母乳はいつまであげるべき?母乳育児を続けるメリット・デメリット

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母乳育児をしているママにとって、母乳の終わりの日をいったいいつにすればいいのかという問題は悩みの種ですよね。

できれば、子どもが自然におっぱいから離れる卒乳を選びたいけれど、おっぱい星人の我が子はまだまだ離れることはなさそう…など、「本当のところ、いったいいつまであげてよいの?」と疑問を持っているママも多いのではないでしょうか?

今回は、「母乳育児のやめどき」についてご紹介します。
“母乳をやめる時期”の現状
日本では、母乳育児は大体1歳をすぎると終わりという風潮がありますよね。

しかし、卒乳の時期の世界平均をご存知でしょうか?

WHOとユニセフの発表によると、なんと卒乳時期の世界平均は、「4歳2ヶ月」だそうです!

さらに WHOは2歳以上の幼児への授乳も推進しているんです。

日本人にとっては、ちょっとびっくりする結果ですよね。

近年、日本でも母乳育児推進の病院が増え、子どもが望むならば何歳でも授乳してよいといわれることも増えました。

しかし、数年前までは、母子手帳に「満1歳が断乳の目安の時期」と書いてあったこともあり、まだまだ断乳時期の主流は1歳前後と言えます。

それでも授乳を続けていると、1歳半健診や発達相談でそれとなく断乳をすすめられたり、ママが風邪などで受診したときに、医師から断乳をするよう言われたりということもあるようです。

母乳育児を続けるつもりでいても、そんな周りからの一言に気持ちが揺らいでしまいますよね…。

では、母乳育児を続けていくことへのメリットとデメリットを次はご紹介します。
1歳以降も母乳育児を続けることへのメリットとデメリットと対策
▼メリット

<免疫がつく>

1歳を過ぎると母乳の栄養は無くなるといわれることもあるようですが、母乳を長く飲めば飲むほど免疫力が高まり、将来的な病気のリスクも低下するということが近年の研究でわかってきています。

<イヤイヤ期を乗り越える際の武器になる>

2歳前後から始まるイヤイヤ期でも、おっぱい大好きっ子はおっぱいの前では素直になります。怒ってしまったあとの仲直りのときなどに活用できるので、ママの負担も軽減できます。

<親子のスキンシップが減らない>

幼児期の親子のスキンシップは、子どもの人格形成においてもとても重要です。スキンシップをしっかりととると、子どもの信頼感や学習能力、ストレス耐性などが育つといわれています。

▼デメリット

<虫歯になる可能性が高まる>

母乳を飲み続けると虫歯になりやすいといわれていますが、実際は母乳と虫歯の因果関係ははっきりとしていないのが現状。母乳そのものが虫歯の原因になるというよりは、食べ物のカスと、母乳の乳糖がくっつくと虫歯の原因になるようなので、食べカスをきちんと歯磨きで落としておけば大丈夫。

<母乳ばかり飲んで、ご飯を食べない>

子どもが母乳を欲しがるタイミングを理解して、先に離乳食をあげましょう。例えば、ママがソファーに座ってリラックスした瞬間に欲しがる子どもなどの場合は、ソファーに座る前にご飯にするなどという風にコントロールするのがベストです。

<夜中に起きる>

授乳での寝かしつけが定着していると、夜中に何度かおっぱいを探して子どもが起きてしまう場合があります。夜中の授乳は、乳幼児突然死症候群のリスクを下げるといったメリットや、母乳を出し続けやすくするといったメリットがあります。しかし、ママの体に負担になるようであれば、授乳での寝かしつけはやめ、昼間だけの授乳などにするとよいでしょう。
周りに流されて授乳をやめないで!
1歳以降も母乳育児を続けたいのであれば、一番ネックなのが周りの目です。

「1歳を過ぎたのにまだおっぱいあげているの?」「授乳をしているから、わがままなんじゃない?」「もう栄養なんてないし、大きいのにおっぱいあげるなんて気持ち悪い…」などなど、授乳を続けていることへのグサッとくる言葉をかけられる時があります。

もし、授乳を続けていきたいと考えているのであれば、周りの言葉は聞き流すにかぎります。

人前で子どもにおっぱいが欲しいと言われるのを避けたい場合は、欲しいときの合い言葉などを決めて、こっそりあげるのもいいかもしれません。

職場復帰などで昼間の授乳が難しい場合は、できるだけ家で一緒にいられる時間にあげるとよいでしょう。

母乳育児のやめどきは、ママと子どもで決めたタイミングがベストです。

母乳育児を続けていく上での悩みのひとつ「授乳のやめどき」についてお話してきましたが、医学的には何歳までといったものはありません。

大切なのは、ママと子どもが納得してやめること。

子どもにとってもママにとっても素敵な時間を共有できる母乳育児ですから、周りに流されて後悔しないように、卒乳まで母乳育児をたっぷりと楽しむことができると素敵ですね。

<プロフィール>

たいらまお

フリーライター

大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学ぶ。大学卒業後、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。現在は帰国し、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。

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