ピクサー映画は、膨大なリサーチでつくられている:設定資料ギャラリー

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「トイ・ストーリー」は言うにおよばず、現在日本でも公開されている『インサイド・ヘッド』まで。ピクサーという会社のクリエイティヴは実は膨大なリサーチに裏打ちされている。同社をフィーチャーし2016年8月まで開催されている「THE DESIGN OF STORY」展を訪ねた。

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2/13ウッディの別ヴァージョン。スティーヴ・ジョンソン、ロウ・ファンチャーによる。

Ricky Nierva, Riley and Emotions,

3/13紙に書かれた水彩のスケッチは『インサイド・アウト』のもの。リッキー・ニエルヴァ(プロダクションデザイナー)による初期設定資料。しかし…(次の画像へ続く)

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4/13本当に「初期」の資料は、こちら。ピクサーでのキャラクター設定は、こうしたシンプルでアブストラクトな造形から始まる。

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5/13『Mr. インクレディブル』で描かれる住まいは、徹頭徹尾カリフォルニア・モダンだ。テッド・ブラックマンによるもので、そのまま本物の建築事務所で使えそうなほど。

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6/13カリフォルニア・モダンを徹底するために、家具にも細かな設定が施された。テディ・ニュートンの手による。

Lou Romano, colorscript,

7/13『Mr. インクレディブル』のカラースクリプト。ロウ・ロマノによるデジタル彩色。

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8/13観客が創造の世界に没頭できるよう、ピクサーのデザイナーたちはキャラクターデザインを現実世界に基づいて行う。ボレム・ボウチバによる習作が実際に手を加えられると…(次の画像)

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9/13実際の動きを観察して作成した習作に実際に彩色が施されていく。

Robert Kondo, Remy in the Kitchen,

10/13『レミーのおいしいレストラン』でのチェリーの描写も、現実を模して描かれる。ロバート・コンドウによるデジタル彩色。

Jay Shuster, WALL-E Arm Option,

11/13『ウォーリー』での設定資料。

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12/13『カールじいさんの空飛ぶ家』では、デザイナーたちは(真下からでないと見えない)正確な配管の様子もつくった。

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13/13同じく『カールじいさんの空飛ぶ家』で登場する家に至っては、その銅製の煙突や塗装の剥げ具合まで、実に細部にわたる資料が用意されている。

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「トイ・ストーリー」シリーズのウッディの初期ラフスケッチ。アニメーター、ジェフ・ピジョンの手による。

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ウッディの別ヴァージョン。スティーヴ・ジョンソン、ロウ・ファンチャーによる。

Ricky Nierva, Riley and Emotions,

紙に書かれた水彩のスケッチは『インサイド・アウト』のもの。リッキー・ニエルヴァ(プロダクションデザイナー)による初期設定資料。しかし…(次の画像へ続く)

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本当に「初期」の資料は、こちら。ピクサーでのキャラクター設定は、こうしたシンプルでアブストラクトな造形から始まる。

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『Mr. インクレディブル』で描かれる住まいは、徹頭徹尾カリフォルニア・モダンだ。テッド・ブラックマンによるもので、そのまま本物の建築事務所で使えそうなほど。

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カリフォルニア・モダンを徹底するために、家具にも細かな設定が施された。テディ・ニュートンの手による。

Lou Romano, colorscript,

『Mr. インクレディブル』のカラースクリプト。ロウ・ロマノによるデジタル彩色。

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観客が創造の世界に没頭できるよう、ピクサーのデザイナーたちはキャラクターデザインを現実世界に基づいて行う。ボレム・ボウチバによる習作が実際に手を加えられると…(次の画像)

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実際の動きを観察して作成した習作に実際に彩色が施されていく。

Robert Kondo, Remy in the Kitchen,

『レミーのおいしいレストラン』でのチェリーの描写も、現実を模して描かれる。ロバート・コンドウによるデジタル彩色。

Jay Shuster, WALL-E Arm Option,

『ウォーリー』での設定資料。

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『カールじいさんの空飛ぶ家』では、デザイナーたちは(真下からでないと見えない)正確な配管の様子もつくった。

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同じく『カールじいさんの空飛ぶ家』で登場する家に至っては、その銅製の煙突や塗装の剥げ具合まで、実に細部にわたる資料が用意されている。

ピクサー(Pixar Animation Studios)にあるのは、まるで遊びばかりで、仕事などなさそうに思えてしまう。確かにこのディズニー所有のアニメーションスタジオは、愛らしい虫やおもちゃ、レースカーなどを主人公にしたハッピーエンドの物語を量産している。ここでは、モンスターでさえ「いいヤツ」だ。

しかし、騙されてはいけない。ピクサーはアニメーションスタジオである以上に、リサーチ会社だ。そう言うだけの理由を、ニューヨークのクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館の新しい展示会が余すところなく教えてくれる。

この「ピクサー、ストーリーのデザイン展」に対して、ピクサーは、650点におよぶモックアップ、イラスト、絵コンテを提供した。これらの資料を見ていくと、1つひとつのキャラクターをつくり出すのに必要な──おじいさんのジャケットの袖から、ヒロインの髪のカールの質感にいたるまでの──綿密なリサーチ力の高さに光をあてる。

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『カールじいさんの空飛ぶ家』の主人公、カール・フレドリクソンの家を例にあげよう。この住居はラッセルやイヌのダグ、カールじいさん本人と並んで、この映画を構成する中心的な役割を果たしているが、ピクサーのデザイナーは、実際にそのように取り組んでいる。

そのデザインはカリフォルニア、バークレーにあるヴィクトリア調の家をベースにしている。展示では、デザイナーが、煙突の付け根の錆びた銅の様子や、ペンキが剥げた箇所の大きさやその剥げ具合がどう見えるかなど、そのかなり細かい詳細を明記しているのが覗える。

「劇中で家が浮かび上がるとき、家の構造を見ることができます。このときパイプがちゃんとつながっているということは、非常に重要でした。配管の仕事を生業にしている人がこの映画を見てとき、『この映画製作者は、やりたいようにやったな』などと言うことはないでしょう」と、クーパー・ヒューイットの館長であるカラ・マッカーシーは語った。

同じことが、日常のささいな物事やあるいは水のような素材をデザインするときにも当てはまる。「『ファインディング・ニモ』では、水の表現が本当に見事です」と、マッカーシー氏は言う。「リアル過ぎるあまり、リアリスティックな絵画のように、ほとんど“死んでいる”ようになってしまいます。ピクサーのデザイナーたちはそれを微調整する方法を見つけ、観ている人にとって『インチキだ』 などと言われないようにしたのです」

どんな些細な部分も、ピクサー映画ではおろそかにはされていない。

「トイ・ストーリー」のウッディを生み出すために、デザイナーは、彼がどの角度から見ても人に好かれるように映し出されるべく、半身像を何体もつくった。「バグズ・ライフ」の弱者のヒーロー、犬のフィルクに至っては、レオナルド・ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図に匹敵するほどだ。「カーズ」で描かれる米西部の風景の色は、映画製作者が、ルート66をリサーチしてドライヴした旅行で採取してきた土のサンプルから決められた。

聴衆に創造の世界を信じ込ませるいちばんいい方法は、実際のものを忠実に研究することなのだ。

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