろうか? 大黒さんに主要なポイントを挙げていただいた。

・相続人だけでなく、孫や子どもの配偶者などにも贈与ができる
・相続争いを事前に防ぐことができる
・将来の葬儀資金や納税資金の準備ができる
・代償分割時に原資として利用できる
・遺言より確実に自分の思い通りに財産を渡せる
・若い人への贈与は資産の有効活用になりうる

ちなみに代償分割とは、自宅など遺産分割が難しい場合によく利用されるという。例えば相続人が長男、次男の合計2人で、主な相続財産は自宅(長男同居)、次男は持ち家有りだった場合、長男が自宅を相続するケースがほとんどなのだそうだ。

「不動産を共有してしまうと、将来売却や賃貸などにする際に、もめるケースがあるため、不動産は共有しないことが基本です。しかし、次男は何も相続できずにいるので不満が出ます。そのような場合、長男は次男に相続財産の代わりにポケットマネーで釣り合うお金(代償金)を支払います。このような相続の仕方を代償分割といいます」(大黒さん)

■一方の生前贈与のデメリットは?

では反対に、生前贈与のデメリットについてはどうだろうか。同じく主要なポイントをいくつか挙げていただいた。

・亡くなる3年前の贈与は相続財産として持ち戻し課税される
・誰に、いつ、どれくらい、贈与しているか理由を含めて、事前に関係者に話しておかないと、もめる要因となる(=誰かに偏った贈与があった場合はもめる要因となる)
・贈与し過ぎて自分の生活費が困窮する恐れがある
・贈与の相手が若い場合、財産を散財しかねない。子どもの教育によくない場合もある
・贈与の用件を満たしていないと、贈与として認めてもらえない

贈与の用件というのは、下記の通りである。

・贈与契約書を作成する
・金銭の場合は、銀行口座間で痕跡を残す
・110万円を超えた場合は、贈与税の申告をする
・通帳、銀行印、キャッシュカードは贈与された人が管理する(銀行印は各自毎に分けておく。同じものを使わない)

いかがだろうか。詳しくない人でも、簡単に生前贈与のメリットとデメリットがザッと把握できたのでは? さらに詳しい情報が知りたい場合は、身近な税理士さんに話を聞いて生前贈与の知識をより深めてみてはいかだろうか。

専門家の意見は上記だったが、皆さんはいかがだろうか? 「教えて!goo」では「あなたは生前贈与を考えたこと、ありますか?」と皆さんの意見を募集中だ。

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)