イラン戦ではスタメンが予想される森重(赤ビブス)。チームの戦術は守りつつ、状況に応じた臨機応変なディフェンスでゴールを守るつもりだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 約1か月前のアフガニスタン戦でゴールを挙げた験の良いアザディ・スタジアム(編集部・注/政情不安のため、ロシア・ワールドカップ予選のアウェー・アフガニスタン戦は中立地イランで開催された)で、再び森重に出番が与えられそうだ。

PHOTOギャラリー|イラン戦に向けたトレーニングの模様
 
 ハリルホジッチ監督が前日の会見で「(シリア戦の選手起用から)50パーセントの変更がある」と明言しただけでなく、森重自身も「チャンスをもらえると思う」と語ったのがその根拠だ。日本の現在地を図る意味では、シリア戦よりも重要なFIFAランク39位のイランとのテストマッチに、「個人的には、しっかりアピールしたい」と本人のモチベーションはすこぶる高い。
 
 イランは「最近対戦したなかでは、やっぱり良いチーム」と森重が語るように、2次予選で対戦したシリアやカンボジア、アフガニスタンなどとは、ひと味違ったチームだ。質の高いタレントを揃え、ワールドカップ・アジア2次予選のグループDで首位を走っている。
 
 とりわけ、長身FWを活かしたロングボールやクロスからの攻撃は脅威で、森重はこの点について、「クロスからの攻撃やサイドからの崩しが特長なので、しっかり中央で人につきたい。そこの勝負で勝たないと失点してしまう」と警戒心を強めている。
 
 また、日本代表が志向する高い位置でのボール奪取に関しても、「常に心掛けてやっているので、インターセプトを狙う時は狙いますし、相手に背負われた時はファウルせずに振り向かせない守備をしたい。その使い分けが大事なのかなと思います」と言う。状況に合わせた臨機応変な対応で、イランの攻撃を封じるつもりだ。
 
 確かに、アグレッシブなプレスを「90分間継続するのは現実的には難しい」(本田)し、ロングボールを放り込んで来る相手に対して無防備にラインを上げれば、当然裏のスペースを簡単に使われる危険性は高まる。
 
 ましてや、「良いストライカーがいる」(吉田)イラン相手であればなおさらで、「守備陣として前へ“イケイケ”になるイメージは持っていない。そこはそんなに監督の言葉に踊らされないというか、そればかりを意識するんじゃなくて、自分のタイミングを大事にしていきたいとは思います」(森重)。
 
 指揮官がアグレッシブな守備を求めているとはいえ、ピッチ上の状況を判断して戦い方を決めるのは選手たちである。「監督の言葉に踊らされない」とは少し刺激的な表現だが、森重には培ってきた自信があるのだろう。
 
「ずっとやってきたことを、こういう相手に対してどれだけできるかを試してみたい」
 
 今年3月からスタートしたハリルホジッチ体制下で、チームが目指す高い位置からの守備と己の感覚をすり合わせてきた森重が、どんなプレーを選択するのか見ものだ。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェストWeb編集部)