桃井かおり、最新監督作は自宅で撮影「近所中が協力してくれた」

写真拡大

 女優・桃井かおりが監督・脚本を務めた映画の撮影風景を追ったメイキング作「Hee and She 映画『火 Hee』を作った日々」が10月16日、京都で開催中の京都国際映画祭2015で上映され、桃井をはじめプロデューサー・演出家の奈良橋陽子氏、俳優・プロデューサーの野村祐人、原作者の中村文則氏、同映画祭総合プロデューサーで同作の製作も手掛けた奥山和由氏、アンバサダーの板尾創路がよしもと祇園花月での舞台挨拶に出席した。

 芥川賞作家・中村氏の「火」が原作の映画「Hee and She」。当初は同映画祭で本編を公開する予定だったが、完成が間に合わなかったためメイキングが上映された。国際的に活躍する面々がそろった壇上では、同作の秘話や、日米の製作手法の異なりなどの話題が上がった。

 本作は、米ロサンゼルスの桃井の自宅で撮影を敢行。リビングなどに照明や美術を配置しており、桃井は「どうやって予算を削減するかとなったら、自分の家を使うしかない。隣がこの映画のカメラマンの家と、エンタテインメントの弁護士の家。近所中が協力してくれました」と告白した。さらに「本当に映画を撮りたくて作りたくて、なかなかお金の問題だったりいろんなことがあって、全部の映画が潰れてしまった」と苦労を語り、「でもとうとう幸せな映画が撮れて、本当に感謝です。絶対にいい作品になっていると思います」と胸を張った。

 原作者の中村氏は「原作者ではあるんですが、一観客としても冥利に尽きる。見た後はずっと感動しています。本当に嬉しかったです」と感激の面持ち。そして奥山氏は「『絶対映画にならない作品をください』と言って頂いたのが『火』だった。『これを映画にする人、いないでしょ』と言ったら、『そうですね』と」と製作経緯を振り返り、桃井は刺激的な内容の原作に対し「作家・原作がこれだけ冒険しているのなら、普通の映画にするわけにはいけないとしみじみ思いました。こっちも相当挑戦しないと」と称賛した。

 また、「終戦のエンペラー」を手がけた野村は、アメリカと日本の製作現場を比較し、「ローバジェットであろうがビッグバジェットであろうがやることは一緒ですが、発想もシステムも違う」とキッパリ。「カメラマンの発想も、ディレクションが入ってくる。日本だと『こんな感じでいいですよね』とパターンで撮っている。向こうは逆に『こうやったらこうなります』と監督とのセッションが始まります」と説明した。「SAYURI」以降、活躍の拠点をハリウッドに移した桃井も、「日本の俳優さんはいっぱいの人を(現場に)連れて来る。それが、アメリカはどんな偉い俳優さんも1人で来る。マネージャーさんもついてこないんですよ」と同調していた。