外国特派員協会で講演するNECの佐々木会長 (撮影: 佐谷恭)

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日本電気(NEC)<6701>代表取締役会長で、経済同友会の地球環境・エネルギー委員会委員長の佐々木元(はじめ)氏が5日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で地球温暖化をテーマに講演し「京都議定書で定められた2010年の温暖化ガス削減目標は、産業セクターの自主努力で達成できる」と訴えた。

 佐々木氏は南米・パタゴニアの氷河が溶けている風景など具体例を挙げながら地球温暖化問題について解説した後、同問題に対するNECの取り組みを紹介。試算によると、同社は半導体製造用クリーンルームの空調方式の変更などで、二酸化炭素(CO2)の排出量を2010年までに03年より24%減らし、90年とほぼ同レベルにできるという。

 また、電気労連の省エネルギー活動「COCO(ココ)ちゃん運動」で、NECでは03年に1人当たり100キロのCO2排出削減を達成したことを紹介し、「この運動を11万人のNECグループに拡げれば1万トンのCO2が削減されることになる」とも話した。

 講演後の質疑応答で温暖化対策について政府ができることについて問われると「政策でどうするかというより、産業セクターの主体性を尊重するのが本質だ」と述べ、エコファンドなど環境に配慮する企業が評価される仕組みも実効性があることを付け加えた。

 温暖化ガスの排出抑制と財源確保が目的とされるエネルギー税については「産業界はすでに抑制しているし、価格アップが抑制になるとすれば、昨今の原油高騰がすでに消費者の排出抑制になっていると思う。また、財源は税制体系全体の問題で、単純増税は適切ではない」と主張した。

 今後CO2排出量が増加すると予想される中国については、「環境効率の高い日本の最先端技術が中国に移転することが必要」との認識を示し、NECは日本と同レベルの環境基準を中国の現地工場でもすでに適用させていると紹介した。【了】