■連載/綿谷さちこのクレカの強化書

 ここ23年、海外で開催される発表会によく出掛けるようになった。そんな海外旅行時に悩ましいのが、現地通貨にいくら両替するかだ。多すぎて余るのはムダだし、とはいえ現地で足りなくなるのも困る。クレジットカードで支払えば乗り切れるものの、ちゃんとしたお店でないとセキュリティ面で不安なので、使いたくても使えない……。

 そこでほぼ使い切りにできる両替金額を試算すべく、「晩ご飯は15000円として、あと観光で1万円くらい、お土産には……」などと、頭の中でぐるぐる考え始めるのだ。しかしどれほど綿密に試算しても、実際には足りなくなったり、はたまた100ドル以上を余らせてしまったりと、なかなか計算通りにはいかないもの。何かいい方法はないかと考えて、「海外専用プリペイドカード」を使ってみることにした。

 「海外専用プリペイドカード」とは、あらかじめカードにお金を入れておくと、海外のATMから現地通貨でお金が引き出せるというもの。引き出す時の手数料はそれほど高くなく、カード発行手数料や入会金、年会費なども無料のものが多い。しかも為替相場が円高の時に現地通貨に両替しておくと、海外で引き出す時に得できるのも魅力だ。

 現在、5社程度がカードを発行しているが、その中からジャックスが発行している『Visa TravelMoney “Gonna”』に入会してみた。このカードを選んだ理由は、普段、ジャックス発行の『KAMPO STYEL CLUB CARD』を使っていて馴染みがあったこと。カードの券面画像がシンプルで気に入ったことなどからだ。

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海外で便利に使える『Visa TravelMoney “Gonna”』カード

 Gonna(ゴナ)』カードの入会申し込みはWEBから行なう。メールアドレスやパスワード、住所、性別、生年月日、職業などを記入して申し込むと、1週間程度でカードが届いた。

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Gonna(ゴナ)』カードの入会申し込み画面。プリペイドカードなので、クレジットカードの入会時のような年収などの記載は不要

 早速、会員ページにログインしてみる。海外でお金を引き出すためには、みずほ銀行に設けられた自分の専用口座にお金を入金する。そして円高が叫ばれる中、比較的、為替レートが安めの時に、ユーロに両替しておいた。いつもはほとんど為替に関心はないが、この時ばかりは少しでも得しようと、『Yahoo!ファイナンス』をマメにチェック。「今!」という時を自分なりに見計らって、ユーロに交換した。

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トップページから「外貨両替」のページにアクセス。事前にシミュレーションして円を米ドル・ユーロ・豪ドル・英ポンドに両替できる

 さて海外への渡航当日。羽田国際空港のゲート手前の三井住友銀行の為替レートを見ると、1ユーロは139.44円になっていた。私は事前に134.17円で両替したので、結構、お得になったかも!

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取りあえずの手持ちとして、1ユーロ139.44円のレートで3万円分を両替した。210ユーロと端数718円になった

 ちなみに羽田国際空港にはゲートを入ったところにも両替所があるが、私が確認した日はゲート手前の三井住友銀行を利用する方がお得だった。

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今年3月のある日の為替レート。三井住友銀行(上)は1ユーロ139.24円で、ゲート内の両替所(下)は141.54円だった。ただ三井住友銀行はいつも混んでいるので、少額を両替するならゲート内の方が便利かもしれない。仮に1万円を両替したとすると、違いは端数の162円になる。う〜ん、やはりこの違いは大きいか!?

 空港内の三井住友銀行で取りあえず3万円を両替し、ドイツのベルリンへと旅立った私。現地で思いのほか、たっぷり観光できたおかげで、あと2日の段階で手持ちのユーロがなくなってしまった……。いよいよ『Gonna』カードの出番だ!

 「Visa」や「PLUS」のロゴマークのあるATMを探すと、現地のATMにはたいてい「Visa」の文字があった。操作も実に簡単で、カードを入れて暗証番号を入力すると、あとは引き出し金額を選ぶだけ。引き出し金額はあらかじめ入力されていたのでそこから選んだが、「other amount」で好きな金額を選べたことに後で気付いた。

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最初に言語を選択。さすがに日本語にはできなかったが、英語にすれば特に不便なく操作できた

 利用できるATMは街中を歩いていればすぐに見つかったし、引き出しの操作も実に簡単で、あっけないくらいだった。これで手数料は200円なので、海外旅行時に「海外専用プリペイドカード」はアリだ。ここで海外で現地通貨がなくなった時の、そのほかの対処法を考えてみよう

1 現地の両替所で日本円から両替
2 現地のATMでクレジットカードでキャッシング
3 現地のATMでキャッシュカードから引き出し

 金銭面で言うと1が一番安くて済みそうだが、空港ならともかく、街中で両替所を見つけるのは面倒な場合が多い。以前、韓国で両替所を探した時は、朝11時からオープンだったので、両替できるまで時間をつぶした。

 2のキャッシングは国内でもややためらうのに、海外ならなおさら。そんな中、意外と「使える!」と思ったのが、3のキャッシュカードからの引き出しだ。カードの裏に「PLUS」マークが付いているキャッシュカードなら、海外のATMからでも、自分の口座にあるお金を現地通貨で引き出せる。

 為替レートがやや高めに設定されているようだが、以前、利用した時の手数料は300ユーロを引き出して4ユーロだった。『Gonna』カードの200円という手数料のお得さにはかなわないが、海外で現金が手元になくて困った時なら、充分、使える方法だ。

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カードの裏に「PLUS」マークが書かれてあるキャッシュカードを使って現地のATMで引き出し。操作にはやや手間取ったが、自分の銀行口座からその日のレートで引き出しできるのは便利だし安心。手数料は引き出す金額、国や地域によって異なる

 最近では海外でも、現地のATMから手軽にお金を引き出せるようになった。ここで改めて操作に必要な用語を、操作順におさらいしておこう。

●海外のATM利用時に覚えておきたい用語(言語は英語に設定)
ENTER PIN・・・暗証番号の入力
   ↓
SELECT TRANSACTION・・・取り引き内容の選択
 WITHDRAWAL・・・引き出し
 TRANSFER・・・振り込み
 BALANCE・・・残高照会
   ↓
SELECT SOURCE ACCOUNT・・・取り引き口座の選択
 CREDITcash in advance)・・・クレジットカード
 SAVINGS・・・普通預金
 CHECKING・・・当座預金
   ↓
SELECT DISPENSE AMOUNT・・・引き出し金額を選択

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海外で利用できるATMはVisa、MasterCard、PLUS(プラス)、CIRRUS(シーラス)のマークが書かれてあるもの。PLUSとCIRRUSはATMの国際規格で、VisaはPLUS、MasterCardやJCB、ダイナースはCIRRUSを利用している

 さてベルリンから帰国して、「為替レート分、得できた!」と喜びいさんで『Gonna』の会員サイトを確認した私。74ユーロしか現地通貨に両替していなかったのに、100ユーロを引き落としたものだから、ユーロではなく円の預金の方から、その日の為替レートの1ユーロ138.73円で引き落としされていた……。せっかくレートが安いタイミングでユーロに両替したのに……(T-T) 「海外専用プリペイドカード」熟練の道はまだまだ遠い……。

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3万円入金した内、1万円分を74ユーロに両替していた。足りない26ユーロ分が円の預金から引き落としされるものだと思っていたが、実際には100ユーロ分が丸々、円の預金から引き落とされることに。こうやって現地のお金が入っていなくてもお金を引き出せるのはいいが、そのまま残ってしまった74ユーロはいつ使おう?

文/綿谷禎子