シリア戦では前半こそチーム全体が精彩を欠いたものの、後半はポジショニングや個々の距離感に修正を加え勝利を引き寄せた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 2005年以来となるイランとの対戦は、親善試合という特性上、テストの意味合いが濃い。現時点ではハリルホジッチ監督が、どの11人をピックアップするのか知る由もないが、攻撃の要である本田がピッチに立つのは間違いないだろう。現体制下で初めてと言っても良い歯応えのある実力国との対戦を前に、本田は「練習試合とはいえ、やはり勝たないといけない相手」と必勝を誓った。
 
 テストマッチとはいえ、イランはワールドカップ最終予選でぶつかるかもしれないライバルだ。ここで叩いておけば、最終予選で同グループになった際に、良いイメージを持って臨める。先々を考えれば勝利は必須で、「その意味はたぶん、若い選手も理解しているとだろうし、意地はかかっているんじゃないかなと思いますね」と言う。
 
 もっとも、「それは向こう側(イラン)にとっても同じ。非常に厳しい試合になるなとは予想している」。体格に優れた選手が多いイランは、8日に対戦したシリア同様に激しく身体をぶつけてくる。おそらく、アグレッシブにプレスをかけてくる点も同じだろう。
 
 8日の試合では、その局面のバトルで苦戦を強いられたが、同じ轍を踏むわけにはいかない。前線からのプレスをかわし、いかに攻撃に迫力を持たせられるかは、この試合のひとつのテーマだ。
 
「前回の反省点を、どれだけ修正できるか分からないですけど、短いなかでも特に近い選手とは、より密に(話すべき)。ちょっとした精度を上げていくこととか、ちょっとした距離感を縮めていくっていうこととか。そういう準備はできると思っているんですけどね」
 基本的なプレー精度はもちろん、ボールホルダーに対してのフォローの距離感も改善すべきポイントだ。立ち上がりに相手の出方を見極め、それぞれのポジショニングを微調整できなければ、シリア戦の前半のように苦戦を強いられかねない。
 
 仮にイランがプレッシャーをかけてこない戦い方を選んだとしても、「プレッシャーをかけられたバージョンと、かけられてないバージョン。どちらで来られてもいいように準備して」おくべきだろう。
 
 また、こうしたポジショニングの修正は、攻撃面以外でも効果を発揮すると本田は言う。
 
「イランが激しく来るのは予想されるので、球際のところでボールを失うことも想定はされる。ただ、距離感を遠くしてボールを失うのではなく、距離感を近くして失ったほうが良い。失った場合も、その瞬間にまたプレスをかける。頭のなかでは(整理)できているんですけど、あとはどれだけピッチで具現化できるかだと思いますね」
 
 アグレッシブにラインを上げて相手陣内でサッカーができれば、本田が言う「距離感を近くした」コンパクトな状態を保つことができる。つまりは、本田を含む前線の選手だけでなく、チーム全員が意識を共有して「近い距離感」を保てるかどうかが生命線ということだ。
 
 アジア予選のグループDで首位につけるイランは、4試合で11得点というまずまずの攻撃力を備えている。それを抑えながら目指すスタイルを表現できるのか。チーム力が試される13日の試合で、日本代表が、そして本田がどんな答えを出すのか見ものだ。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェストWeb)