妊娠中のインフルエンザ、ノロウイルスの影響!
その1 妊娠中のインフルエンザの影響
ワクチンも、インフルエンザそのものも、胎児に直接影響する可能性はほとんどないと考えられています。
インフルエンザの感染に関しては、妊婦では母体が重症化することがありますが、赤ちゃんへの催奇形性(妊娠中に投与すると胎児に奇形などを発生させる可能性があること)はないといわれています。また、抗インフル エンザ薬(タミフル、リレンザ等)についても催奇形性の報告はなく、日本産婦人科学会でも妊婦への投与を認めています。
しかし使える薬には制限があり、治療が限られてしまいます。重症化した場合、母体の体力低下や、発熱による脱水などによる胎児への影響が心配されます。
ワクチンを接種してもインフルエンザにかかる可能性はありますが、重症化するリスクは下がります。重症化のリスクを下げるという観点から、妊娠中にもワクチン接種が推奨されているのです。
ワクチン接種の有無に関わらず、
・うがい、手洗い
・加湿
・マスク
・人混みを避ける
・規則正しい生活をする
などの、インフルエンザ予防対策は、家族全員で励行(レイコウ)してくださいね。
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その2 妊娠中のノロウイルスの影響
ノロウイルスそのものが、胎盤を通じて赤ちゃんに影響することはありません。
最も問題となるのは、下痢と嘔吐による脱水です。
他には繰り返す嘔吐によるお腹の張り、稀ですが、下痢による産道感染などです。
脱水に気をつけて、安静療養してなるべく早く快復するよう心がけてください。なお、嘔吐が激しい時は、半日程度絶飲食しても問題ありません。
つまり、妊娠中にノロウイルスに感染してしまった場合、脱水に注意し、母体の体調を早く改善することが最も大切です。
身体的にも精神的にも良好な状態が胎児には一番ですね!
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その3 インフルエンザの対処法
POINT1:
まずは病院で処方されたお薬をきちんと飲む、もしくは吸入して下さい。早いと翌日には解熱します。
POINT2:
熱を冷ますのにおでこ以外に、首(動脈のある部分)、脇の下を冷やすことも有効です。
POINT3:
熱を下げるのには水分が必要ですので、できれば1L以上は飲みましょう。塩分の入ったスポーツドリンクがお勧めです。
POINT4:
部屋の保温、できたら加湿をしましょう。湿度40%以下だとのどの粘膜にダメージが出やすいです。
後はゆっくり休んでくださいね。
その4 ノロウイルスの対処法
POINT1:
下痢がひどい場合でも強い下痢止めを使うと腸管内にウィルスがとどまり回復が遅れるので、注意が必要です。
POINT2:
脱水を起こしやすいので水分や栄養の補給を十分に行い、安静にするのがよいでしょう。
POINT3:
感染者の便や嘔吐物には多くのウィルスが含まれますので、食事の前やトイレの後には石鹸でしっかり手を洗い、同居家族がいる場合にはタオルなど共用しない方がよいでしょう。
POINT4:
アルコールに強いので消毒する場合は、塩素系の漂白剤を薄めて使うとよいです。
POINT5:
食品中のウィルスは加熱により失活するので、しっかりを火を通して調理するようにしてください。
両者ともお医者さんの指示を聞き正しい対応を取りましょう!