マーケティングに使える動画共有サービスまとめ―― YouTube、ニコニコ動画、Vimeo、Ustreamの特徴とユーザー層

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動画コンテンツを制作したら、とりあえずYouTubeにアップロードしようと考える方も多いでしょう。もちろんYouTubeの活用にはさまざまなメリットがありますが、動画共有サービスはそれだけではありません。

そこで本記事では、マーケティングに活用できる主要な動画共有サービス4つを取り上げ、その特徴とユーザーデータをまとめます。

目次

  • YouTube
  • ニコニコ動画
  • Vimeo
  • USTREAM

YouTube(ユーチューブ)

2005年にサービスを開始し、2006年にGoogleによって買収された。名前の由来は、あなた(You)とテレビ(Tube)を掛け合わせたもの。視聴者が自分でテレビ番組を配信して楽しんで欲しいという思いからこの名前が付けられた。

特徴

YouTubeは世界最大の動画共有サービスであると同時に、世界第2位の検索エンジンとも言われています。日本国内でももっとも利用者数が多い動画共有サービスであり、多くの企業がYouTubeを利用しています。無料でYouTubeチャンネルの開設ができることや、高度なYouTubeアナリティクスを使用することができることも、企業利用が盛んな理由と言えます。

Google傘下のサービスのため、「動画のアップロード」や「YouTubeチャンネルの作成」などを行う際にはGoogleでアカウントを作成する必要があります。

ユーザーデータ

公式発表によれば、YouTubeは全インターネット人口の約3分の1を占める10億人以上のユーザーに利用されているとのことです。

国内での利用者数はニールセンの調査で発表されており、PCからの利用者数が1,923万人、スマートフォンからの利用者数が3,580万人という結果で、いずれも国内では利用者数No.1です(2015年9月発表)。

ユーザー層は2015年2月時点では、PCからの利用は男女ともに35歳以上が多く、スマートフォン経由では男女ともに全世代で幅広く利用されていることが分かります(2015年2月の調査より)。

画像参照元:http://www.netratings.co.jp/news_release/2015/02/Newsrelease20150224.html

ニコニコ動画

2006年にサービス開始。2012年からはニコニコ動画やニコニコ生放送といったドワンゴ社が提供するサービスの総称を「niconico」とし、ニコニコ動画は niconico のサービスのひとつという位置づけとなっている。サイト名には「ニコニコ動画(β)」のようにバージョンが付随しており、バージョン名の更新とともに、サイト構成の大幅な見直しや新機能の追加がまとめて行われている。2015年10月現在のバージョンは「GINZA」で、正式名称は「ニコニコ動画:GINZA」である。

特徴

ニコニコ動画の最大の特徴は、再生中の動画に対してユーザーが再生画面上に自由にコメントを投稿できる機能です。実際の投稿日時ではなく、動画の時間軸に対してコメントが表示されるため、動画を通じたユーザー同士のコミュニケーションが可能になります。

このようなユーザー同士のコミュニケーションからムーブメントが起き、「ボーカロイドコンピューター歌声を合成するソフトウエアの歌声」や「歌ってみた歌声のない音楽に自分の歌声をのせること」などの動画投稿が流行したこともニコニコ動画ならではと言えます。

さらに、ニコニコ動画はコミュニケーションをリアルの場にも広げています。2012年から開催されている「ニコニコ超会議」は、ニコニコ動画での人気コンテンツをリアルの場で再現するイベントです。2015年には15万人もの人が訪れ、オンラインからの視聴数はなんと794万人にも上りました。企業参画も盛んで、若年層のユーザーにアピールできる場としてKDDIなどの大手企業から総務省などの官庁まで約60の企業、団体が協賛・出展しました。
このようにネットとリアルの融合という点もニコニコ動画の特徴と言えるでしょう。

ユーザーデータ

ニコニコ動画セールスシート(2015年10月〜12月版)によると、登録会員数は約5,000万人。月間UU数は約871万人となっています。
前述したニールセンの調査では、国内利用者はPCからの利用者数が782万人、スマートフォンからの利用者数が1,280万人という結果が出ており、国内2位のユーザー規模を誇ります。

ユーザー層は、男性66.2%、女性33.8%と男性ユーザーが多い傾向にあります。年齢層は20代が4割以上を占め、10〜20代の若年層に多く利用されているサービスです。

Vimeo(ヴィメオ)

2004年11月にNYで生まれた動画共有サイト。Vimeoというサイト名は「video」という単語に「me(私)」を挿入し、ユーザー自身が作った動画専用のサイトであるということを示している。2014年に日本語化に対応した。

特徴

Vimeoは商業作品の転載、ゲームのプレイ動画、ユーザー自身が制作していない動画の投稿を認めていないことから、クオリティが高いオリジナル動画を視聴・アップロードできる場として、映像作家、クリエイター、デザイナーなどといった人々から人気を博しています。
(参考:Vimeoにおしゃれな動画が多い理由は「規約」にあった!)

無料で動画を配信することももちろん可能ですが、有料プランを利用すると、プライバシー設定やプレイヤーのカスタマイズがかなり柔軟に行えることも特徴です。特定のドメインのみで公開する設定なども行えるため、特定のウェブサイトに埋め込みたい場合などに重宝されます。

さらにVimeoは「動画をアップロードする人が有料プランを申し込む」ことで収益を得ており、広告メニューはありません。動画に広告が挿入されることがないため、世界観を大切にしたい企業やブランドにとって、他社の広告の影響を受けない点はメリットと言えるでしょう。

ユーザーデータ

公式サイトによると、世界規模では1億7000万人ほどの利用者、アジア太平洋地域では500万人ほどの利用者がいるようです。

画像参照元:https://vimeo.com/about/advertisers

USTREAM(ユーストリーム)

2007年3月に米国で設立された動画共有サービスで、ライブビデオサービスの先駆け。2010年にソフトバンクからの出資を受け、日本・中国を中心としたアジア事業の本格化を進め、同年4月にはサイトが日本語化している。

特徴

Ustreamはライブ(生中継)コンテンツが中心の動画共有サイトで、動画を見ながらコメントできるソーシャルストリームが特徴的です。視聴者のアカウントがソーシャルメディアと連携しているため、コメントなどによりSNS上で拡散されることも期待できます。また、配信者と会話をしたり、視聴者同士で会話ができる機能もあるため、ニコニコ動画とはまた異なるコミュニケーションをとることができます。

画像参照元:http://www.ustream.tv/jp/getting_started/broadcaster.html

利用者の年齢層が高く、ライブ配信が強みということから、企業が「新製品の発表会」や「株主総会」などを動画で配信する際に多く利用されています。また、有料プランに申し込めば、広告非表示やユーザ限定配信もできるため、社内向けのセミナー配信などにも活用されています。

ユーザーデータ

媒体資料によると、登録ユーザー数は275万⼈、ユニーク視聴者数は550万人(国内2014年8月の月間データ)。
ユーザー層は、男性73%と男性比率が高いのが特徴です。年齢層も30代以上が88%を占めており、比較的高めです。

画像参照元:Ustream媒体資料-2015年1月-3月より

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以上のように、動画共有サービスといっても特徴はさまざまです。それぞれの違いを理解した上で、配信する動画コンテンツの目的や用途にもっとも適したサービスを見極めることが大切です。

ライブ配信に特化した動画共有サービスについては「ライブ配信動画の使い道〜USTREAM、ニコニコ、ツイキャス、LINE LIVE CAST、ハングアウトの効果的な使い分け〜」をご参照ください。