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 高木勇人(26=社会人・三菱重工名古屋)の成功がスカウトの評価基準を少し変えたようである。昨秋のドラフト会議でのことだ。巨人がドラフト3位で高木勇人を指名した際、会場ホテルの別室に待機していた各球団スタッフがざわついた。
 各チームの中京地区担当スカウトの間では好投手と位置づけられていたが、指名にはいたらなかった。社会人で7年も投げたとなれば、“ベテラン”である。一般論として、25歳(指名当時)では年齢的伸びしろも「ない」に等しい。だが、巨人は指名した。昨秋のドラフト直前、巨人スカウトは「今年はね…」と、彼らのお眼鏡にかなった指名候補が少なかったことも明かしていた。そう考えると、指名候補の多い“豊作年”だったら、遅咲きの高木はプロ入りできなかったのかもしれない。しかし、この高木の活躍が巨人スカウト陣に“自信”を持たせたようである。
 「年齢的に指名するか否かを判断するのはスカウト会議に委ねることにし、年齢、(地方リーグなど)所属や学校に関係なく、まっさらな状況で判断していこう、と。今後、地方大学出身選手の指名も増えていくと思う」(関係者)

 巨人スカウトが1位候補に加えた“地方大学の投手”がいる。仙台大学の右腕・熊原健人投手だ。昨今では地方大学や無名校からの指名選手も珍しくなくなったが、「対戦チームのレベルもあるので、成績は2割減くらいにして判断してきた」という。
 だが、巨人は山下スカウト部長自らがこの熊原を視察するなど、相当な熱の入れようである。これも、高木の成功によるものだろう。巨人スカウトは熊原を「1年目から先発ローテーション入りも」と高く買っているそうだ。
 「好投手であることは間違いない。ただ、地方リーグ(仙台六大学リーグ)なので、成績を過大評価してはいけないと見るスカウトがいることも事実です」(ライバル球団スカウト)
 ドラフトフリークの間では、おそらく熊原の名前は知れ渡っているだろう。ストレートのキレ、スピードに加え、重量感もある。走者のいない場面でもセットポジションで投げるのだが、左足を一塁側に大きく引くようにして構える。持ち球はカーブ、フォークと少ないが、
 「スライダーを投げることもあるが…。でも、フォークは落差の大きいものとそうでないものを投げ分けている。こちらは一級品」(前出・同)
 とのこと。地元・楽天も上位指名を予定しているようだが、他球団の評価が巨人ほど高くない理由は1つ。バント処理などのフィールディング、クイックモーションがイマイチだからだ。
 「指名がウェーバー制となる2位以下で駆け引きのされる逸材。巨人サン以外はそんな位置づけだと思いますよ」(同)

 大学ナンバー1投手と目されているのが、駒澤大学の左腕・今永昇太。こちらは左肩を故障し、将来のために大事を取り続けてきた。完治したと思われるが、1位入札で即戦力投手の指名を予定していた球団は“慎重”になり、他の候補投手の再調査を進めている。巨人スカウトも今永を追い掛けてきたが、他球団の目には「小笠原のほうに力を入れている」と映っているそうだ。
 高校生野手、地方大学の逸材を指名する。今年の巨人のドラフトはいつもと様相が違う。