ツルッとした食感の正体は? NOBU/PIXTA(ピクスタ)

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 温かいそばやうどんが、食べたくなる季節になってきた。市販のインスタント食品や簡単に調理できる生麺・乾麺など、品揃えも豊富で入手しやすく、手軽に食べられることもあって"国民食"といえる存在だ。

 そばやうどんの魅力は、なんといっても麺のコシやツルッと喉ごしよい食感。見た目にも、ツヤツヤした麺はおいしそうに感じられる。

 しかし、商品のなかには、麺の弾力やコシ、ツヤ、ツルッとした食感などを実現するために、通称「かんすい」と呼ばれる食品添加物「リン酸塩」が用いられていることがある。本来ならば添加物の力を借りずに、魅力的な食感を提供したいところだが、コストや保存期間などの関係もあって、コシとツヤを人工的に"作らざるを得ない"のが実情だ。

リン酸塩にはどんなリスクがあるのか?

 食品添加物には、安全性の確認できたものが用いられており、リン酸塩もそれにならって使用されている。だが、リン酸塩を過剰に摂取するとカルシウムの吸収が阻害されるという事例の報告もある。そのため、大手コンビニエンスストアのなかには、ハム・ソーセージを使った食品からリン酸塩を排除する取り組みを行っているグループもある。

 リン酸塩を摂取する一番のリスクは、体内のリンが増えることである。リンは元々体内に備わっており、エネルギーの運搬に欠かせない存在だ。その85%が骨と歯に含まれているという。

 ところが、体内でリンが増え過ぎると、カルシウムと結合して身体の各所に沈着するといわれている。結果、乾燥肌や激しいかゆみが起きたり、強い関節痛や関節の膨張、変形が起きたりすることもあるという。さらに、血管にリン酸とカルシウムが結合したリン酸カルシウムがたまってしまうと、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳出血などのリスクまで生じるといわれている。

 リンはタンパク質にも微量が含まれているが、食品添加物としてのリンは、摂り過ぎないような食生活を心がけたいものだ。

「食べない」わけにはいかない人もいる

 リン酸塩の回避には、まずどんな食品に含まれているかを知っておく必要がある。そこで、製品の原材料の項目を確認してみよう。

 インスタント麺や中華麺では「かんすい」と表示されているのが通例で、「リン酸カリウム」「リン酸ナトリウム」と詳細に記されていることもある。菓子パンなら「イーストフード」や「乳化剤」、ビスケットやクッキー、ふりかけなどは「膨張剤」として使用されている。弁当やおにぎり、練り製品などには、「結着剤」「品質改良剤」と表示されていることが多い。

 つまり、インスタント食品全般から、コンビニ弁当、冷凍食品、練り製品、洋菓子、菓子パン、清涼飲料水など、リン酸塩を含む食品は多岐にわたる。「食べない」ことが一番の"自己防衛"。とはいえ、生活上、これらの食品を避けてばかりいられない人も多いだろう。

摂取を避けるには「ゆで汁を捨てる」

 そこでお勧めしたいのは、湯通しして水切りする方法だ。リン酸塩はお湯に溶ける性質があるので、摂取量を減らしたり、回避に近づけたりできる。うどんの生麺をゆでたら、ゆで汁は一度捨ててスープは別で作るというわけだ。無論、リン酸塩が完全にお湯に溶けだすわけではない。

 ちくわやかまぼこなどの練り製品、ハム・ソーセージなども同様だ。切れ目を入れてから下ゆでして食べると、多少リン酸塩を減らすことができるといわれている。

 過剰に反応しすぎても、現実的ではないかもしれない。しかし、インスタント食品や加工品を頻繁に利用する食生活は、"健康"という視点から見ればそれなりのリスクを招く。原材料に注意を払ったり、少しでも摂取を減らすための努力をしたりすることは、日頃の食習慣を見つめなおす一歩になるはずだ。
(文=編集部)