得点後はさすがに笑顔を見せた武藤。その後の絶好機を決め切れなかったのは反省材料だが、敵地でイラン相手に負けなかったことについては、少なからず手応えを得たようだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 後半開始早々に日本を勢い付ける同点ゴールを挙げた武藤は、手応えとともに反省を口にした。
 
「クロスに対して良い入り方ができた。まあ、自分が決め切れたって感覚はないですけど、それでも得点になったのは良かった。ただ、その後の大チャンスを決め切らないといけなかったですね」

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 1-1で迎えた58分。カウンターで抜け出した武藤は、GKとの1対1を迎える。シュートを打つのか、ドリブルで抜くのか。ふたつの選択肢があった武藤は後者を選び、そしてGKのファインセーブに遭った。
 
 しっかりモノにしていれば、アウェーでの勝利をもぎ取る決勝点になっていたかもしれない。その絶好のチャンスを逃した反省が、「GKにパンチングされていたし、DFふたりにも挟まれていたので、どこに当たったのか正直分からなかった」という同点弾を決めた喜びを上回っていたとしても、まったく不思議ではない。
 
 さらに武藤は、チームの出来に対して「前半にあれだけ前から来たイランに対して、上手く自分たちのリズムを作れなかった」とも振り返る。確かに、日本代表の前半のパフォーマンスは低調で、武藤も引いてボールを受けるのか、それともスペースへ飛び出して起点になるのかの判断が曖昧だった。
 
 後半は一転して多くのチャンスを作ったものの、「相手が疲れてきて、後ろのスペースが空いてきた」のだから、ある意味で当然。相手がまだフレッシュな状態にある前半から「圧倒できるようなサッカー」ができなければ、日本代表は今後も苦戦が続くだろう。
 
「今までやったアジア勢のなかでは一番強い」イランに、アウェーで「負けなかったのはプラスになる」。しかし、噴出した課題も少なくない。
 
 武藤自身の決定力や、アグレッシブなプレスを受けた時のチームとしての戦い方――。同点弾を素直に喜べなかった武藤は、これらの問いにどんな答を出すのだろうか。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェストWeb編集部)