本物の蕨もちがここに!東大キャンパス内にある「廚 菓子 くろぎ」に行ってみた!

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日本一有名な大学である東京大学。なんとそのなかに和菓子店があるという。


東京大学春日門を入るとすぐに見える建物。東大ともなると食堂もこんなにかっこいいのか、、と前を通り過ぎようとするとテラス席でなにやら美味しそうなものを食べている人たちがいました。

もしやここが、、、?


廚 菓子 くろぎの建築デザイン

そう、このお店こそ今回紹介する「廚 菓子 くろぎ」。なんと和の鉄人として有名な黒木純さんがオーナーシェフを務める湯島の日本料理店「くろぎ」の姉妹店なんです!


思わず足を止めてしまうようなデザインは建築家で東京大学の教授でもある、隈研吾氏によるもの。日本だけでなく海外でも有名な隈研吾氏の名前から、お店を一目見ようと訪れる外国人観光客も多いそう。


蕨もちに珈琲がセット?!

外観だけでなくメニューも個性が光ります。なんと和菓子店なのに、メニューには珈琲の文字が。和菓子といえば抹茶というのが常識という考えを持つ日本人ですが、このお店の推しはあくまでも珈琲。


こちらがセットの珈琲です。和風の食器に珈琲とは、なんとも新鮮ですね。運ばれてきて、手に持ってみると湯飲みはほんのり温かい。一般的なマナーなのかもしれませんが、小さな気遣いがとても嬉しいです。

さて、こちらの珈琲なのですが、普通の珈琲ではなく和菓子に合う珈琲なんです。


恵比寿「猿田彦珈琲」による至高のオリジナルブレンド

和菓子に珈琲を合わせよう!!と決めたものの、和食店に珈琲に詳しい人はいません。そこで極上の珈琲を提供している猿田彦珈琲さんに珈琲についてご教授頂き、のちにコラボすることになったそう。お店には毎日猿田彦珈琲のバリスタさんが常駐しています。珈琲豆は濃口と淡口の二種類。私は濃口を注文しました。和菓子に合う珈琲を飲みきってしまってはもったいないので、目の前にしながらメインの登場を待ちます。


蕨もちがやってきた...!


ふたを開けずともわかりますよね。絶対おいしいに決まってる、、、。本物のお花が添えられていてドキドキとトキメキが止まらない。

塩物は京都で有名なすぐきの漬け物。和三盆のお干菓子にはくろぎのマークが。


では、開けます。


きらきらと輝く蕨もちと、二色のきな粉が本当に美しい。

開けた瞬間、見たことのない景色を、初めて目の当たりにしたような気持ちになりました。すぐに食べたい!ではなく、眺めたい!と思いました。もう、うっとりです。


まずは何もつけずにいただいてみます。つるんとした舌触りと驚きの弾力、目を閉じて食べたいほど素敵でした。

それにしても気になりますよね、この色。蕨もちが黒い...?


一般的に売られているわらびもちは、さつまいもやタピオカなどから取れるデンプンを使っているため、透明になります。しかし本当の蕨もちは希少な本蕨粉のみを使用するため、このように綺麗な黒色となるのです。

練りたてを提供しているため、おいしいのは30分。そのあとは硬くなってしまいます。お箸で掴むと「嘘だろ!?」ってくらいに伸びます。切れてしまうのではと不安になりますが、その弾力を甘くみてはいけません。


いろいろな味が楽しめる

蕨もちといえば、黒蜜ときな粉を両方かけていただくことが多いもの。しかしこのお店のきな粉はひと味もふた味も違いました。


きな粉には甘みがあり、ほんのり塩気を感じます。蕨もちをしっかりときな粉で包めば、口いっぱいに風味が広がります。


次は抹茶風味のうぐいす粉を。苦味の効いた抹茶の味に最初は少し緊張しますが、あとに来るすっきりとした甘さに優しく包み込まれます。

甘いきな粉やうぐいす粉に黒蜜をかけたら、甘すぎる?なんてことはありません。 むしろ蜜を含んだきな粉は口どけがよく、すぐに消えてしまうほどでした。


魔法の黒蜜、あとでスプーンをもらってなめたことは内緒です。


珈琲のことを忘れていました...

すっかり珈琲のことを忘れていました。というより、気づかないほど自然に飲んでしまっていました。フルーティーでさっぱりとした酸味のある珈琲は、鼻に抜ける香りが印象的。まさに和菓子を引き立てる珈琲でした。

廚 菓子 くろぎには料理人と和菓子職人とバリスタがいます。なかなか交わることがない3種類のスペシャリスト。他のメニューで実践されている、あんこに醤油を足す発想、おはぎにはカフェラテが合うという発想。これはこのお店でしかできないことです。


9月に大人気だった和栗のかき氷に続き、10月はかぼちゃのかき氷が期間限定で登場。
そして寒い季節に食べたくなるものといえば!おぜんざい。こちらのお店では七輪でお餅を焼いて食べるおぜんざいが冬限定でメニューに加わります。絶対に食べに行きたい!

蕨もちと珈琲のセットは2050円となかなか贅沢な値段ではありますが、それ以上の味と満足度があると確信を持って言えます。気になる人はぜひ行ってみてください。


廚 菓子 くろぎ

住所:東京都文京区本郷7-3-1

   東京大学春日門内 ダイワユビキタス学術研究館 一階

営業時間:9:00〜19:00(18:30L.O.)

定休日:不定休(大学の入試など)

執筆:丸 美月

大学二年生

和菓子と豆とカメラが大好き。