「就活の面接では本音を」て、そんなもん言えるか!【山本ゆり爆笑エッセイ&レシピ】
 累計350万部突破のベストセラー料理本『syunkonカフェごはん』シリーズ。著者・山本ゆりさんのブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」は月間600万PVを誇り、レシピはもちろん、添えられたエッセイがめっちゃ笑えるとして大人気なんです。

 あまりに面白いので、このたびエッセイ約90編+αを集めた『syunkonカフェ雑記 クリームシチュウはごはんに合うか否かなど』が刊行されました(レシピ付き)。

 今回のエッセイは、就職活動をしたことがある人ならニヤニヤしてしまう一編です。

◆エッセイ「第三希望が御社です」

 街を歩いていると、就職活動中の学生さんをチラホラ目にします。
黒いリクルートスーツに白いシャツ、髪もキレイにくくってケータイをいじって…

 自分も数年前に経験しましたが
就職活動というのは、やった人にしかわからない独特の雰囲気がある気がします。
突然「自分とはどういう人間か」という質問を投げかけられ(丸顔で猫背で八重歯です)
将来のことなんて何も考えず暮らしていたのに、5年後、10年後の自分を想像し
そこから逆算して職業選びの軸を決め(「トマトケチャップが好きだからカゴメに入りたいんです」ではアカンらしいと気づき)
毎日いろんなことを深く深く掘り下げて考えて頭ゆだってたわ。

 面接でも名前や長所、志望動機だけを聞かれるわけじゃないんですよね。
●学生時代に頑張ったことは? どんな苦労がありましたか? それをどう乗り越えましたか? それによって何を得ましたか?
●自分を動物に例えると? それは何故ですか?(他にも色、漢字、モノなど)
●自分にキャッチフレーズをつけてください。

 いやいや
キャッチフレーズなんて絶対つけたくないけど真面目に働きます、って言いたい。

「自分を色に例えるとなんですか?」っていう質問に関して、ある女の子が
「紫です。私は基本的に冷静な青で、何事もまず頭で考えてきちんと計画してから行動に移すタイプです。でも時々自分でもびっくりするほど衝動的に体が動いてしまう赤の部分も持っているんで、それを混ぜ合わせた紫です」みたいなことをもっと深く掘り下げて言っているのを隣で聞いていて、感動しました。(最初紫て聞いた時「欲求不満で…」言うんか思たからな)

 色は私も1回だけ聞かれたことがあって。
考えて考えて搾り出した答え
「…ベージュです」
しかも理由聞かれて(そら聞くわ)
「なんにでも合わせられるんで。(もはや服選びの問題)
でも、黄色ってほどじゃないんで。
黄色ってほど立派じゃないんで…」
黄色=立派って何やねん。
さらりと流されました。
いいねん。こういうのはさらりと流してくれ。(受かる気ゼロか)

 この手の質問はうまいこと言えてるどうこうじゃなくて、課題に対してきちんと真面目に取り組んでるか、自分を客観視できているかが重要なんです。
ってとこまでわかってるくせに恥ずかしくて言いたくなかったわ。

 会社によっては
●30分間自由に自分を表現する(それをビデオに撮られてみんなで見る)とか、
●みんなで劇をするとか
もはや拷問のようなことをさせられたり。いや、やらせていただけたり。(就活生)

 グループ発表の順番なんかも、絶対最初に発表なんてしたくないのに?じゃんけんで勝ったグループから?なんですよね。
一度グループ代表でじゃんけんした時、勝ってしまって思わず「うーわ! ごめん!!」って言ったらみんな「やったー!」って言ってて就活の闇を感じたわ。

『面接ではあなたの本音を聞かせてください』
『ありのままのあなたでぶつかってきてください』

「私はいつまでも学生でいたいんです。でもそんなこと許されるわけもないし、お金が必要だし、気づけばみんなが就職活動をしていたので流れに乗っかっています。だからそんなに強い意志もないし、自身の成長にもあまり興味はなくて。とりあえず給料、勤務地、休日なんかの条件が自分の許せる範囲の会社に何十社とエントリーして、第三希望が御社です。どうぞよろしくお願いします」