東北楽天ゴールデンイーグルスが9月29日に行われた球団取締役会で、梨田昌孝氏(62)を新監督に招聘することを決定した。さらに、同会では3年契約を提示することも決まっていた。
 「監督人事でのサプライズはありませんでした。星野仙一副会長(68)の人脈で中日OBの招聘も噂されていただけに、いま一つ、盛り上がりにも欠けています」(スポーツ紙記者)

 果たして、本当にそうだろうか。監督経験が豊富で、年齢的にも円熟期の梨田氏を監督に迎えた理由は、優勝戦線に復帰したいからだろう。星野副会長も「オレも優勝するまで3年掛かった。ある程度の時間をやらないと」と、取締役会で話していたそうだ。
 「梨田氏は優勝経験もあり、在野にいる野球解説者のなかでは安心してチームを任せられるタイプです。以前に監督を務めていたときも、梨田氏は奇をてらった作戦は執らなかったですし、選手起用も実績を重視するほうでした」(プロ野球解説者)

 それだけではない。梨田氏はこれまでに近鉄で5年、日本ハムで4年の指揮を執っている。日本ハムでは中田翔の育成も任されたが、どちらかといえばベテランや中堅の選手を起用し、調整法なども選手に任せることが多かった。それに対して、楽天はほとんどが若い選手で構成されている。若手中心の選手起用で新たな梨田采配が見られるかもしれない。また、こんな声も聞かれた。
 「梨田さんは旧近鉄バファローズの出身です。関西方面では人気もあり、阪神の次期監督のウワサも出たほどです。関西での楽天戦の観客動員数が増えるのではないか」(同)

 梨田氏の招聘だけで観客動員数が増えるとは思えないが、楽天本社に関係する企業も応援するのではないかと予想されている。考えてみれば、楽天は近鉄と旧オリックスの選手を集めて結成されたチームである。近鉄出身のプロ野球解説者を招聘したのは、ある意味で自然な流れだったのかもしれない。
 「オリックスとの試合では、楽天のビジター三塁側スタンドが先に埋まる光景も見られるかもしれない」(ベテラン記者)

 楽天は来季に向け、本拠地コボスタ宮城をリニューアルする。総工費30億円を掛け、内外野を天然芝化し、左中間に『公園席』を設置する。メジャーで主流となっているボールパーク化を目指す。公園席は椅子を設置しないため、収容人数が増え、3万人以上の動員も可能になるという。球団は「東北のファンのために」と工事の目的を語っている。
 「今季、珍現象が起きたんです。実質、最下位争いだったオリックスとの地元の試合は、観客動員数が増えています。シーズン全体での観客動員数も増えており、楽天フロントは元身内のオリックスと張り合うことが商売になると考えたようです」(同)

 オリックスは今季の監督代行を務めた福良淳一が正式に指揮官に就任する。の福良監督は旧ブルーウェーブ出身だ。楽天はそこへ本家バファローズ出身の梨田監督をあてがい、新たな関西の野球ファンも発掘する狙いもあるのかもしれない。