5日、JR赤羽駅に入る埼京線上りの女性専用車。(撮影:比嘉杏里)

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後を絶たない電車内の痴漢対策として、JR埼京線では、これまで深夜に実施していた女性専用車を、ラッシュ時に当たる午前7時から同9時台の上り線にも導入した。同線は、昨年の車内の痴漢件数が217件と、都内ワースト1。5日午前8時過ぎ、混雑のピークを迎えた赤羽駅で、女性専用車の乗客らに感想を聞いてみた。

 「当列車は先頭車両が女性専用となっております。ご協力をお願いします」。プラットホームにアナウンスが響き、「女性専用車」の看板を持った駅職員が立つ。同車両の窓や乗降口にはピンク色の目印やステッカーが貼られており、女性職員が「おはようございます」と声をかけながら乗客を誘導する。専用車両となっている先頭の10号車付近では、「痴漢被害を心配する必要がなくなった」など女性乗客の歓迎の声が多い。男性客からも「若い女性にはうれしいですよね」、「女性が気兼ねしなくてすむのは良いこと」と評価されている。

 一方で、専用車両を利用しない女性客の姿もあった。赤羽駅で埼京線に乗り換えるという女子高校生は、「先頭は遠すぎる」と別の車両に乗り込んだ。妊娠中の別の女性は、「あまり動きたくないので、結局近くに乗ってしまう」。「痴漢が出るのは、混雑のひどい後方の車両なのでは」と、効果に疑問を投げかける人もいた。

 JR東日本によると、先頭車両は階段のある後方に比べ混雑の度合いが軽いため、女性専用にしたという。現在のところ、女性から概ね好意的な感想が寄せられており、しばらくは専用車両の運行を続ける。また5月9日からは、東武、西武などの私鉄や、地下鉄、東京メトロでも、平日朝のラッシュ時、主に上り線で女性専用車両を導入する予定だ。【了】