パ・リーグCSファイナルステージ展望

 ロッテがクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージでも、シーズン終盤の勢いを持続。初戦で日本ハムのエース・大谷翔平を攻略すると、1勝1敗で迎えた第3戦は涌井秀章が143球の熱投でチームに勝利を呼び込み、CSファーストステージを突破。10月14日から行なわれるCSファイナルステージでソフトバンクと対戦することになった。

 一方、2年連続日本一を目指すソフトバンクは、パ・リーグ史上最速で優勝を決めるなど、今シーズンも圧倒的な戦力を見せつけた。それだけにこのファイナルステージでの敗退は許されない。はたして、どんな戦いが待っているのか。解説者たちにファイナルステージの行方を予想してもらった。

 現役時代に捕手としてヤクルト、日本ハムなどでプレーした解説者の野口寿浩氏は「戦力的にソフトバンクが抜けています」と即答した。

「ロッテが勝つには勢いしかないと思いますが、実際、ソフトバンク相手に6試合で4勝しなければならず、これは大変なことです。見どころとしては、ロッテ投手陣がソフトバンク打線をどう封じるのか。それこそ、一世一代のピッチングを何人かの投手がするしかありません(笑)。ソフトバンク打線を抑えるのは、それぐらいのレベルということです。ケガで試合を欠場していた柳田悠岐の状態が気になりますが、他にも内川聖一、松田宣浩、李大浩(イ・デホ)がおり、大幅に得点力がダウンすることはないと思います」

 同じく解説者の与田氏も「ソフトバンク有利」と予想する。

「シーズン90勝を記録したチームですからね。投打とも充実しており、戦力的には他球団を圧倒していました。投手では武田翔太が成長し、新外国人のバンデンハークが期待通りの活躍を見せてくれました。投手陣の充実に加え、攻撃陣はトリプルスリーを達成した柳田をはじめ、昨年同様、強力打線が機能し、651得点はリーグ最多。死角を見つけるのが難しいですね」

 とはいえ、ソフトバンクにもまったく不安がないわけではない。ソフトバンクOBの本間満氏は「勝って当然だからこそ、それがプレッシャーになる」と言った。

「全試合がホーム球場で、1勝のアドバンテージがある。それに、相手チームは初戦にエースを持ってこられない。ソフトバンクに有利な材料ばかりですが、もし初戦を落としてしまえば1勝1敗になります。その時に、平常心でいられるのかどうかが大事になるでしょうね。そう考えると、初戦の戦いがすごく大事になってきます。僕が現役だった頃は斉藤和巳がおり、その後も和田毅、杉内俊哉と常に絶対的エースがいましたが、今はいない。あえてエースと呼ぶとすると、今年はチーム最多の13勝を挙げた武田がエースでしょうが、相手エースと投げ合った試合が少ない。そこに一抹の不安があります」

 また本間氏は、シーズン終盤に6連敗を喫するなど、負けが目立ったことも不安要素として挙げた。

「消化試合とはいえ、納得した試合はあったのか。柳田の回復具合も気になりますし、工藤公康監督もCSは初采配。未確定な要素が多いのが気がかりです。もともとソフトバンクはCSに弱いイメージがありますからね(笑)。だからといって、2位以下に10ゲーム以上の差をつけたチームがここで負けるわけにはいきません。『CSも圧倒するんだ!』という気持ちで戦うことが重要になります」

 最後に野口氏はCSファイナルのキーマンにソフトバンクの攝津正の名前を挙げた。

「本当なら、攝津がソフトバンクのエースになっていないといけないのですが、今季は非常に苦しいシーズンになりました。おそらく攝津は第3戦に登板すると思いますが、1、2戦で連勝していれば優勝がかかる試合になり、1勝1敗なら王手をかける試合になる。そして連敗ならタイに持ち込む試合となり、どの展開になっても非常に大事な一戦になります。攝津がかつてのようなピッチングを披露してくれれば、一気に決まるでしょうね」

 CSは2007年にセ・パ両リーグで導入されたものだが、シーズン1位のチームが敗れたのは、3度しかない。ちなみにその1回が2010年のソフトバンクで、勝ったのがロッテである。ロッテは2005年から5年おきに日本一になっており、今年はその当たり年。はたして「5年周期説」は今年も実現するのか、それともソフトバンクが力で圧倒するのか。注目の一戦はまもなく始まる。

島村誠也●文 text by Shimamura Seiya