話題のビーチバレーボールプレーヤー坂口佳穂(19歳)が、JBVツアー・ビーチバレーボール川崎市長杯(10月9日〜11日/神奈川県川崎市)に挑んだ。

 予選グループ戦、2試合目は競ったゲーム展開だった。前大会のJBVツアー・ビーチバレー東京オープン(9月19日〜21日/東京・お台場)の覇者を相手に、第1セットは9−21と落としたものの、第2セットは一進一退の攻防が終盤まで続いた。ペアを組む仲田莉葉(21歳)とともに、コートの奥を狙った攻撃が功を奏した。

 しかし最後は、坂口が終始相手サーブの標的となる中、レシーブの体勢を崩されて、ボールを弾いてゲームセット。坂口の今シーズン最終戦は、2戦2敗で終わった。

 ビーチバレーボール本格参戦となった今季、坂口は国内トップカテゴリーであるJVAビーチバレーボール・シリーズA、セカンドカテゴリーとなるJBVツアーと、計6大会に出場。結局、すべての大会で決勝トーナメントに進むことはできなかった。勝ったゲームも2試合のみ。大会ごとにペアも変わったが、どの試合でも経験豊富なパートナーに助けられることが多かった。

 シーズンを振り返って、坂口はこう語った。

「この1シーズン、試合に出て、勉強することばかり。すべてにおいて、足りないことがわかりました。サーブで(相手に)狙われるので、レシーブの精度も重要ですが、筋力、体力をもっとつけないと、プレーの幅が広がらないと思っています」

 川崎市長杯では、集中力を欠いて連続でポイントを失ったり、変化する風に対応できず、得意のオーバーハンドトスができなかったりというシーンもあった。技術、体力はもちろんだが、それ以外にもメンタル面や状況判断など、多くの課題が浮き彫りになった。

 とはいえ、坂口のビーチ歴はまだ1年半。戦術や試合の読みなど、経験がモノを言うビーチバレーボールという競技において、ベテラン選手らとペアを組んで、多くの実戦をこなしたことは、デビューイヤーとしては悪くないシーズンだったのではないだろうか。

 実際、技術的に着実に進歩していることは、周囲も認めている。今大会でペアを組んだ仲田が言う。

「佳穂は、以前よりも確実に成長しています。まだ経験が少ない、というのはありますが、背は高いし、手足が長いので、ネット際で強く、いい選手だと思います」

 一昨年、初めてビーチバレーボールを見たときは、楽しそうだと思って競技を始めたが、今は「負けると、楽しくない」と言う坂口。だからこそ、このオフはまず、体力と筋力をつけて、レシーブ、スパイクを鍛え直したいという。

「もちろんビーチは大好きですし、勝つため、上に行くためには、もっともっとがんばらないといけないと思っています」

 注目度が増して、メディアの露出が増える中でも、自らの鍛錬はおろそかにはしない。さらに、「負けてばかりでしたから......」と悔しさを滲ませて、口を真一文字に結んだ坂口には、強烈な反骨心がある。

 そんな坂口だからこそ、今後に期待が膨らむ。

「試合に勝ったら、絶対ビーチは楽しいんだろうなぁ」

 坂口は最後にそう語って、やっと笑顔を見せた。ビーチバレーボール界に現れた「ニューヒロイン」の挑戦を、ゆっくりと見守っていきたい。

小崎仁久●文 text by Kosaki Yoshihisa