チャイルド、ジュニアを問わずに子の安全を! Ayaka/PIXTA(ピクスタ)

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 日本で、生後6歳未満までの子が「チャイルドシート」の着用を義務化されたのは2000年のこと。今では多くの親が、出産準備品にチャイルドシートを加えるのが普通になってきた。半面、子どもが大きくなるとチャイルドシートの使用率が下がる傾向は、15年間変わっていない。

 今年6月、JAFと警視庁が全国で実施した「チャイルドシートの使用状況」調査によれば、1歳未満の使用率は85.2%、1〜4歳が64.4%で、それぞれ過去最高になったものの、5歳の使用率は38.1%と昨年より低下した。

 上の年代となるとさらに少ない。JAFが行った2013年の調査では、小学生の子どもを学童用シート、いわゆる「ジュニアシート」に座らせている親は全体の21.9%にとどまっている。

 見るからに小さく弱い乳幼児期は細心の注意を払っていても、成長するに従って親の安全意識が少しずつ薄くなっていくのかもしれない。そのことは、日本より進んだクルマ社会のアメリカでも、どうやら同じであるようだ。

アメリカでも使用状況に問題あり

 アメリカでは、交通事故で重傷を負ったり死亡したりするリスクは、ジュニアシートを使える年代の子どもでは乳児の2倍になるという。にもかかわらず、このような年長向けのシートは安全点検で見過ごされがちであることが、米・ミシガン大学のMichelle Macy氏らの研究で判明した。

 今回の研究では、ミシガン州における4500例以上のチャイルドシートの点検データを分析。その結果、それらの約半数はクルマの座席に後ろ向きに装着する乳児・幼児用シートに関するものであり、年長の子を対象としたジュニアシートに関するチェックは全体の11%でしかなかった。

しかもジュニアシートの約3分の1は、取り付け方や装着の仕方が完全ではなく、安全に使用するために調整の必要があったことも分かった。

 Macy氏によれば、ジュニアシートを正しく使うことで、4~8歳の子どもが自動車事故でケガをするリスクは45%も低減するという。

 さらに子どもたちの親1000人を対象にした調査では、10人中7人が、子どもが大人と同様にシートベルトを着用するには、57インチ(約142cm)以上の身長がなければならないことを認識していなかった。

 そのためか10人中9人は、ジュニアシートからシートベルト着用へ切り替える時期が早すぎた。身長が足りていない場合、衝突の際に命を守るはずのシートベルトが凶器になる可能性がある。「シートベルト症候群」と呼ばれる腹部の重大損傷のリスクがあるのだ。

子どもだけを危険にさらしていないか

 研究を行ったMacy氏は、「ジュニアシートは乳幼児用シートほど取り付けに技術がいらないうえ、仕組みも簡単に見えるため、親や家族はあまり誤使用の心配をしない可能性がある」と指摘。

 「今回の研究は、資格を持った安全技術者がジュニアシートの適正な使用時期や、使用方法に関してサポートしていくことが、子どもの重症死亡事故を減らすために有益だと示した」と述べている。

 チャイルドシート使用義務が6歳未満の日本でも、JAFや警視庁では「子どもの身長が10歳児の平均である140僂肪するまでは、ジュニアシートを使用することが安全上必須」と呼びかけている。JAFは今年、「ジュニアシートはもういらない?」というコンテンツを作成してホームページに公開した。
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/junior_seat/index.htm

 チャイルドシートを使う目的が「子どもを事故から守る」ことなら、法定年齢を過ぎても、安全にシートベルトが着用できるまで使い続けることが正しいあり方だろう。子どもの死亡事故は、時速30~40劼猟秣走行中や追突でも起きている。親はシートベルトに守られ、無防備なわが子だけが重症を負うのはあまりに悲しい。

 また、せっかく使っていてもミスユースでは意味がない。前出の「チャイルドシートの使用状況」でも、正しくクルマに取り付けられていたチャイルドシートは45.5%。正しく着座できていたのは59.5%にとどまっている。わが家での使い方をチェックしたいという人は、JAFや自動車ディーラーなどが開催する講習会に足を運んでみるのもお勧めだ。
(文=編集部)