3つのレストランを併設した新潟県の「カーブドッチワイナリー」

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「ネットで発売後、5分で完売」「星付きレストランのソムリエが在庫を全て買いしめた」。

 これらは日本ワインを巡るホントの話。国産ぶどう100%で造る“日本ワイン”の人気が過熱中だ。畑や醸造施設を公開しているワイナリーも多く、現地へ足を運んで試飲や見学をする人も増えている。

 小売店では専門コーナーが設けられ、飲食店での取扱量、種類ともに増え続けている日本ワイン。

「人気の理由はまず、おいしくなった。質が上がったからです」と、フード&ワインジャーナリストの鹿取みゆきさんは断言する。

「1980年代から始まったワイン用のぶどうの栽培は、30年以上かけて試行錯誤した結果、ここ10年ほどで質の高いものが生産できるようになりました。海外で醸造を学んだ人など造り手が個性的で情熱的な点も、品質の向上につながっています。また、元医師や金融業など異業種から参入する人が増えており、彼らも非常に面白いワインを造ります。

 最近は、SNSで造り手が作業の様子などを発信することも多く、それを見てワイナリーに足を運んで畑を見学したり作業したりする“サポーター”も増えました。人が集まれば、レストランやお店、宿泊も…と施設が充実してきます。そんな一日楽しめるワイナリーにも、いま注目が集まっています」

 その背景にあるのは価値観の変化だという。

「ひと昔前は、ワインをブランドや価格の高さで選ぶ人が多かったのですが、震災後、価値観が変わってきました。ワインに対しても、日本の土地や風土を大切にして行こうという意識の人が増えましたね」と、鹿取さん。

 ワイナリーを訪ねて日本ワインを味わい、その土地や生産者を身近に感じる。そんな、ワインとの新しいつき合い方がいま注目されている。

撮影■玉井幹郎

※女性セブン2015年10月22・25日号