日本代表のムードが明るく一変…チームを団結させる“Wi−Fi部屋”とは

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 13日のイラン代表戦に向けて調整を続ける日本代表は11日、テヘラン市内で非公開練習を実施。イランへの移動後、練習前のボール回しを含め、今までよりも明らかに選手たちの笑顔が増えたと感じられるようになった。シリア戦の勝利がチームの雰囲気を変えたとされるが、その裏側にもう一つの理由があった。

 8日のシリア戦に勝利してアジア2次予選のグループEで首位に立った日本代表。試合後の記者会見ではヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「(日本の選手は)もっと喜んでいい」とコメントしていたが、チームの雰囲気は確実に良化しているのは間違いない。そこで一役を担っているのが、テヘラン市内の宿舎にある“Wi−Fi部屋”だ。その内幕を参加者の一人であるGK西川周作(浦和レッズ)が教えてくれた。

 日本代表チームが宿泊するホテルは各部屋でWi−Fiが使用できるようになっているが、通信環境にムラが生じて快適なインターネット接続ができないという。そもそもイランでは日本から持ち込んだ携帯電話がうまく通じない状況にある。その中で、ある部屋だけが非常にWi−Fiの電波が強く、そこがリラックスルームと化して選手たちが集まってくるようになったという。

 これまで宿舎では選手たちに休息を命じて部屋から出ないように指示するなど、厳格に選手たちをコントロールしてきたハリルホジッチ監督。今も休息指令は出しているようだが、その一方で「夜11時くらいまでみんなでワイワイやって、コミュニケーションを取れている」(西川)と選手たちのコミュニケーション強化に理解を示している様子。西川も「今までこういう形でみんなが集まることがなかったので、今回は楽しいですね。もちろん休めと言われている時間は休んでいますけど、治療以外のフリーな時間には10人以上で集まって話したりしています。日本ではなかなかできないことだし、通信環境が悪かったりしたことが逆に良かったのかな」と、いつもの笑顔で語ってくれた。

 “Wi−Fi部屋”の話題は、もっぱらピッチ外の話が中心だという。それぞれのチームの話、海外でプレーする話、プライベートについてなどを情報共有し、お互いの理解度を高めているようだ。笑顔の守護神が「そういうところが練習の雰囲気にも出ているのかな。確かにチームが団結してきている感じはしますね」と語るように、“Wi−Fi部屋”によって選手間のコミュニケーションが深まったことは間違いない。回線の接続不良による偶然の産物に後押しされた日本代表が、今まで以上の団結力を手に強豪イランとの一戦に向かう。

文=青山知雄