国土交通省が発表した「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」について、意見が募集されました。この新しい案では便利になる点がある一方、「見直すべき」という意見も多く集まっています。

「圏央道や外環をより賢く使う料金体系」

 2015年9月11日、国土交通省が「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」を発表しました。

 首都圏の、圏央道を含む内側の高速道路に関して2016年4月以降、異なっている料金水準や車種区分などを統一。またETC車について、高速へ入った場所と出る場所が同じであれば経路によらず料金を同じにするといった内容で、「都心の渋滞等に対し、首都圏の交通流動の最適化を目指し、圏央道や外環をより賢く使う料金体系を導入」(国土交通省)するとしています。

 この案についてNEXCO東日本とNEXCO中日本首都高速道路、日本高速道路保有・債務返済機構が同月、意見を募集。その結果が10月5日(月)、発表されました。

 その案で示された「新たな料金体系」に関する意見は155件が寄せられ、賛成は25件。“見直すべき”という意見が多く、なかでも10件以上と特に多かったのは次の内容です。

・二輪車の料金区分を設けるべき。《31件》
・大口、多頻度割引を拡大、拡充すべき。《22件》
・長距離逓減や各種割引は会社間での利用を通算して適用できるようにし、割引を統一してほしい。《19件》

 自動車よりサイズも重量も小さな二輪車ですが、現在、また新たな料金案でも軽自動車と同じ料金です。

 新しい料金案で示された「個別路線の料金」に関する意見は150件が寄せられ、賛成は8件。“見直すべき”という意見で10件以上と特に多かったのは、次の内容です。

首都高の料金について
・車種区分は当面の間、現行区分に準ずる率で継続してほしい。《17件》
首都高速内の利用であれば、現行料金を維持してほしい。《15件》

 首都高の車種区分は現在、「普通車」と「大型車」の2種類ですが、新料金案ではNEXCOと同様に「軽自動車等」「普通車」「中型車」「大型車」「特大車」となり、「中型車」と「特大車」は値上げになります。

 また首都高の料金は現在、普通車であれば510円から930円ですが、新しい案では300円から1300円になり、短距離利用では安くなりますが、おおよそ24kmを越える距離では値上げになります。

●横浜新道・第三京浜の料金について
・計画案よりもっと料金を下げるべき。《16件》

 新料金案では、料金水準が「現行の高速自動車国道の大都市近郊区間の水準に統一」されるため、これまでその水準より低かった路線では値上げです。第三京浜の保土ケ谷〜玉川間は、260円が680円になります(当面は“激変緩和措置”として390円)。

「その他の意見」は93件が寄せられました。そこで10件以上と特に多かったのは、次の内容です。

・(ETC2.0、二輪車に関し)車載器購入、セットアップの補助やマイレージポイントの付与など、助成措置を行ってほしい。《28件》
・休憩施設の新増設を希望。《20件》
・将来的な混雑状況に応じた料金制度は、現行より値上げにならないように考慮してほしい。《14件》

 新料金案では将来的に、基本的にはどのルートでも同じ料金ながら、混雑時は空いているルートと混雑しているルートで料金差を設ける構想があります。